岡本工介

(一社)タウンスペースWAKWAK業務執行理事兼事務局長。関西大学研究員、講師。大阪公…

岡本工介

(一社)タウンスペースWAKWAK業務執行理事兼事務局長。関西大学研究員、講師。大阪公立大学講師。大阪大学大学院修士(人間科学修了)。マイノリティ発の実践と研究を全国のフロントランナーにをビジョンに活動。

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【生き方学習‐役割の後ろにある人】

 今日は阪大で受け持っている授業2回目。  しっかりと話を聴き、コミュニケーションカードにもたくさん書いてくれる学生さんへ前回、コ質問してくれた事項を丁寧に答えていると授業内容が当初のシラバスから脱線。講演や授業も回数を重ね慣れてきているので、それでも「脱線させたものはなんなのか」が不思議で授業終わりに水泳に行き、泳ぎながら振り返っていた。   この数年は、実践が忙しいことから大学の授業は減らしてきていた。ただ、ある出来事とそれに対する思いから今期より新たに大阪大学の全学

    • 2024年度 目標「全体の一助となるため次の段階へ」

       いよいよ明日から2024年度がスタート。  一般社団法人タウンスペースWAKWAKの事務局長に着任しおかげさまで8年目、地域に帰ってきてから15年が経過しました。  また、社会的な肩書として大学では関西大学人権問題研究室の委嘱研究員&非常勤講師、大阪公立大学の非常勤講師に加え、新たに大阪大学で非常勤講師となります。また、宝塚市の人権審議会委員も引き続き行います。   研究分野では2022年度に修了した大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程(修士課程)の次の段階、博士後期課

      • 一区切り

         この週末、むすびえ休眠預金事業「居場所の包括連携によるモデル地域づくり(全国)」の実践報告会がおかげさまで無事に終わった。  一区切り、感慨深い。この3年、ここでは書ききれないほどほんっとうに多くのことがあった。怒涛の中、走り続け心が折れそうなことも数えきれないくらいにあったし倒れる寸前までいったことも何度もあった。ただ、その度に多くの人たちに助けられた。  実践報告会当日の朝、ひさびさにたばこをふかし深い祈りをささげたとき、ふと問いかけられた。  「オーケストラにな

        • グローカルに生きる③‐険しいけれど心が躍る

          ○心が躍る感覚があるかどうか  そんな多忙を極めるある晩、分かち合いを通して視野が狭くなっていた自分に気づいた。  ふと次の朝起きると、一つのビジョンが区切りとなり、次のビジョンが大きく動き出していてそれを迎え入れて行く感覚に戻った。  この時期、次年度にむけおかげさまでさまざまな分野から機会を頂く。そこへフットワーク軽く関わることを大切にしつつ、身体は一つ、できることも限られている。  その時に大切にする感覚(特に新たな選択をするときに)はそこに必然が動いている感覚や心が

        【生き方学習‐役割の後ろにある人】

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          グローカルに生きる②‐社会全体のために

          ○グローカルに生きる  新たなビジョンが始まろうとする中、次の生き方を意味するような象徴的な日があった。  2月末、大分県に講演にお招きいただいた。その前日、急遽、NHK青森放送局の取材依頼をいただき、その放映エリアは東北6県を放映予定にしていた。実践は言わずもがな大阪の高槻富田地区で行っていて、その日は講演のため体は九州大分にいて、東北で放映される取材の調整をしていた。  次年度は、これまで20年以上にわたって毎年の渡米を通して深い体験を経てきた流れに新たに「海外研究」の

          グローカルに生きる②‐社会全体のために

          グローカルに生きる①‐組織そのものの生まれ変わり

          この3年間の総括‐社会的インパクトの拡大  先週末、丸2日をかけて3年間にわたる休眠預金事業の報告書の一つが完成。25ページにわたって報告書をまとめながら、この3年間ほんっとうにいろんなことがあったなあとしみじみ感じていた。  2021年度、それまで富田地区にこだわって事業を長年行ってきた法人(WAKWAK)が日本全国でコロナ禍、社会的不利を抱える人たちにより一層の不利がかかる中、「果たして自分たちに何ができるだろうか?」と問いかけ、組織そのものを組み替える覚悟でむすびえさ

          グローカルに生きる①‐組織そのものの生まれ変わり

          グローカルに生きる⓪‐ビジョンの実現のための2つのベクトル

          ○新年に見た象徴的な夢  新年に象徴的な夢を見た。  鷲の両足をつかみながら今の場を超えて高く、そして広い場へ飛んでいく。その風の感じや高くを飛ぶこわさも感じながら力強く飛んでいく、そんな夢だった。  そして、この数日前も夢を見た。  以前の師に自らの道をいくことを告げ、離れた先に自身の中の潜在的な部分が開いていく感覚をうけた。そして、夢の最後に次の研究(博士後期課程)を通じて見出していくゴール(全体像)を見せられた。  夢自身はかなり広い示唆をくれていても、それを解釈

          グローカルに生きる⓪‐ビジョンの実現のための2つのベクトル

          続実践研究者の道⑪‐社会実装

           「プラクティカル(実践的)ではあるが、アカデミックであるのか?」  修士課程を学んできた過程でも何度も問いかけられ、博士後期課程にいけばなおさら抱き続けるであろう葛藤。実践と研究の往還をアクションリサーチとして行う自分のスタイル、その両輪を進めていこうとするとこの葛藤は常にある。その中で頑なになることなく自らの「型」を問い直していくこと、新たに作り変えていくことも必要になるだろうと思う。  ただ、一方で心の中に持っておきたいキーワードは「社会実装」という潮流。  研究

          続実践研究者の道⑪‐社会実装

          続実践研究者の道⑩‐次の険しい山を前に 

          「修論と博論は山の険しさそのものが違う。」  次の研究の方向性を見定めるため様々な分野の研究者の方々へアドバイスをいただきに伺った際に一様に言われた言葉。  博士後期に向けた口述試験(面接)においてもそのことを聞かれることとなった。単に修論の研究方法を延長するだけでは不十分で何段も上げていく必要がある。  次の険しい山を前にまず準備していくことは3つ。 ① 英語力を日常会話レベルから学術レベルまで高める。 ② 研究対象を海外研究、他地区の事例へと広げる。 ③ 社会調査

          続実践研究者の道⑩‐次の険しい山を前に 

          〇続実践研究者の道⑨‐次の山、博士後期課程へ

           先日、「令和6年度大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程入学試験」の合格者発表があり、おかげさまで合格となった。  昨年、実践と研究の往還のハードさに一度は修士課程の修了をもって一区切りと決めていた。ただ、修論をまとめた冊子をお送りした後、研究者の皆さんや各地の重鎮の皆さんからマイノリティ発実践の研究が少なく、言語化すること、研究として進めることに社会的意義があることなどをフィードバックをいただく中で、一念発起、後期課程を目指すことを決めた。そして、行先も一度まっさらに

          〇続実践研究者の道⑨‐次の山、博士後期課程へ

          あらためて扇の根元を支えるということ

          昨日と今日は次年度の助成金の申請作成。 一昨日、のどの痛みと寒気がして、もしこのままインフルエンザになってしまえばどうなるかとよぎったことで改めて「扇の根元を支えている役割」の1人であることに気づかされた。  この間、事業、研究、大学の授業と並行して取り組んでいる今年度の資金計画や次年度の助成金の申請は事業全体を支える財源を確定、確保していく作業。表からはなかなか見えない作業ではあるけれど、これがないとすべての事業が動かないばかりか拠点そのものがたちゆかなくなる。

          あらためて扇の根元を支えるということ

          役割・段階の移行

          先日、学会発表をふまえ入会した日本地域福祉学会から「第14号地域福祉実践研究」が到着。 ふと中を見てみると偶然のようにいつも大変お世話になっている北芝の研究実践がモデル実践として載っていた。読みつつ自身の研究の動機やインスピレーションをもらい、問題意識とともに実践をまとめていく道筋がみえた。 っが目下の問題は時間が足りない問題。次年度以降、役割・段階の移行を進めていく必要性があるのを痛感した。 現段階では、実践において地域支援全体の枠組み(富田・市域)をクリエイ

          役割・段階の移行

          【地域に“つながり”の橋をかける‐富田わくわく食堂】

          〇ある問いかけ  「こうしてこれからきれいな施設をつくっていくことは大切なことだと思いますよ。  ただ、どれだけきれいな箱モノをつくっても地域の人たちの中にある長年の“意識”を超えないと本当の意味でのつながりなんて生まれないと思います。」  ある施設づくりに向けたワークショップの場に参加した際、そこに参加した方が問題提起してくださった言葉。  これから富田地区のハード面が大きく変わっていく中で、ソフト面(心の部分)へと、これまでもそうだったように絶え間なく、そして、

          【地域に“つながり”の橋をかける‐富田わくわく食堂】

          「実践と研究の往還という道」

           明日から事務所の業務(実践)も年始でリスタート。  今日は博論構想の合間にスイミングに。この間、ランニングから水泳に切り替えたけれど運動は思考がクリアになり、前に進む推進力をくれる。  新しい年の始まりに、あらためて実践と研究の往還を通して目指すものがクリアになった。 〇博士前期課程を通して  これまでの博士前期課程(修士課程)のプロセスを通して見えたのは、マイノリティ発の実践および研究の少なさ、特に社会的起業実践と研究の少なさであり、だからこそ、微力ながらもその実践

          「実践と研究の往還という道」

          2024年抱負「全体の一助となるため実践研究者の道へ」

           2023年もあとわずか。みなさま1年間大変お世話になりありがとうございました。  ちょうど一般社団法人タウンスペースWAKWAKの事務局長に就任し微力ながらも働かせていただき、おかげさまで7年半が経過しました。いつも本当にたくさんの方々にご支援いただき本当にありがとうございます。 さてさて、ここからはいつもの一年の総括と抱負です。  去年を振り返り言葉にするなら「独創的な道に立ち社会活動家として生きる」。 冬   1月「大阪大学大学院 修士課程取得」 2019年に

          2024年抱負「全体の一助となるため実践研究者の道へ」

          実践研究者の道⑦‐博論のプロセスを通して

           昨日(12月22日)は地元富田ふれあい文化センターで開かれた講演(「みんなの居場所づくり」講師:藤本真帆さん〈公益財団法人住吉隣保事業推進協会〉)へ。(本人に掲載の許可を得ています。)  前半は住吉の歴史の話、後半は藤本さんのストーリー(自身の体験談)。実は彼女はこの数年、それぞれの地域を超えて社会起業として動く人たちの集まりなどでつながってきたメンバー。  歴史や活動の話では、住吉独自のカラーと差別の実態や運動全体によって培われたもの(=富田との共通点、以下備忘録)が見え

          実践研究者の道⑦‐博論のプロセスを通して