絵麗

あの時何も言えなかったけど、何も思ってなかったわけじゃなくって

絵麗

あの時何も言えなかったけど、何も思ってなかったわけじゃなくって

マガジン

  • 鑑賞記録 本当はなにひとつとして忘れたくない それはわたしをどこまでも刺し貫くもの

  • 短歌 意訳すべてアイラブユー

最近の記事

書けない なんて言ったけど

ずっと(良くも < 悪くも)わたしはただ真面目で、「受験」というゴールがあった学生時代は、勉強ができる事が全てで、暗記が苦手なわたしにとって記憶(を欠落させないこと)が全てだったし、大学生時代は、論文を書くとき前提となる気づきのための熟考や筋道の通った言語化の上手さ(これは決して巧さではない)が全てだった。と振り返って思う。学内では秀でていたこと、才とはいえない小手先のものが、社会で役立つかと言われたらそれは否であるし、じゃあわたしという人間を良くしているものかと言われたらそ

    • 書けない

      きっと鬱に近いものなのだと思う。 あたたかい言葉を綴る/連ねる以前に浮かべることもできなくなってしまった。ずっとわたしにかけられる言葉に執着していて、何も満たされない。その満たされなさは空腹の時みたいで、若干の吐き気のような感覚と小さくも止めどない怒りをわたしは日々手放せずにいる。 昨年末、母は癌に手を引かれこの世を去ってしまった。ちょうど昨年の今頃からずっと死が近くにいるようで風に煽られる蝋燭の火みたいにか弱く揺れていた。わたしの精神もその隣で揺れていた。わたしはどうにか

      • 無学さからのニヒリズムは、かなり希望的 永遠に無学さに打ちひしがれるの

        • 吐く息白くなるまでは秋

          金色に光る銀杏はなぜ銀と 光の方、光の方へ にんじん、かぼちゃ、しめじ、味噌。きのこ嫌い? 台所にある全て愛だよ 陽向にて 大丈夫よときみにすり寄る猫になる来世へ欠伸

        書けない なんて言ったけど

        マガジン

        • 3本
        • 3本

        記事

          会うというのは人に限ったことではなくて場所も同じである、と鴨川に対し思った。四条から七条まで鴨川沿をずっと歩いた夜、わたしのイヤホンからは折坂悠太の『さびしさ』が流れていて、妙に響いた。「頃合いをみてはここでまた会おう」 ところで清水寺からの光線は何を指しているのですか?

          会うというのは人に限ったことではなくて場所も同じである、と鴨川に対し思った。四条から七条まで鴨川沿をずっと歩いた夜、わたしのイヤホンからは折坂悠太の『さびしさ』が流れていて、妙に響いた。「頃合いをみてはここでまた会おう」 ところで清水寺からの光線は何を指しているのですか?

          秋の陽は短し歩けよ乙女

          ◯ これは私が初めてひとりで京都という地に降り立ち出町柳界隈を歩いたときのお話です。 そもそものきっかけはタイトルと冒頭からお分かりいただける通り、好きな作家の一人である森見登美彦先生の作品の地を一黒髪の乙女として歩いてみたかったのです。 ◯ その前に、出町柳の前に訪れた場所についても書きたいと思う。 ひとり旅の幕開けは山登りから始まる。高校時代は入

          秋の陽は短し歩けよ乙女

          だから上野のモネ展の人の数には萎縮するが、わたしが国立新美術館でモネの晩年の睡蓮を観た時のようにモネに心動かされる人がこんなにもたくさんいること、すごいことだ、と、ただモネに対しまた恍惚とした想いを抱く

          だから上野のモネ展の人の数には萎縮するが、わたしが国立新美術館でモネの晩年の睡蓮を観た時のようにモネに心動かされる人がこんなにもたくさんいること、すごいことだ、と、ただモネに対しまた恍惚とした想いを抱く

          秋、陽があたたかくて過ごしやすく、服選びも楽しくて好きなはずなのだが、下がっていく気温と共に不安に襲われることが増える。 きっと秋に消えたくなる人ってわたし以外にもたくさんいて、藝術って生命の形であるし、それを享受して生き延びるための「藝術の秋」な気がする。

          秋、陽があたたかくて過ごしやすく、服選びも楽しくて好きなはずなのだが、下がっていく気温と共に不安に襲われることが増える。 きっと秋に消えたくなる人ってわたし以外にもたくさんいて、藝術って生命の形であるし、それを享受して生き延びるための「藝術の秋」な気がする。

          幾何学をいくつ揃えた空感

          昨年この展示企画を知るとき、そのタイトルは「キュビスム・レボリューション」であったと思う。そのタイトルの字面の仰々しさに、わたしはiPhoneのメモにまとめた 行きたい美術展リスト で、タイトルの末尾に☆マークをつけていた。(🌏🏴‍☠️⭐️) 革命と聞いて真っ先に私が思いついてしまったのはトランプゲームの大富豪であった。 同じマークの連続した数字のカード4枚か同じ数字のマークのことなるカード4枚かを卓上に叩きつけることでそれは起こる。 さて、このキュビスムという革命は、ア

          幾何学をいくつ揃えた空感

          . * ◯ ˖ ˚☁︎

          下北沢の月は満ちも欠けもせずただ萎んで地に落ちていた。これがアートなら、「地に足をつける」の対義語として高校生のときのわたしがワードセンスを光らせた「月に足をつける」ができてしまいそうだと思い出し笑う。モラトリアムであること。 ✦ ふた月楽しみにしていたダンスパーティーが締めの中華と共にあっけなく終わると、また気持ちが萎んでしまった。ここ数ヶ月で心理学の本をいくつか読んで自らの思考に折り合いをつけられたから少し元気になれたのだと思っていたが、どうやらそれは違くて、ただ明る

          . * ◯ ˖ ˚☁︎

          右折

          雨天に映える赤信号。前の車とわたしと、心拍数は近くて違う。♩= 80くらい、らしい。重なったと思っても、瞬きをすればもうズレている。濡れた顔を拭うワイパーともシンクロしない。ワイパーにはたまに驚かされることさえ、ある。 青信号になったのになかなか踏み出せないアクセル。謙虚さと言いたい2年目の初心者マークを理由にそのタイミングを逃し続けていることをどうか許してくれないだろうか。いや、謙虚さと躊躇はあんまりにも違う。やさしさと自信のなさは違う。 長めに右折の合図の点滅を聴いている

          さやを撫で やさいを茹でる やさしさや

          恋したひとと電話をしたことがない わたしの電話線は赤い 夢で死んだわたしはいまなぜ泣いている 朝ごはんのパンを焦がす あの喫茶店を営む夫婦は素敵 ふたり あんバターのように 言葉で泣いて言葉で笑う ぼくら 言葉を紡ぐ みんな神様 西陽が照らす君の赤ランドセル さらに光るは君のただいま 水中で踊るわたしも 水中で 笑う光も掴めない ゆめ 避暑地の今日の気温は36度 夕六時には忘る人肌 さやを撫で やさいを茹でる やさしさや 湯気の向こうの母の匂い

          さやを撫で やさいを茹でる やさしさや

          虚無感で希死念慮を浮かべる夜なんて何度目だ。はやく気品があって気高く暴力的な藝術に殺されたい。そういった音楽と心中したい。愛する音楽に同じように愛されたい。今日も今日とてジャズやロックを聴き入睡(じゅすい)

          虚無感で希死念慮を浮かべる夜なんて何度目だ。はやく気品があって気高く暴力的な藝術に殺されたい。そういった音楽と心中したい。愛する音楽に同じように愛されたい。今日も今日とてジャズやロックを聴き入睡(じゅすい)

          印象派の光 展にまつわる記、憶

          6/27 記録です。一緒に行ってくれたのは、一緒に美術館に行きたいねとよく話していた印象派が好きな友人。やっと叶ったね〜 記 (好きな絵のこと、手元のメモのままに。) 愛している、「空の王者」。 もうすぐ天気が変わる、その暗示、ブーダンの絵は動く。 ブーダンの空は一瞬で動く、変わる空 時間を止める絵というより、時間の流れを示す絵。 それを師と仰ぐモネの絵も同じ、風が吹く、草が揺れる、雲が動く、向こうが晴れる、人がその景色を見て立ち止まる、きっとそろそろ動き出す、またはま

          印象派の光 展にまつわる記、憶

          浴室の窓 開け忘れないで

          新世紀エヴァンゲリオンの ミサトさんが言う「風呂は心の洗濯」 ブルーピリオド 一次試験前のセルフヌードの八虎 裸でいる自分と鏡越しで向き合っている ありのままということ そんなようなことを模倣し 湯船に張ったお湯のように 言葉がわたしの中から溢れる それをすくえずに ドライヤーで髪を乾かしていると言葉は飛んでいってしまう 言葉は水分 冷たくなって風邪を引く前に 頼りない感覚のなかで うつろなまま輝いて またいつか そのときの言葉にして見せるから 風邪ひかな

          浴室の窓 開け忘れないで

          私はずっと忘却がこわい。これは、よい言葉をきっと無意識に遣うひと、言葉がすきな私が思うのと同じことを、私より魅力的な言葉で表せるひとへの嫉妬、止まらない、全部羨ましくて仕方がない、その帰結だ

          私はずっと忘却がこわい。これは、よい言葉をきっと無意識に遣うひと、言葉がすきな私が思うのと同じことを、私より魅力的な言葉で表せるひとへの嫉妬、止まらない、全部羨ましくて仕方がない、その帰結だ