森の落とし物【奥入瀬 23/11/8】
今日の奥入瀬渓流は昨日の強風の影響で、そこかしこに折れた枝が転がっていました。
中には腕よりも太いような枝が落ちてきていたり…
森の中には面白いことがいっぱいですが、自然の中にいる以上は一定のリスクがあります。
お天気の悪い日の無理な散策などはしないよう皆さんもお気をつけください。
風が強かった日の翌日は、ついつい森の落とし物ばかりを観察してしまいます。
普段は見えない場所にある世界を覗き見ることができるからです。
特にカツラの巨木の周辺がおすすめ観察スポットで、面白い落とし物に巡り逢えることが多いです。
樹上の生態系が豊かな奥入瀬渓流の森において、カツラの巨木は別格の存在で、樹幹のみならず、細い枝の先端付近にまで、たくさんの生命を乗せています。
普段は双眼鏡越しにしか見れない世界には不思議がいっぱいです。
この独特な風貌の生き物は地衣類【ちいるい】と呼ばれる生き物の一種。
風貌も変わっていれば、生き方も変わっていて、菌類と藻類、二つの生命が一緒になって生活しています。
昔、苔の仲間だと勘違いされていた名残もあって、苔ではありませんが、ほとんどの地衣類の仲間に〜ゴケと名前が付けられています。
そんなわけで、苔ではないコケなんです。
私はこの地衣類を見ると、いつも海中の生き物を連想してしまいます。
この枝がそのまま海中に沈んでいても、特に違和感なさそうなんですよね。
生き物の進化の歴史を辿ると水の中に繋がるわけなので、おかしな連想でもないかも?
森や山は大好きなんですが、海はどちらかというと苦手。眺めるのは好きです。
西表時代に一度だけダイビングをしたことがあります。
耳抜きというダイビングには必須な技術が苦手でなかなか苦しんだのを今でも覚えています。
でも、幸運なことにその一度のダイビングでウミガメとマンタに出逢うことができてしまって、もう海の中に思い残すことはないと思ってしまったのでした。笑
今の所、私にとっての海は樹の上の世界でじゅうぶんなのです。
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