明治大学農学部2年、吉田です。私も水口さんと一緒にチーズ販売に関わったので、当日感じたことをレポートしますね。

今年初の試みということで、大学でワイン講座が4月にスタートしました。最初の講義の際に「ワインを自らつくることから、お客様に伝えたり販売したりすることまでを体験できるプロジェクトにしたい」という講師の皆さんの説明を聞き、数年後に社会に出ていく私達にとって、貴重な体験ができそうだなと思いました。
そう思っていたら、ゴールデンウィークも明けてしばらくした日曜日、5月21日に、山田さんが主宰するワイナリーイベントに、私達学生もお客様をお迎えする側として参加させてもらえることになりました。朝から多くの方が山田さんの蔵邸ワイナリーを訪れ、ワインを手に取り、嬉しそうにされているのを目にして驚きました。それは、企業などの大規模運営でなくても、イベントに魅力さえあれば、こんなにも人は集まるのだ、ということを目の当たりにしたからです。

当日、私たち学生はいくつかのグループに分かれ、私は松尾さんが企画したチーズ販売の手伝いをさせてもらうことになりました。チーズはチーズスタンドさんの「東京ブッラッタ」「さけるモッアレラ」「リコッタ」などの4種類で、とても高級そうだなと思いました。普段ほとんど買物しないため、チーズの値段の相場が分からなかったのですが、一皿500円という値段設定は、おそらく消費者にチーズのおいしさを知ってもらうことを第一に考えた値段なのだと思いました。これはイベントに来場してくれた人の特権だと思い、私達も自信をもってオススメできました。

それぞれのチーズに合うワインの情報も事前に知ることができ、「ワインにあいますよー」とアナウンスもすることができました。お客様がワインとチーズを楽しんでいらっしゃる様子を見て、チーズはもちろん、それだけで味わいを楽しむのもいいですが、何かと一緒に組み合わせる(今回でいえばワイン)ことで、どこまでも美味しさや楽しみ方が広がっていくということを学ぶことができました。

販売中お皿に盛りつけられるチーズは、気温のせいか少々溶け、トロ～っとしてきて、それが食欲をそそり、試食したくてうずうずうずうずしていたのですが、岩崎先生のご厚意でチーズを試食することができたのは、とてもうれしかったです。やはり自分たちが味を知ると、オススメもしやすくなると思えました。4種類全て、私がこれまで食べたことがあるチーズとは味も食感も異なり、もちろん4種類も同じものはなに一つなく、それぞれのチーズの特徴をとても感じることができて感動でした。

香りがとても強かったり、一般的に食べやすいと思われるもの、ややクセがあると感じるものがあったり、ジャムを添えて食べることにより上質なデザートのような味わいになり、「本当にこれはチーズなの？」と思えるものがあったり。

私の周りにいた友人とも、どれが一番好き？なんて話をしながら食べてましたが、それぞれ好みが分かれました。このことからもチーズは『チーズ』という単語でまとめしまうにはもったいないくらい、味わい・食感・風味などの要素の掛け合わせで、楽しみ方はかなり豊富であることを知りました。

最も印象に残っているのは、リコッタチーズに添えて出したホエイジャム(WHEY JAM)でした。ホエイは牛乳がチーズの固体になるときに分離してできる液体・さっぱりとした乳酸菌飲料のようで栄養価が高く、プロテインや化粧水に使われるものであることを初めて知りました。

チーズスタンドHPにはホエイジャムについて、こんなふうな説明がありました。「 酸凝固チーズ製造の際にとれるホエイをてん菜糖と煮詰めてジャムにしました。キャラメルのようなコクのある甘みの中に、パッションフルーツを思わせる鮮やかな酸味と香りが際立っています。」これはたまらなく美味しそうな表現です。

確かに私が想像する乳製品とは思えないような甘みがあり、とてもおいしく、チーズと合わせることでデザートを食べているような気分になりました。チーズを作る過程に生成したものを余すことなく、想像もできないような形とおいしさで提供していることにとても驚きました。

今回のイベントでは地域の方との関わり、販売することの大変さ、そしてチーズという食材を深く知ることの面白さなどを知り、とても貴重な経験をさせていただきました。今後も大学のワインプロジェクトを通じ、積極的に活動に参加し、自分の知識や経験を増やしていきたいです。

【参考文献】
1）CHEESE STAND Menu　2023年7月28日アクセス
https://cheese-stand.com/menu
2）CHEESE STAND online shop ホエイジャム　2023年7月28日アクセス
https://onlineshop.cheese-stand.com/products/whey-jam