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働いている時、現場で患者さんに良く言う声かけだったり、歩行練習の方法はありますか

理学療法士の学生さんからの質問、残す・広く共有することで何かの役に立てたらと思い書いています。
今回の質問です。

現場で患者さんに良く言う声かけ

僕は現場に出て10年ちょっとですが、5年目までとそれ以降で、だいぶ変わった気がします。

以前の声掛け

声掛けというより、知識の押し付けをよくしちゃってました。
「動かないと余計動けなくなる」とか
「今が一番頑張り時ですよ!」とか。
入院中で明確が終了時期があったことや、なんとか頑張ってもらいたかったのでしょうね。

最近の声掛け

よく使うのなんだろう?と思うと
「どうしますか?」「どうでしたか?」「いっぱいがんばってるんですね」
などが多いです。
メインが在宅にうつった事と、がんばって運動させるのでなく」頑張らずに続く形を一緒に探す」方向が結局生活には馴染むという思いがあることが背景にあります。

どうしますか?は、メニューを複数提示した時や、同じメニューでも2・3セット目をするかどうかの確認でよく聞きます。
促しはするけど、「あなた自身が決めていってくださいね」という思いがあってです。
「入院中はとにかく動ける体に少しでも回復を。だからいいやり方を教えてもらう」「在宅では生活に合った形で無理なく続けることが何より大事。僕がいない時にもできるよう、身体の調子を自分で気にしながらどれくらいやるかを決めていきましょうね」みたいな説明を結構関わりの初期にしています。
※訪問リハに携わる方、入院と在宅の違いの説明、教えてくれませんか?

どうでしたか?は、運動実施後によく聴きます。本人的にどう感じたのかは次どうするかの参考にしています。
具体的には本人から
疲れ、痛み、動きやすさ、気を付けてほしいポイントへの注意の有無
などを聞きたいと思っています。いきなりと閉じた質問にすると自由度低いなと感じるので、オープンに聞きます。ただ、「どうって…何も感じない」という人もいるので、そしたら「疲れはありましたか?」など閉じていきます。
次どうするかは
運動量、難易度の調整です。

がんばってるんですね。も、以前は「もっと上を上を」という感じで
したが、「現状すでにできていること」により注目するようにしています。
特に家族が「もっと元気になってもらわないと!」とスパルタ教官的になってしまうケースは少なくないです。一番の安らぎの場であったはずの家で、厳しい視線や言葉を浴びせられる日々…と想像すると、僕ならしんどい。
せめて週1回くるおじさんくらいは優しくたっていいじゃないか。
弱音を吐いたっていいじゃないか。みたいな気持ちです。家族という近くて閉じた関係に、介護するされるの力学が強く働くのは危険です。
まぁ逆に叱咤激励する方もいますが(笑)このあたりは、家族、その他支援者の関係を踏まえて、ちょうどいい立場にいれたらなんて思ってます。

歩行練習の方法

この辺は論文・テキストに教科書的なのは譲りますが、あくまで1個人として、共通パターンを探すなら…と思って読み進めください。
全員に共通はなくて、ざっくり歩行レベル…
家の中をなんとか歩けます / 外も歩けます
で分けるとある程度共通のメニューが出てきました。

家の中をなんとか歩けます、な方

特別歩き方に問題ないなら、活動低下が最重要課題となることが多いです。安全で普段から実行可能な歩く機会をいかに確保するか?を考え、伝え、本人と相談します。
痛みや疲労、麻痺、バランス機能低下など、なんかしたらいいことある場合は、たいてい
立位→重心移動(左右→前後)→ステップ
歩く前の段階を丁寧にやることが多いかなと思います。
つくづく感じますが「歩く=振り出す」のイメージが一般の方には多いですが、「歩く(=立った上での行為=)支えてなんぼ」なんだなぁと。
とあるウォーキングの本では、「歩くは片足立ちの連続」なんて書いてましたが、まぁ確かにそうだよねと思います。
逆に言うと、それだけ「しっかり立ててない人が多いな」と感じてます。

家の外も歩ける方

こちらは歩容云々よりも、「速さや距離、耐久性」と、「一人でも安全に歩けるか」のチェックをメインとしてます。
「速さや距離、耐久性」について。僕はスマートウォッチでGPS、心拍が計測できるので、人によっては装着してもらいます。
屋外のどこを歩きたいかは本当に一人ひとり違いますが、数値化できるところはしておく感じです。
「一人でも安全に歩けるか」は、
①行きたい場所までの交通量、路面状況などの環境面
②別のことをしたり考えても転ばず、周りの注意も保てるかという認知機能面
をチェックします。車には気づけなくなっている人も、結構います。

最後に

いかがでしたか。質問してくれた方、または見てくれた方。1つでも参考になる点あれば、「いいね」で反応してもらえたら嬉しいです。

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