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【第2期_第5回講義】デザインとは、モノの意味を与えるモノである

Oitaイノベーターズ・コレジオ第2期生の西川楓子(にしかわふうこ)です。2020年10月24日(土)にオンラインにて開催された第5回講義「これからのイノベーションを牽引するデザイン学の知見」の内容をまとめました。

1、講師の紹介

図1

重本 佑樹氏

2012年 オックスフォード大学近現代日本研究科修士課程 修了
2017年 ケンブリッジ大学工学博士課程デザインマネジメント専攻にてPh.D.取得
2019年 立命館大学 デザイン科学研究センター 客員研究員
2020年 福岡女子大学国際文理学部国際教養学科 講師

2、デザインとは何か

「デザインとは何か?」重本先生から唐突に質問がなされました。OIC生からは「意味のあるものにすること?」「象徴となるもの?」「論立て?」という意見が出てきました。重本先生の答えは、「実は学問の世界でも、デザインというものはコンセンサスを得られていない」というものでした。しかし、あえて定義をするなら、

社会問題に対して、物質的要素を調節し、概念的解決策を具現化する創造的行為であり、その成果物である。」

簡単にいうと「デザインとは、モノの意味を与えるモノである」ということです。英語でいうと「Design is making sense (of things).」です。


3、現代の日本社会のイノベーションについて

重本先生は、現代の日本社会は「現在の問題を即時解決できる(解決できたかのように見える)方法を求める」。
一方で、先生は「将来の問題を過去・現在・将来のコンテクストで解釈し、継続的に対処していける方法論が必要」とおっしゃっていました。

何故なのか、それは現代解決しなければならない問題が「厄介な問題」=正体不明なものになってきているからだと重本先生は言います。

図2

そして、その解決方法論として重本先生が研究されたのが「デザイン思考」です。この「デザイン思考」は現代注目されている学問分野で、ヨーロッパからアジアへ広がっています。

ここで余談ですが、オックスフォード大学とケンブリッジ大学で学ばれた経験から、イギリスは独自にフレームワークを作り上げる。一方で、日本は海外の真似をする、つまり、1からチャレンジしてみようという視点が失われているということを感じたそうです。重本先生は、現在日本独自の方法を作り上げようとしています。


4、感性を磨こう

では、この「デザイン思考」をいかにして使っていくのか。重元先生は一番重要なことは「感性を磨くこと」だと言います。

下の図を見てもわかるように「デザイン思考」は「分析的思考」と「直感思考」の間に位置します。

また、「デザイン思考」のプロセスは

共感→問題定義→創造→プロトタイプ→テスト

となります。この中で「共感」の部分で感性が求められるからです。

図3


5、個人的な気づきと感想

私自身、「デザイン思考」というものは認知はしていましたが、今まで詳しく勉強したことがありませんでした。今回の講義中で印象的だったのは「方法自体を疑う」ということです。解決しなければならない問題は複雑になっているのにもかかわらず、私たちは既存のフレームワークを疑わずに使っていたことに気づかされました。もちろん、既存のフレームワークを使って課題解決をすることは有効な方法だと思いますが、それよりも重要なことは何のためにこのフレームワークを使うのかを認識することだと感じました。


6、次回予告

第5回までの講義では主にインプットを中心に様々な考え方を学びました。次回からは、今までの講義を通して学んだことを活かし、ワークショップ・デザインのプロフェッショナルの指導の下、大分の未来を想像するアイデアを生み出します。そして、今回は高校生、大学生の案を基に、受講生は最終発表会に臨みます。この案は今回学んだ「デザイン思考」を生かして提案される予定です。

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