コーエン兄弟『バートン・フィンク』徹底解剖14「妄想ピクニック後編~オールド・ブラック・ジョー」
さあ、いよいよ映画『バートン・フィンク』の山場ともいえる重要なシーンだ!
「妄想ピクニック」の後半、W.P.メイヒューが歌う『オールド・ブラック・ジョー』の徹底解説だよ!
日本語字幕や吹替えではなぜかコーエン兄弟の意図が完全にスルーされてしまった「問題の場面」なので、日本の映画ファンは必見だぞ!
その前に、前回を未読の方はコチラをどうぞ。
さて、秘書兼愛人のオードリーに「汚物」扱いされたW.P.は、ムキになって強がりを言った…
「流行作家の時代は終わったんだ。国家とか民族とか、くだらないスポンサーをしょって飛ぶしかないんだよ…」
もういいっつーの!
しかもアンタ「紅い鶴」がマークの元ナショナルフラッグ・キャリアと公式タイアップしたがってたじゃんか!
「エンゼルスの大谷とCMで共演するで!」って鼻息荒げてたのは誰だよ!
そんなん言うたんは、どこのどいつや?
ワイがしばいたりー
ププッ
君たち、やめてくれないかな。僕はサッサと話を進めたいんだ。
お前に言われとうないわ!
さて、W.P.は「汚物発言」に対してこう言った。
「マイ・ハニーは私に対してイラついてるふりをしているが、結局はすべて我慢して受け入れるのだよ」
だけどオードリーは本気で言い返す。
「すべてではないわ。これ以上私を苦しめないで」
そこにバートンが加勢する。
「W.P.、あなたは恵まれている。普通の女性ならとっくに限界を超えているはずだ…」
W.P.は、バートンに言い返す。
「私が恵まれてる?この世間知らずの青二才が!人の心を持つ者なら、こう言うはずだ…。ここにいるビルは、彼女に誠心誠意、愛を捧げた。そして女は憐憫でこれに応えた。なんという仕打ちだろうか!」
オードリーが「やめて、ビル!」と言うと、W.P.はピクニックテーブルの席から立ちあがり、いつもの『OLD BLACK JOE(オールド・ブラック・ジョー)』を歌い出す。
ハミングではなく、ついに歌詞付きで…
待ってました!やっと始まるぞ!
<続きはコチラ!>
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