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一輪車を使いこなす70代(道路交通法違反) 傍聴小景 #31

なんか最近、無罪判決がどうとか、有名な事件を扱ったりと、らしくない記事が多いので、久々に身近感(?)のする裁判の事例を一つ紹介します。

事件の内容にもよるのですが、懲役一年という判決がニュースで流れると、わざわざニュースで流れるような事件なので「一年なんて短すぎる!」って反応を示すコメントなどを散見します。まぁその気持ちもわからなくもないのですが。
でも、実際問題、自分が社会から一年隔絶されたらどうなるんだろう?と考えるとなかなか思うところはあります。実質、社会と隔絶されているような生活を選択している私が言うんだから確かです!

先に言っちゃいますが、今回紹介する裁判の判決ですが先に、懲役五ヶ月でした。
これは私がnoteを行っている期間と同じです。あっという間に過ぎたようでもあり、書いている最中は必死だったりするので、時の概念というのは本当に様々だと感じます。

はじめに

罪名 :道路交通法違反
被告人:70代の男性
傍聴席:平均2人(全2回)

70代という言葉だけだと、いろいろ老いについて想像される部分もあると思いますが、肌の血色であったり、恰幅であったり、元気な印象。喋りも達者の方でした。
ただ、足が悪い様子。法廷で自分の席に行くのにかなり大変そうでした。刑事裁判を受ける被告人というのは、一般社会の割合よりやや多い割合で体の不調を訴えている方がいるように思えます。その不調により、働くのが苦になってしまい、結果働かずで、食うのに困って…というのが悲しいかな、流れとして往々にしてあるのです。


事件の概要(起訴状の要約)

被告人は運転免許を持たず(有効期限切れ)、
午前5時ごろ軽貨物車(軽トラ)を大阪府内の公道を159mほど運転した疑い。

159kmでも、15.9kmでもありません、159mで間違いないです。
無免で公道走ってりゃ、そりゃあ悪いに決まっているんですが、朝5時にそれくらいの距離を、別に事故ったとかでなく走っていただけで捕まるというのが、これもリアルといえばリアルなのでしょうが、なんとも不思議な事件です。

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