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訪問介護はどうなる/逢坂誠二 #7745

【24年3月16日 その6048『逢坂誠二の徒然日記』#7745】
夜明け前の都内、多少星が見えます。9度です。日中も晴れ、19度まで上がります。今日は帰函し、夜は松前で陽春の集いです。

1)訪問介護はどうなる
今年の介護報酬の改定について、厚労省からは、職員の賃上げなどのためプラス1.59%で、国費ベースで432億円の増と説明を受けています。

一方、訪問介護の基本報酬は軒並みマイナスです。

その根拠として、2022年決算の「経営実態調査」で、訪問介護の利益率が全体で7.8%となり、全サービス平均の2.4%%を上回ったと説明を受けました。

説明を受けた瞬間に、これは違うと直感的に感じたのですが、厚労省はそれ以上深い説明は行いませんでした。

訪問介護事業所ごとに収益に差があり、7.8%は単なる平均、事業所ごとのバラツキを示していない、これが私の直感でした。

11日、厚労省が新たに明らかにした調査では、訪問介護のうち、利益率が0%未満の赤字事業所は36.7%、481事業所だったというのです。

都市部の大手事業所や、サービス付き高齢者向け住宅など集合住宅に併設され、効率よく訪問する事業所が平均値を押し上げたのです。逆に積雪寒冷地など効率の悪い、中小事業所では赤字なのです。

それなのに平均値だけを見て訪問介護報酬を下げる厚労省の不見識ぶりには呆れるばかりです。

厚労省は、介護職員の賃上げにあてる「加算」は、全サービスで最も高い加算率(最大24.5%)を設定したと胸を張っています。武見厚労大臣も「サービス全体の収支差に鑑み、サービスごとにメリハリをつけた」とし、「加算措置を通じて、プラスになるようにしっかり設計してある」と答弁しました(8日)。

ところが加算を取得するのは簡単ではありません。昇給の仕組みの整備、経験や技能のある介護福祉士の30%以上の配置などが必要です。赤字の小規模事業所が、こうした加算を取得するためには、事務負担も重く難しいのが現実です。

国の決定のまま介護報酬変更を実施すれば、今でも赤字の事業所の赤字幅が広がり、事業継続が困難になる可能性があります。

調査データを正しく理解せず、平均値7.8%だけで、訪問介護報酬の引き下げを判断した厚労省の罪は深いと思います。厚労省は生データを知っているはずですから、赤字事業所が多いことは知っていたはずです。それにも関わらず、今回の引き下げを判断したとすれば、在宅介護の崩壊を望んでいるとしか思われません。

また今回の介護人材の処遇改善経費も、本当に人件費の回るのかも怪しい状態です。

訪問介護事業所の赤字拡大を防ぐため、緊急的に財源を補填する仕組みなどの準備を検討します。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2024.3.16===
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