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生焼けのジビエなんか食べてないのに「E型肝炎」になったらしい

まいどべっぴんさん。オカモトゥーユです。

私は50m走はめっちゃ速いけど、マラソンはめっちゃ遅いという分かりやすい運動能力の持ち主なので、このnoteもしばらく放置しそうな予感がします

という予言通り半年以上noteをほったらかしました。実に私らしい。
2021年はライターとしてもっかい頑張りたいと思っているので、このnoteもなるべく更新するように心がけたいと思う。
と言いつつ次の更新までまた期間が空くんだろうな。

さて今日のテーマは「E型肝炎」である。
私も肝炎にE型まであったなんて言われるまで知らなかったが、私が感染してしまったであろう経緯を振り返ると、決して他人事ではないと思うので記憶と記録を兼ねて書き残しておきたい。
あと増加傾向にあるらしいが、国内ではまだ稀な肝炎らしく体験談が少ないので、この記事が誰かの役に立てればと思う。
私は医療知識がある専門家ではないし、参照元は信用できる公的機関の記事を引用しているとは言え、私が書く内容は医療に関する情報なので、もしこの記事を読んでご自身の症状や置かれた状況に不安があるなら、速やかに消化器内科を受診することを薦める。
前置きが長くなったがこれは「社会貢献するつもりが貢献できなかった残念な女」の現在進行形のお話である。

E型肝炎に感染しました

見出しのまま。そういう検査結果だったのでそうなのである。

E型肝炎への感染が判明した経緯

私の場合は献血でした。これはレアケースだと思う。
※一応言っとくけどE型肝炎に限らず血液検査目的で献血するのはホントやめような
1/2に明治神宮に行った際に献血バスが停まっていたのだが、いつもならスルーするところだがこの日だけは献血したくなった。
献血は初めてではないものの、過去3回ぐらい連続でヘモグロビンの量が足りないという理由で断られている。なので献血を申し出たところでまた断られるのが嫌なので街で献血バスを見かけてもスルーしていた。
しかしこの日の私は「体調が良かった」「空腹状態ではなかった」「昨今の医療事情を考えると何か貢献したかった」「新春特典の牛のぬいぐるみが欲しかった」などいう理由で十何年ぶりに献血したのである。

ちなみにこのぬいぐるみだ。うしくんと名付けた。

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そして1/6。日本赤十字社関東甲信越ブロック血液センター(以下、赤十字)から封書がきた。
通知を希望していたので血液検査の結果だろうというのは分かっていたが、「あれ?確か圧着ハガキとちゃうかったけ?」と小首を傾げながら封を開けた。

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「マジかよ、私の血は使い物にならなかったんだ」
この時は血が使われなかったことの方がショックだったが、徐々に突然叩きつけられたE型肝炎という病であることに不安を感じた。
今までの人生で聞いたことない病名をググればググるほど分からないことが多く、また検索ワードを何度も変えやっと見つけた体験談の類も「病院で肝炎と診断され、結構後になってからE型肝炎って分かって、そういや記憶を辿れば食べたジビエが生焼けだったみたい」と私が知りたい情報が得られなかった。

そもそもE型肝炎とは?

厚生労働省の「E型肝炎ウイルスの感染事例・E型肝炎Q&A」によると

E型肝炎は、E型肝炎ウイルス(hepatitis E virus、以下「HEV」という。)の感染によって引き起こされる急性肝炎(稀に劇症肝炎)で、慢性化することはありません。HEVは主として経口感染しますが、ごく稀に、感染初期にウイルス血症をおこしている患者(あるいは不顕性感染者)の血液を介して感染することもあります。E型肝炎は開発途上国に常在し散発的に発生している疾患ですが、時として汚染された飲料水などを介し大規模な流行を引き起こす場合もあることが知られています。一方、先進国においては、開発途上国への旅行者の感染事例が多かったことから、専ら「輸入感染症」として認識されて来ましたが、近年、渡航歴のない「国内発症例」も散見されるようになり、しかも、そのような例から採取されたHEV株は、それぞれの地域に特有の「土着株」であることが明らかになって来ました。自然界における感染のサイクルは未だ不明ですが、豚やシカ、イノシシなどの動物からもヒトのHEVに酷似するウイルスが検出されていることや、動物からヒトへの感染事例の報告もされていることから、今では本疾患は人獣共通感染症として捉えられています。

とのことである。
また
潜伏期間:2~9週間(平均6週間)
であり、
感染の特徴として
・ 一過性の感染
・ キャリア化することはない
・ 終生免疫が成立するか否かは不明
・ 急性肝炎を発症した場合はA型肝炎に類似
・ 稀に劇症化することあり
・ 妊婦が感染して発症した場合には、劇症化する率が高いと言われている
・ 人獣共通感染症と認識されている唯一の肝炎ウイルスである
ということが挙げられている。

E型肝炎の症状は?

発症した場合、症状はA型肝炎に似ているという。
潜伏期の後、
①発熱
②体がだるい
③食欲がない
④吐き気・嘔吐
⑤黄疸が出る
とのこと。
また、関節痛、下痢、かゆみや蕁麻疹が見られる場合もあるそうな。

あるそうなと言ってるのは、現時点で私には一切そのような症状が出ていないからである。
赤十字からのお手紙には「感染したほとんどの方が自覚症状がまったく出ないまま自然に治ってしまう」とのことなので、私もその”ほとんど“に入っているようである。
むしろ逆にお手紙来てからの方が体調悪い。病は気からというのはこのことか。

E型肝炎の感染経路は?

気になるのがその感染経路だろう。
E型肝炎の感染経路は経口感染である。
E型肝炎ウイルスにに汚染された食物、水等の摂取により感染することが多いとされている。
日本では加熱不十分なブタ、イノシシ、シカの肉や内臓(レバ刺しやレアの焼肉等)が主となるようだ。

ヒトからヒトへの感染に関しては、咳・くしゃみなどによる飛沫や接触による感染は報告されていないとのことだが、輸血による感染例が報告されている。
もし感染した人が気付かずに献血した血液が輸血に使用された場合、輸血を受けた患者さんがウイルスに感染し、重篤な症状を引き起こす場合があるとのこと。重篤どころか実際に死亡した例もある。

なぜ私はE型肝炎に感染した?

今回の本題に移りたい。
タイトルにもある「生焼けのジビエなんか食べてないのに『E型肝炎』になったらしい」ということだ。
先ほど述べたがE型肝炎の主な感染経路は「日本では加熱不十分なブタ、イノシシ、シカの肉や内臓(レバ刺しやレアの焼肉等)が主」とのこと。

献血の時にも聞かれたが、半年以内にジビエを生または生焼けで食べていないのである。

それに主な食生活が
朝:肉まん・ピザまんかお徳用のミックスピザ
昼:今行ってる職場の社食
夜:ほぼ自炊、手を抜いてもスーパー・コンビニのお惣菜+白いごはん
なので、原因となるような食べ物は食べていないはずだ。

そもそも元々胃腸がポンコツで、牛乳を飲むとすぐお腹下すし、卵かけご飯を食べてもすぐお腹下すし、下手したらお刺身・お寿司でもお腹をくだすので日常的に生モノは避けるようにしている。
でもお寿司は好物なのでどうしても食べたい時は体調を考慮した上で口にするようにしている。
となると、原因はたまに行く外食にあるのでは考えた。

潜伏期間をふまえると献血をした1/2から遡って2〜9週間前、10/31〜12/19の間の外食の記録を辿った。
賛否両論はあれど、私は毎回料理写真を撮る癖があり、カメラロールを確認すれば一発だった。

確認した結果、私は豚の内臓を食べていたことが判明した。
日付を見ると11/20。
お気に入りの焼きとんのお店でレバー串を食べていた。こういうやつね。

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もちろん生では食べていないが、カメラロールの写真を見た限り生焼けかどうか確認することができなかった。
とは言え、ホルモンの新鮮さを売りにしているお店なのであえて中までしっかりと火を通してしなかったのかもしれない。

なので私は焼きとんのレバー串が原因ではないかと思っている。それ以外に心当たりがない。

他人に移さないために日常生活で気をつけること

「自覚症状がまったく出ないまま自然に治ってしまう」と言われても、感染している身なので自分自身の健康はもちろん他人に移してしまわないかが心配である。
赤十字からのお手紙には「日常生活においては、接触や咳・くしゃみなどを介して感染者から他の人に感染することはありません」と書いてあるとは言え、気になるものは気になるのである。
色々と不安なことが多くE型肝炎に限らず様々なウイルス性肝炎の記事を読んでみたものの、E型肝炎の場合一体どこまで気をつければよいか分からなかったので赤十字に電話して色々聞いてみた。

結論を先に言うと「ごく普通に生活をしていれば他人に移すことはない」のかなという所感。

E型肝炎のウイルスは便に排出されるため、便の取り扱いには留意する必要がある。
要するに人前で脱糞してはならないのである。

「使用済みの生理用品の取り扱いは?」
後述するが輸血によるE型肝炎ウイルスの感染が報告されていることもあり、便だけでなく血液にも気をつけるべきだと私は思ったが、そこまで神経質にならなくてもよいとのこと。
ただナプキンをあてる部分が肛門付近、人によってはお尻全体をおおう形であてるので、他人に汚れた面を触らせないように処理すれば大丈夫とのこと。
だからちゃんと汚れた面を内側にしてトイレットペーパーや外装の部分でくるもうな。
布ナプキンは使ってないから処理の仕方がイマイチ分からないけど、それでも他人に触れさせないようにしよう。

これは紙おむつに関しても同様のことが言えるのではと思う。

「キスやセックスはしても大丈夫か?」
腐女子っぽくおせっせと書くか山城新伍風にチョメチョメと書くか迷ったけどここはストレートに書く。
キスやセックスでE型肝炎に感染することはないそうだ。

ただし
・便にウイルスが存在している
・経口で感染する
という二点をふまえると、アニリングス(って言うの初めて知った、リミングとも言うらしい)、つまり肛門周辺を舐める行為はすべきではないかと。

まとめると
日常生活ではありえないけど、とにかく他人に自分の便を触らせないようにする。
もし触られたら即洗い流してもらう。手であればしっかり手洗いしてもらう。
自分もトイレの後の手洗いはしっかりする。
といったところだと思う。自分の便を触る可能性が一番高いのは自分だと思うので。
これを書いている2021年1月現在、新型コロナウイルスが流行しているので、感染拡大防止策として手洗い・消毒を呼びかけられているので手洗いに関しては大丈夫だと思いたいが、このnoteがどのタイミングで読まれるか分からないので手洗いの重要性は説いておきたい。

自分の回復のために日常生活で気をつけること

どうやら免疫力を落とさないように気をつけなければならないようである。

E型肝炎の治療法は、他の急性肝炎と同様に対症療法のみである。安静と食事療法が基本となるようだ。なお劇症化した場合は、さらに血漿交換、人工肝補助療法、肝移植などの特殊治療が必要となるとのことである。

つまり一撃必殺みたいな薬はないのである。
因みにワクチンも現時点では開発中とのこと。
それ故、体内に抗体ができるのを待つしかないそうだ。

ということもふまえて、私のような"不顕性感染者"が日常生活で何に気をつけたらいいかも赤十字に聞いてみた。

「食べてはならない食べ物はあるのか?」
特にないとのことだった。
ただし、このような状況にも関わらず更に「加熱不十分なブタ、イノシシ、シカの肉や内臓(レバ刺しやレアの焼肉等)」を食べると、またE型肝炎になる可能性があるかもなので口にしない方がいいとのことだった。

「アルコールの摂取は?」
そこまで気にしなくてもよいが、肝臓に負担がかかるような暴飲暴食は避けてほしいとのことだった。
でもなるべく禁酒した方がいいだろうな。

最後に

日本赤十字社では輸血によるE型肝炎ウイルス(HEV)の感染を防ぐために、全国すべての献血を対象に、2020年8月5日採血分からHEVの検査を実施している。
過去のYahoo!知恵袋なんて見てると「献血ではE型肝炎ウイルスは検査しません」というものが残っているけど、HEVに感染した血を輸血したことが原因で劇症肝炎で死亡したことがあったから、再発防止策として実施しているそうな。

ジビエに限らず豚のホルモン、特に焼きとんのレバー串は盲点だと思うので献血を考えている皆さんはご注意を。どうしても献血したい、そしてどうしても豚のホルモンが食べたいのであれば中まで十分火が通っているか確認した方がよいかと。
日本赤十字社のプレスリリースにもあったけど

HEV NAT検査を導入しても、感染初期のウイルスが検出できない期間(ウインドウ・ピリオド)を〝ゼロ〟にすることはできません。

とのことなので質問項目には正しく答えて、そもそも近々で食べた自覚があるなら献血に協力しないようにすべきかと。

あと献血するしない関係なく、ジビエだけでなく豚肉・豚のホルモンもよく火を通して食べよう。美味いのは分かるけど、後々しんどくなるのは自分なので。

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それでも火が通っていない状態で食べるというあなたへ。死ぬなよ。
ほとんどの方が自覚症状がまったく出ないまま自然に治ってしまうと言えども、それは健康な人に言える話。
上でも述べているけど、妊婦がかかると激症化する可能性が高いと言われ、その場合致死率は20%以上と言われている。免疫力が落ちている人も同様だろう。

あと最初にも言ったけど検査目的の献血はやめような。誰も幸せになれん。

最後に私の思いを話すと、貢献するどころか貢献できなかったのは非常に残念である。
それ以上に、赤十字からのお手紙で「今回の献血日から6ヶ月間は献血をご遠慮下さいますようお願いいたします」と半年間の献血お断りを言われたことは本当につらい。
そんなこと隠して行けばいいと言う人もいるかもしれないが、十何年前の記録ですらしっかりと残っていたので絶対にごまかしようがない。
献血にリベンジも何もないけど、7月以降になればまた献血ができるのでそれまでは口にするものには気をつけたいと思う。

最後の最後に念押しするが、この記事は医療に関わる情報であるので、もしこの記事を読んでご自身の症状や置かれた状況に不安があるなら、速やかに消化器内科を受診することを薦める。

※これを書いている時点では急性肝炎の症状は出ていないけど、これから先もし何かあれば追記していきたいと思う。

記事執筆において参照したサイト

国立感染症研究所「E型肝炎とは」

東京都感染症センター「E型肝炎」

横浜市「E型肝炎について」

日本赤十字社「E型肝炎検査開始のお知らせ」

日本赤十字社 輸血情報1803-158 「E型肝炎ウイルス(HEV)感染について」

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