見出し画像

ぼくのみそらーメン

次男が友達の家に遊びに行った時の出来事だった。

お昼時になり、ではご飯を食べようという事になり、次男はその時間になったら家へ戻るよう母に言われていたのでいざ玄関に向かうと

「ばあちゃん、みそらーめんにしてよ!」

という友達の声がした。 そこでクツを履くのを止め、何気に台所を覗き見たところ、 おばあちゃんがせっせと友達のために、みそらーめんを作ってあげている光景があった。

鍋に水をためて火にかけ、袋をやぶって麺を入れ、どんぶりを出してカマボコを刻み・・・

その光景がなんともうらやましい次男。

走って帰ってきた次男は開口一番「ママッ、昼ごはんはみみ、みそらーめんにしてよ!」 と言った。 残念ながら、サッポロ一番味噌ラーメンは切らしていたので「うまかっちゃん」でどお? と母は促したが、決して首を縦には振らなかった。

仕方がないので二人で味噌ラーメンを買いに行き、カマボコもカゴに入れ、急いで戻って母は作り始めた。 その姿をかたわらで見上げていた次男はこう言った。

「ママ、おばあちゃんの役になりながら作ってよ」

母はそのおばあちゃんの事を知らないが、いわゆるおばあちゃんになりきって、かまぼこ入りのみそらーめんをこしらえた。 「ほら、次男や・・・温かいうちにお食べ」

うれしそうにススる次男を見ていると、なんだか本当におばあちゃんになった気がしたのだと妻。 その後次男は三日続けて昼ごはんは「おばあちゃんの作るみそらーめん」をリクエスト、したのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?