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やっぱり裁判って面白いなって再発見した話(窃盗、詐欺、詐欺未遂、覚醒剤) 傍聴小景 #26

だいたいここで扱う裁判の話って、実際傍聴してから2~3ヶ月空いているものが多いんですね。あまり近々のものを扱いすぎると、投稿したい話に出会えなかったときに無理やり記事化しなきゃいけなくなるから時間に余裕を持ちたいのもありますし、裁判の内容であまり特定などもされたくないですし。それにノートを見返したら、数ヶ月前でもそのときの状況ってそれなりに思い出せたりするものなのです。

でも、今回は自分の記憶がより鮮明な内に書きたいと思って書いています。


今回扱う裁判を傍聴した日なのですが、私にとっていつもと違う環境でした。
私の隣には、普段お世話になっている整体の先生が一緒でした。私が施術時に頭おかしいことばかり言っているので、腰痛は直したから、その曲がった性根も直してやろうと興味を持たれたとのこと。裁判とはなんと罪な存在なのでしょうか。裁判だけにね!
あっ、すみません、拘禁刑を言い渡される第一号になるんで許してもらえますか。


先生とは、午後から合流する予定なので、その前にせっせと開廷表を書き写し、「新件」「判決」だけを時間ごとに抜き取って別の紙に書きだしてあげる(傍聴人なら、この優しさがわかるはず)という、そのきめ細やかさをどうして女性に発揮できないのかという所作を。
そんな心遣いはするくせに、先生が来られるタイミングってのは、ちょうど追ってた裁判と時間が被りそうだったので、集合時間を遅らせてもらうという我がままっぷりで自分らしさを主張。

先生と裁判所内で無事に合流。こちらで書き写しているけど、直に見ていただいた方がいいだろうと、開廷表をペラペラと見てもらう。
ニュースなどでは聞く、「覚醒剤取締法違反」「迷惑防止条例違反」などその日行われる裁判で扱う各種罪名に、犯罪というのが本当にこれほどの数行われているのかと実感と、まだ信じられないというようなご様子。

「う~ん、今日はちょっと「新件」の数が少ないなぁ」などと、「裁判所でしか自分を表現できないウザい奴」というジャルジャルのコントのタイトルみたいなキャラを表現しつつ、先生に用意した開廷表をご覧いただく。

ここからは、まずは自分の意思は一切排して、先生に委ねる。初めて来られた人に、自分の考えを押し付けちゃいけないことくらい、今まで10組くらいはこういうののアテンドをしてきたのだから、10回目にしてそろそろ気付く。
聞かれたら答えはするし、なんとなくの推奨の裁判を「〇」「△」なんかは表現しておくけどね。どうにかして、レア事件の「公用文書毀棄」に目が留まらないかと、何か話をするにつれ「ところで、この公用文書毀棄ってのもね…」と話をしてみるが、お目にはかからなかったようだ。

結果、掲題の通り、窃盗、詐欺、詐欺未遂、覚醒剤取締法違反の4つの罪を犯したとされる裁判を選択した。聞き馴染みのある罪名が並んでおり興味を持たれた模様。
と、ここで私は、ここで口を挟みそうになってしまった。なぜなら私ならば、この裁判は選ばないからだ
えっ、あんたいつも窃盗、窃盗うるさいじゃんかと思うかもしれないが、ちゃんと理由はある。

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