ピロリ菌とわたし

今は退職しましたが、働いていた会社の年一度の健康診断も誰が見ても身体測定程度でした。それをぼんやり十数年受けてきましたが、泊まり勤務もある職場でそれは駄目だと遂に外部に指摘され、そこで初めて血液検査やバリウムなどが追加されました。その初体験バリウムで私はピロリ菌と出会うことになります。

胃炎(全体)という結果が届きました。私は高校生くらいからずっと胃が弱かったので成る程としか思いませんでした。そうでしょうねと。それに引っかかった以上、次にくるのは胃カメラです。はじめてのバリウムからはじめての胃カメラ。正直バリウムでしんどかったので、胃カメラの予約は怯えながらの電話予約です。胃カメラは大人気なのか、2ヶ月後の予約になりました。

それよりも先に血液検査で感染症検査をしなくてはならないとありました。よく分かりませんが、B型肝炎やら梅毒やらを調べるそうです。

「ピロリ菌の検査も先にしたこうか」

先生にそう言われてついでに検査することになりました。本来なら胃カメラ後に検査するのが普通みたいですが、名古屋市では20歳から39歳までの市民全員ピロリ菌検査が無料キャンペーンをやっていたのです(キャンペーンではない)これはラッキーです。しかも私が検査に行った月頭から始まっていました。というわけでその日は感染症のための血液検査、ピロリ菌のための血液検査をうけて帰りました。

後日。ピロリ菌の結果が届きました。

「陽性」

の文字。ゾッとしました。とりあえず何故か母親に電話をしました。大病だと思ったからです。ピロリ菌は胃がんの原因です。胃がんになるならないはピロリ菌がいるかいないかです。可愛い名前のくせにとんでもない菌です。

「へー!いたんだ!薬で除菌できるから大丈夫だよー!」

電話口の母はあっけらかんとしていました。

私は不安が拭えないまま胃カメラの日を迎えました。胃痛の原因はピロリ菌確定ですが、その胃がどのような状況か分からないからです。穴が開いてたりポリープがあったりしたらどうしようと。

名前を呼ばれ向かうとベッドのある部屋でした。ここで胃カメラを飲むのかと思っていたら、そこでは薬を飲んで胃を膨らませたりする時間でした。喉のための麻酔は初めてなので違和感が凄かったです。30分くらいその場所にいていよいよ看護師さんのお迎えが来ました。胃カメラです。

そのお部屋に着くとしゅごーしゅごーといろいろな音がしていました。実験室のような雰囲気です。少し怖い。横を向いて寝転んでと言われその通りにしました。口元には持ち物に指示されたフェイスタオルです。喉に麻酔がかかっているため、つまらないよう唾を飲み込まず外に流すためです。

私は鼻からの挿入です。看護師さんからは15分!15分我慢したら終わるから!となんとなく不安になる応援を受けいざ開始です。

いつか口からより鼻からの方が全然楽だから!そう言われた事があります。それならば安心と見た管の感想は「太い!!!!!!!」でした。あれ鼻通るの??喉も??まぁ通るんでしょうけど!!!!!!!

ちゃんとした実況ができたら良いのですが、よく分からないまま終わったので割愛です。ただ口には出せませんがずっと「ぐえー」って感じでした。喉通過の時に先生がここだけ我慢したら大丈夫!とずっと言ってました。確かに喉は苦しい感じがしました。私から一切カメラは見えなかったので、先生の「いま食道」「いま十二指腸」など言われてましたが何一つピンときてませんでした。胃まで遠いんだなと思っていました。

胃カメラが終わり、顔を拭いたり準備を整えて次は診察室です。余談ですが私は鼻血が出ました。

「どうしてもピロリ菌がいるから炎症は所々あるけど、すぐにどうこうなるやつはないので大丈夫ですよ」

自分の胃の中の画像を見ながら言われた言葉に一先ず安心です。

「けど原因がピロリ菌だから薬で除菌していきましょうね」

ピロリ菌の除菌は7日間、朝晩食後に欠かす事なく薬を飲まなければなりません。

画像1

毎日10錠です。薬が1回分ずつまとまったシートタイプもあるそうです。羨ましい。薬はすぐ飲み込めるタイプなのでその辺りは問題ありませんが、処方されるとき薬剤師さんから

「絶対に飲み忘れないでください。やり直しになってしまいます。あと副作用がほぼあります。1番は腹痛や下痢です。1週間なので我慢できたら我慢して欲しいですが、どうしても体がおかしいと思ったら連絡ください」

と言われたので、それが不安でした。ちなみに私は飲まないのですが、アルコールやコーヒーもその期間はNGです。胃に負担が強そうなものも駄目だと思います。辛いものとか。

「ピロリ菌は高確率で除菌できます!今回万一失敗しても2回目で90%以上の確率で除菌できますから頑張ってください!」

そんな薬剤師さんの励ましを受けて私の除菌生活がスタートしました。

何かありそうな感じで書きましたが、毎日一週間薬を飲むだけなのでここも割愛です。飲み忘れもせず飲み切りました。心配していた副作用もとくにありません。一度どうしようもない腹痛に見舞われましたが、その日めちゃめちゃ食べたので、食べ過ぎか副作用かの区別は全くつきません。

薬を飲みきってすぐ除菌確認かと思いきや、服用から4週間の間隔をあけることになります。こころなし胃痛が減ったと思いながら検査日を待ちました。

検査日当日。検査方法は呼気検査です。2回専用の容器に息を吹き入れます。1回目はそのまま、2回目は薬を飲みベッドに寝かされたりした後のものでした。それも結果は1週間後です。消化器内科専門のところだと当日すぐ結果が出るみたいですね。

後日。結果発表です。待ってる1週間胃がキリキリしたので、除菌されてない気がして不安でした。

「除菌成功です!」

先生にそう言われた時は心の中でクラッカーを鳴らしました。後ろにいた看護師さんもにこにこしてました。

こうして私のピロリ菌生活は幕を閉じました。幼少の頃からいたであろうピロリ菌とようやくのお別れです。ピロリ菌がいたという事実は消えないので、年一の胃カメラは推奨されますが、極端な胃の老化はとりあえず防ぐ事ができました。

胃がんや胃潰瘍の原因はピロリ菌です。大昔ブリトラがカテキンの歌で歌っていたことが身に染みています。ぜひお時間がありましたら、ピロリ菌検査をおすすめします。胃痛の原因にピロリ菌があったとしたら、除菌すれば胃痛が減るやもしれません。私は夜中に胃がキューってなる事がなくなりました。早ければ早い方が安心です。特に名古屋市の若者は無料ですお得ですよ!

まぁ、健康のために病院でちゃんとした健診を受けるのが1番ですよね。面倒だと思っちゃだめですね。命大事。

ありがとうございました。






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