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Collective Dialogues

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創造的で豊かな対話を実践するための工夫やヒント
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2020年8月の記事一覧

丹野智文さんへのインタビュー

熊本県下の高校31校をネットでつないだ下記のワークショップの後半は、39歳で若年性認知症と診断された丹野智文さんへのインタビューを高校生のみなさんにも聞いていただき、そこで感じたことをお互いに対話してもらった。 後半のインタビューを含む全体の流れは下記の通り。 丹野さんと出会ったのはいつだったろう。 たぶん、しっかりとお話をしたり関わるようになったのは、下記のRUN伴のプロモーション用のWeb/映像を制作したときだろう。このときは7つの地域の認知症当事者の方にインタビュ

高校生のスピード感

下記のワークショップには128人の高校生たちが参加したが、その中の熊本県立第二高等学校の3人には、あえてセッションに参加せずに《従軍記者》として撮影隊になってもらった。 13時から始まったワークショップは15時半に終了。そして16時半には撮影隊の3人からプロトタイプの概要説明の動画が届いた。素晴らしいスピード感だ。彼らが作ってくれた2つの動画。どちらも若い人らしくてとてもいい。 高校生たちにとって映像の撮影や編集は私の世代がPCで文章を書くようにごく自然なものなのかもしれ

《従軍記者》という概念

《従軍記者》といっても戦争の話ではない。第三者的な記録者の位置づけをここでは《従軍記者》という言葉で呼んでいる。 世の中には、本当によい活動をしている人たちがいる。価値のある取り組み、姿勢、そして周囲の人たちに多大な影響を与えている人たちだ。そういう人たちや活動は、福祉の現場でもNPOの活動でも、さまざまな地域に点在している。 そういう人たちは本当の意味で人に寄り添い、ものすごい熱量で活動をしている。だから自分たちを記録する余裕はない。だからその場にはいなかった人たちには

対話で生まれる多様な気づき

2020年8月18日の午後、熊本県下の高等学校31校をオンラインで結ぶ、熊本県高等学校家庭クラブ連盟が主催する2020年度第57回指導者養成講座が行われました。 テーマは「対話で生まれる多様な気づき」。「旅のことば」というカードを使いながら対話のセッションをオンラインで実施しようという企画です。 熊本県には分校を含め82の高等学校がありますから、新型コロナの状況下で、熊本県下の高校全体の約40%をオンラインで接続し、対話のセッションを実施するという、とても実験的でチャレン

『はっきりした目的をもち、その実現に一生懸命取り組み、きっと実現できると自分を信じること』 それは、どうやって実現していけるだろう

 組織が何を目指しているのかがわからない。周囲のメンバーと自分の考えが食い違う。そういった感触があると、少しずつメンバーの前進する力は失われていく。ミッション、ビジョンが設定されていても、なぜそうなってしまうのか?ケン・ブランチャードのVisonを参考に考えてみた。はっきりした目的をもち、その実現に一生懸命取り組み、きっと実現できると自分を信じるためには、説得力あるビジョンが必要である。 まとめ ・なぜ?、どこへ?、どのように?が明らかになっていると、力を発揮しやすい。これ

ファシリテーションはチームの中に引き継がれていく

ファシリテーターは過渡期に存在する役割という話は時々しています。 今も、とある企業のリーダーたちが集まるチームビルディングについて考える週次の定例会のファシリテーターをさせてもらっていますが、3ヶ月目に入って、週次から隔週に変更してもらいました。 最初の月は週次でも、必要に応じて(相手の時間を確認した上で)延長したり、翌日必要なメンバーだけにして続きを行ったりしました。「対話できる関係性を再構築する」それがファシリテーターの場づくりの一つですが、不特定多数が参加する一度き

Zoomのバージョンアップで場づくりについて改めて考えた話

Zoomのバージョンアップで、OBSやATEM miniで行っていたような自分とプレゼン資料をあわせて表示できるようになったのですが、すごいと思いながらも、使い方も考えていけるといいなぁと思うのでした。 もともとのZoomの画面共有は、参加者に対して画面を占有するという意味で、場への共通感覚をつくるのにすごく優れていると感じていました。優れている分というか、共有力が強いという側面もあり、集中を強要してしまっているところもあります。でも、初めてとか、関係性が浅い状態において、