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アブラカダブラ国の最期

 きょう株式会社ムサシの朝礼で「決めかた」の重要さについて話した。ささいな投票方式の変更によってとても大きな差が生まれてしまうというたとえ話です。以下おれの創作ですので引用はご自由に。

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 人口900万人のアブラカダブラ国で、直接投票による大統領選挙がおこなわれました。

 国にはAB2つの民族があり、A民族が500万人、B民族が400万人。国論を二分して議論をおこなっており、4人が大統領に立候補しました。

A候補 A論を主張するA民族出身者。
B候補 B論を主張するB民族出身者。
C候補 デキがわるい泡沫候補。
D候補 デキがわるい泡沫候補。ただし俳優出身で男前。

          …………………………シナリオ1…………………………
 投票方式を1人1票としました。すると選挙結果は

A候補 500万票
B候補 400万票
C候補 0票
D候補 0票

 となりA候補が当選しました。AB両民族を二分した選挙で400万票が死票になったうえ、票数差は100万票。A候補はB民族にも配慮した政権運営が求められます。しかしA候補は民族主義的な色を強めB民族を弾圧。アブラカダブラ国は内戦に突入することになりました。

 めでたしめでたし。

          …………………………シナリオ2…………………………
 投票方式を1人2票としました。すると選挙結果は

A候補 500万票
B候補 400万票
C候補 0票
D候補 900万票

 泡沫のはずだったD候補がハンサムなだけの理由で圧倒的勝利。国の運営をまかされました。このデキの悪い新大統領は覇権主義的なオソロシヤ国にワイロであっさり抱き込まれ、アブラカダブラ国は植民地になってしまいました。

 めでたしめでたし。

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