ゲ謎

心意気は買う。

昭和三十一年。片田舎。とある財閥の当主が亡くなる。不可解な遺言状に納得がいかず揉める親族。たたりを恐れる村人。謎の闖入者。がけ崩れで遮断される村。つぎつぎと殺されていく当主の娘たち。

60年代の生まれである。80年代はついこないだのような気がする。これが70年代になると、はっきりと「むかし」だと感じる。昨今「昭和」と言われたときに、昭和のどこだよ、とつい思ってしまう。昭和にもいくつかの時代がある。もちろんその区切りは人によって全く違うだろうが、簡単にひとまとめにされてもピンとこない。

昭和31年。都会と田舎の文明にはいまよりも大きい差があった。10年以上はひらいていたはず。妖怪や魍魎のせいにしなければならないような理不尽や不合理は地方にはいくらでも残っていたはず。

ところで「みずき」のイントネーションはあれでいいのだろうか。


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