だからやっぱり椎名林檎が好きーー『椎名林檎論 乱調の音楽』を読んで
人と会うとかならず椎名林檎の話をしている気がする。
「伊勢丹」の話が出れば「突き刺す十二月の」と言ってしまうし、もはや椎名林檎の歌詞だけで会話ができるんじゃないかと思う。
すべての思い出話の中に、椎名林檎の音楽が流れている。
そして、椎名林檎や東京事変、林檎提供のともさかりえや柴崎コウの曲を聴きながら帰る。そんな三十二歳の日々。
ここ最近「椎名林檎が好き」と言いづらい空気をひりひり感じるなか、気になっていた新刊・北村匡平『椎名林檎論 乱調の音楽』(文藝春秋) を読んだ。