映画「精霊のささやき」のこと

2023年8月31日(木)、19:00より京橋のフィルムセンター、今は国立映画アーカイブというらしいですが、そこで「精霊のささやき」を見ました。
おそらくスクリーンにかかるのは1987年のロードショー以来ではないかという話でした。
監督は去年逝去された植岡喜晴さん。
植岡さんがメジャー映画を監督されたのは「精霊のささやき」一本きりでした。
ですがこの「精霊のささやき」は傑作幻想映画で、本当に何というか、映画かくあるべしみたいな作品で、映画でしか表現し得ないものを見事にフィルムに定着させ、見るものに深い感動を与えてくれます。
派手な映画ではないものの、制作後36年経っても全く魅力が色褪せてなく。
僕は初見が1987年にレンタルビデオのVHSで、今回、初めてスクリーンで見たのですが、インパクトや感動が36年前と全く変わらず、そのことに驚きました。
普通、36年も前に見て感動した映画なんて、今見たら、よくて「そこそこ面白い」という感想が席の山です。
30年以上も経てばその間、人は嫌でも成長というか何かしら、暮らしも心も移ろい変わります。
昔見た映画を、今見て面白くないと思っても、それは映画のせいではなく、変わってしまったこちらの問題かもしれなかったりします。
しかし、映画「精霊のささやき」は、僕が20歳前後に感じた感動と興奮を、55歳になった今日見返しても、やっぱり同じだったという驚異の作品でした。
八ヶ岳の美しい自然美と、植木等をはじめとする渡辺プロの豪華な役者陣、川井憲次の物悲しい劇伴が、映画を鑑賞後、深い感動に誘ってくれます。
今日の9月2日(土)も16:00からもう一回かかるので、未見の方はぜひどうぞ。520円です。

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