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あなたは身近な人の自殺の兆候に気づけますか「The Last Photo」

Summary

イギリスのNPO団体CALM(Campaign Against Living Miserably)と、英国最大の民間テレビ局ITVは、イギリスの自殺率が前例のない速度で上昇していることに国民が鈍感になっており、声を掛け合うことで命を救える可能性が高いにも関わらず、その認知が低いという問題に取り組んだ。

問題の原因は、「自殺しそうな人がいたら、その兆候に気づけるはず」という人々の思い込みにある。

しかし、その思い込みの奥には、「自殺する人を助けられる人でありたい」というインサイトがある。このインサイトに応えるため、CALMとITVは、「自殺する人は自殺する人に見えない」という事実に着目し、身近な人であっても、自殺の兆候に気づくことの難しさを伝えることで、より積極的に声を掛け合う社会が実現できるのではと考えた。

そこで、自殺するとは思えない振る舞いをしている人々の、自殺前に撮影された本物の映像を繋げた広告を制作した。

このアプローチにより、「身近な人の自殺の兆候は、気づけるはずと思っていても、実際にはその兆候に気づくことは難しい」という気づきを通じて、より積極的な声掛けを促した。



Deconstruction

Brand
CALM(Campaign Against Living Miserably) - イギリスのNPO団体
ITV - 英国最大の民間テレビ局

Target
イギリスの国民。

Objective
イギリスの自殺率が前例のない速度で上昇しているにも関わらず、死亡者数の増加に対して国民が鈍感になっており、声を掛け合うことで命を救える可能性が高いにもかかわらず、その認知が低い → 意識を高めるだけでなく、声を掛け合う実際の行動を社会に促し、自殺を防止する。

Barrier
自殺しそうな人がいたら、その兆候に気づけるはず。

Insight
自殺する人を助けられる人でありたい。

Thought starter
「自殺する人は自殺する人に見えない」という事実に着目。身近な人であっても、自殺の兆候に気づくこの難しさを伝えることで、より積極的に声を掛け合う社会が実現できるのではと考えた。

Idea
"The Last Photo"
自殺するとは思えない振る舞いをしている人々の、自殺前に撮影された本物の映像群。

Transformation
身近な人の自殺の兆候の価値変容
気づけるはず → 兆候に気づくことは難しい

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