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なぜアラフォー女の親友はゲイなのか

よく言われていることですが、女性というのはライフステージが変わるたびに交友関係がアップデートされます。

学生時代の親友でも、どちらかが結婚したり、ましてや子供ができたりしたら自然と疎遠になっていくもの。寂しいですが、仕方ないんですよね。女性というのは共感を重視しますから。

ライフステージが変わると、共感したくてもできなくなるんですよ。
別に、ライフステージが変わったからといって友人を嫌いになるなんて、そんなことは決してないんですよ。

ただ、立場が変わってしまった友人の話に心から共感できないんですよね。
例えば、一方は結婚していてもう一方は結婚していない場合、入籍までの段取りや相手の両親との顔合わせ、結婚式をする場合はその式場決めで頭を悩ませる……なんていうことを経験しているかしていないかで共感度には雲泥の差が出てしまう。

ひどい場合はどちらかが「自慢された」や「僻まれた」などと被害妄想を爆発させてしまう場合だってある。

どんなに想像力を働かせて共感したところで、女性って見抜いちゃうんですよね。相手が本気でそう思っているかどうかを。

「あ、この子、頷いてくれてるけど本心では理解してくれてないよね」

とか

「なんか、口先だけで合わせてくれてるだけだよね?」

なんていうふうに。

だから、ライフステージが変わるごとに友人関係はアップデートされていく。

結婚したら既婚者同士で、子供ができたら子持ち同士で、というように、同じ立場で、相手が言っていることに心から共感できる人同士が仲良くなっていく。
(そして、世帯年収も同じくらいの方が、より一層仲が深まるという現象も)

女性も男性と同等に働く現代でも、妊娠だけは女性しかできません。

最近はマウスの実験で、オス同士の遺伝子から子供を産ませることに成功したとのニュースが流れていたので、数十年先には男性もお腹の中で自分の遺伝子をもつ子供を育て産み落とす時代が来るのかもしれません。

もしそんな時代が来るとしても、それは随分先の話。今のところは、妊娠だけは女性にしかできない。

だからこそ、女性のライフプランは描きにくく色んな選択肢が混在して、女性同士の人間関係にも幾多の分岐点が訪れ、ライフステージの違いというのが男性よりも顕著になる。

ただし、そのライフステージが20代前半の頃からずっと変わらない種類の女性が存在する。

それがバツなし独身アラフォーの女性なんです。

20代の頃、友人たちが次々と結婚するのを横目に見ながら深夜まで残業するなど仕事に励んだり、飲みの席で知り合った人と親しくなったり行きつけの飲み屋を媒介にして飲み友達を増やすなどして、スケジュール帳は常にぱんぱん。

仕事、飲み、旅行など、アラサー独身女子はとにかく忙しい。また、ピーク期には毎月のように友人の結婚式に出席するため、ピン札を常にストックしておくという声もよく聞く。

一緒に合コンに行って男の値踏みをしていた相棒を、一人また一人と送り出す。
でも、寂しくなんかない。東京にいると不思議なことに、シングルの新しい女友達はすぐにできます。

昼間は結婚して家を買った友人夫婦の家のホームパーティに呼ばれ、夜は飲み友達と夜中まで飲む。既婚と未婚、それぞれと楽しく過ごすダブルスタンダードが板について来る頃。

ただ、板について来るが、既婚者となった友人から言われる何気ない一言に心を痛めることも増えてくるのもちょうどこの頃。

「なんで結婚しないの?」
「相手を選びすぎだよ」
「早く結婚して、家族ぐるみで遊びたいね」

などなど。決して結婚したくないわけではないし、相手を選びすぎているという認識もない。

結婚は、相手あってのもの。自分の努力だけではどうにもできないことを言われても、困っちゃうんですよね。

昔は一緒に彼氏の愚痴を言ったり男を紹介し合っていた女友達が、なぜか上から目線で投げつけてくる「アドバイス」に、怒るというよりも悲しくなっちゃうんですよね。
「あちら側」に行ってしまったんだなって。

そして、決して結婚したくないないわけじゃないのに、お金も稼げるようになり、それなりに楽しいナイトライフや週末を過ごしているうちに、浦島太郎さながらに、気づけば40歳になってたりするんですよ。

婚活をしても一気に成功率が下がるという、魔の40歳。

その頃には、友人の子供は小学生になり、いっぱしにスマホを使いこなしており、じぶん自身は結婚式に呼ばれることもほぼなくなる。

飲み友達は今もなお沢山いるが、気づけば自分より年上の飲み友達は50歳前後のおじさんくらい。
そのほかの飲み友達はみんな「これから」の人。34歳を過ぎたあたりから、新しくできた飲み友達も、1〜2年経つと結婚して「あちら側」に行ってしまう。これまで何人の新しい門出を祝ってきたことか。

結婚報告を聞くたびに、心の底から「おめでとう」と思う気持ちに嘘はない。ただ、おめでとうと思うと同時にやり場のない寂しさを抱えるのも間違いない。

結婚して、これまでのように一緒に自由に飲める機会がグッと減ってしまうことを誰よりも知っているから。

アラフォー独身女性というのは、2023年の今でも社会ではやはりマイノリティなんです。女性のみならず男性だって、40歳を過ぎても一度も結婚していない場合は「何かあるんじゃないか」とヒソヒソ言われるもの。

相手が心の底でどう思っているかなん一生わかりようがないのだから、「バツなしの独身
です」と言うと、どうせかわいそうに思われてるんじゃないかな、なんていう被害妄想が爆発することもあるんですよ。

だから。

アラフォー独身女性はゲイと仲良くなるんですよね。

ゲイは残念ながらいまだに社会的にはマイノリティ。口にせずとも心の傷を分かち合えるのだ。さらに、ゲイの友人は今までの女友達のように結婚して疎遠になるという可能性が限りなく低い。現在の日本ではパートナーシップ制度が制定されている自治体はあれど結婚はできない。

そしてそして、ゲイは妊娠もしない。ゲイの友人は、恋人ができたとしても「あちら側」に行ってしまう可能性が限りなく低い。

今までの女友達のように、「あちら側」に行ってしまい、その途端に上から見下すような発言をしてくるという裏切りに近い行為を、彼らはきっとしてこない。

それまでに散々、顔で笑って心で泣くことを繰り返してきたアラフォー女性にとっては、散々傷ついてきたアラフォー女性にとって、この安心感や彼らの存在というのは、真っ暗闇の中に差す一筋の光と同じなのでしょう。

裏切りに怯えることもなく、張り合うこともしなくていい。
酔っ払ってしまっても襲われることはないし、服装やメイクに正直に反応してくれる。似合っていれば似合ってるといい、似合っていなければきちんとダメ出ししてくれる。
ただありのままの自分でいられる存在。それがゲイの友人なのです。

だから、アクティブなアラフォー独身女性がゲイと親友になるのは、必然ともいえる。

仕事を頑張り、時に絶望し時に希望を見出しながら、一人で戦っている独身アラフォー女性にとって、女神様のような存在がゲイなんですね。

今、寂しさを抱えている独身アラフォー女性がいたら、ぜひゲイの飲み友達を見つけて欲しい。もちろん、ゲイなら誰でもいいなんてことはないから、気の合うゲイ友達を見つけるのは大変かもしれない。でももしゲイと仲良くなれたら、それはきっと一生ものの友情になるでしょう。


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