#5 人造人間トム・クルーズ
女性記者ステファニー・マンスフィールドはトムをこう表現する。
1992年、彼女は大手有名雑誌GQの12月号発表にむけてトムへのインタビューを行なっていた。しかし彼女がトムの過去の家庭問題について探ろうとした瞬間、彼が突然激昂する。
※『ア・フュー・グッドメン』は1992年に公開されたトム主演の映画
彼の高校時代のガールフレンドや昔の知り合いについて聞こうとする彼女の質問に、トムはそれ以降にまともに答えようとはしなかった。インタビューを終えたマンスフィールドは、次のようにコメントしている。
「クルーズ・コントロール・システム」
度を超えた秘密主義。
トム・クルーズの特徴、まず1つ目がこれだ。
自身の過去や子供時代の家庭環境、プライベートな問題を問いただされる事にただならない嫌悪を抱くトム・クルーズは、たやすくマスコミに自由を与えない。目的を映画のプロモーションだけに限定して行われるトムのインタビューでは、記者やジャーナリストは彼が作り上げた細かなルールの一つ一つを確認し、契約書にサインを終えてから、やっと質問を行うことができる。仮にもし誰かがルールを破りでもした場合、その者はブラックリストに載せられ、すぐさま会見の場から閉めだされてしまう。
彼のプライバシー保持の為の取り決めやマスコミに対する厳重なルールの押し付け、業界人はこれを「クルーズ・コントロール・システム」と呼ぶ。
映画業界内では有名な話らしいがネットで検索してもそれに関する情報を見つけることは難しい。
だから実は私は今、ものすご〜〜くビクビクしている。こんな事を書いていて本当に大丈夫なのだろうかと。今にも私の家のチャイムが鳴り、モニターをのぞけば、そこにはトム・クルーズがっ!!!
…なんてこともあるかもしれない。許してトム。
「『トム・クルーズ』という幻」
けれども、別にここで彼の変人ぶりを追求したい訳ではない。問題は、彼がこうまでして守りたいものは何なのかということだ。
それはきっと『トム・クルーズ』に違いない。彼が年月かけて公の中に作り出してきたトム・クルーズ像だ。クルーズ・コントロール・システムに表徴されているように、完璧な自己像を保持し続けようとする強固な姿勢が、他の俳優たちとは一線を画している。
しかし、やはり完全に人間トム・クルーズを消すことはできないのだろう。彼の出演する映画の幾つかに、彼の実態がひっそりと顔を覗かせている。
例えば、映画『トップガン』(86)の主人公マーヴェリックは青年期に父親を失っている。トム・クルーズの青年時代にも、父親の存在はなかった。
👉 #6 『少年。』
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