岡本篤(OKAMOTO, Atusi)

株式会社ムサシの社長ですが、その前は同社のアルバイト、その前はフィリピンでジャーナリス…

岡本篤(OKAMOTO, Atusi)

株式会社ムサシの社長ですが、その前は同社のアルバイト、その前はフィリピンでジャーナリスト、その前は冒険家志望のプータローと比較的わかりにくい経歴をおくってきていますが、会うと比較的いいやつです。

マガジン

  • ニホンカワウソ研究会

    • 1本

    ニホンカワウソの生態や歴史、未来をフィールドワークをとおして考えます。ニホンカワウソ研究会の研究成果レポート、最新の生態動画や写真、論文の発表をおこないます。

  • 「なぜ?」からはじめるオープンデパートマニュアル

    • 59本

    ムサシオープンデパートの運営手法を怒涛のように全公開してきます。全国各地で開催するオープンデパートのマニュアルであり、コミュニティデザインの右往左往の記録でもあります。

最近の記事

被災地七尾での活動を本格スタート、支援金450万円で毎週朝市を

なんと450万円。みなさんが我が双肩にたくした支援金がすごい額になりました。フィリピンのカジノで豪遊しようかと思いましたが、ギリで踏みとどまっています。 冗談はさておき、お待たせしました。われわれ株式会社ムサシの能登半島支援が本格化しますので発表です。みなさんからの支援金を使っていよいよ本格的に動き出します。 3月1─3日(金─日)を皮切りに、石川県七尾市で朝市「能登屋台村」をスタートします。ここにみなさんからあずかった支援金にくわえ、株式会社ムサシからの人員・物品・ノウ

    • 日本境界列島──4つの線で知る災害列島

      2020年秋に高田耕造さん主催の勉強会「勉強&おしゃべり会」で話した講義内容を再録します。 ──────────────────────────────  みなさんこんばんは、岡本篤です。お話しするのは日本にまつわるいくつかの境界線についてです。4種類のマクロの境界線と、ミクロの境界線3本。きょうのお話はそれだけ。  このうちマクロの境界線の話は、じつはみなさん全員ご存じだとおもいます。知ってるような話が続きますけれども、ぜんぶ合わせて表現している人を見たことがない。「

      • 能登半島と和倉温泉3

         石川県は「高級品の県」だといっていいだろう。「加賀百万石」「兼六園」「輪島塗」「加賀友禅」など、県を形容する言葉も伝統産品も高級なひびきのあるものばかりだ。  象徴的といっていいのが金箔の生産量だ。金沢市が日本の生産量のほぼすべてを占める。ちなみにその理由は年間をつうじて金沢の湿度が高いことだ。おかげで極薄い金箔を細工するのに邪魔になる静電気が起きにくいのだという。  その話がウソか本当かはわからないが、たしかに石川県に冬に滞在するとなるほどと思わされるほど「雪」「雨」

        • 能登半島と和倉温泉(2)

           加古川で6年半毎週開催してきた朝市を現場でリードするのが河村操さんである。今回の能登半島地震では彼が思わぬ活躍の場を得ることになった。  操さんが若いころ初めて就職したのが大手製薬会社のエスエス製薬だった。営業マンとして金沢に赴任し、それから合計17年北陸地方を自動車で走り回っていたのだ。月に5000キロ。2年で営業車は廃車になった。  石川県では、金沢市や七尾市などの大都市は経験のある先輩営業マンが担当する。操さんは新入りとして能登半島の「ドサ回り」を担当した。能登半

        被災地七尾での活動を本格スタート、支援金450万円で毎週朝市を

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        • 「なぜ?」からはじめるオープンデパートマニュアル
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        記事

          能登半島と和倉温泉(1)

           能登半島は日本最大の半島だ──と先日さる会合で口走ってしまった。これはどうも正しくなかったようで、たとえば紀伊半島や房総半島などの巨大半島をふくめれば、能登は大きいとはいえ5番目くらいになってしまうらしい。  しかしそもそも紀伊半島のように桁違いに大きいものは、半島というよりはもはや陸塊と呼んだほうがいいのではないか。半島というよりは、本州のちょっとした出っ張りでしかない。三方が水に囲まれている陸地のことを半島というそうだが、それなら大阪は紀伊半島の一部ということになってし

          能登半島と和倉温泉(1)

          ムサシの朝市が和倉温泉に協力できないか

           今回の被災地で感じたのは、発災直後からまだ続いている街の停滞感だ。  発災直後は「人命救助!」「必須の物資を!」「余震に注意を!」と生き残りをかけた時間が続いた。そこから3週間をへた今、被災地は本格的な復旧作業がはじまるのを待っている。目立った動きが出ない苦しい状況といっていい。  足かせもある。七尾市を例にとると、石川県北部に位置する同市はクルマで1時間以上かかる金沢市よりさらに南の手取川から取水している。この水道管の漏水がひどく、県の見こみではまだ2カ月、ひょっとす

          ムサシの朝市が和倉温泉に協力できないか

          2回目の珠洲市へ

          2月19日、2回目の珠洲市へ向かう。二次避難が進んでいて、街の産業も全てストップしているので、主人のいなくなった街という印象が強い。 能登半島の先端にある三崎中学校に再び行ってみた。40-50人くらいが避難所暮らしをしている。ずいぶん物資は充実して、ボランティア団体が簡易シャワーを設置していたのでひと安心する。 ガランとした街で情報収集しながら、あちこちで支援金で準備したセンサーライトを配布した。 今回配ったのはASL-097というモデル。単一電池を使用し、光が暖色で柔

          隔靴掻痒の被災地

           今回の震災の被災地支援で拠点に選んだのは、高級温泉旅館の加賀屋で有名な和倉温泉である。  この温泉街は1月1日午後の被災時にはどの旅館もほぼ室だったようだ。ようやくコロナ禍から解放されて上り調子のはずの高級温泉街である。年末年始休暇を過ごしていた人たちが多かったことは容易に想像できる。高級温泉に滞在するのを年末年始の恒例にしている客も多かったにちがいない。外国人旅行者も復活傾向で、台湾など海外からの客もいたのではないか。  ほぼ満室だと仮定すると、和倉温泉だけでその数は

          隔靴掻痒の被災地

          カワウソ壁紙を作りました

          カワウソ壁紙を作りました

          夜道で子どもを拾った

           加古川の堤防を夜中の11時にクルマで走っていたら、白いサッカーウエアを着た子どもがひとりで歩いている。  どういうことだ!?  堤防の上、勢いよくクルマが走る歩道もない車道を、路傍の雑草の背丈よりも小さな男の子が歩いているのだ。驚いてクルマを止めた。  話しかけると「大久保から歩いてきた」というではないか。お母さんに家を追い出され、おばあちゃんの住む加古川まで歩いてきた──と話す。  歩いて!?うーん、まあなんだか知らんがとりあえず乗れよ、送ってやるよ。というと遠慮

          夜道で子どもを拾った

          加古川東高校生からの質問

           母校の加古川東高校の「先輩の話をきこう」という講演会に行ってきた。3年目になる。毎年高校生の前で話すのはいまの若者の雰囲気を直接感じるとてもいい機会になっている。せっかくリモートでなく直接会って同じ空間を共有して話すのだから、今年はその場で質問を提出してもらってこたえるコーナーを設けた。答えきれなかった質問にはあとでnoteで答えますと言い残しておく。  高校生のみなさん、健闘を祈る。 【質問】始めてアルバイトをするならやはり接客業ですか? 【回答】わたしの経験からアドバ

          加古川東高校生からの質問

          「来たときよりも、すばらしく」──ラビッシュ・ラビット・プロジェクト(RRP)とは

           2021年にスタートしたラビッシュ・ラビット・プロジェクト(RRP)は、河川のゴミ問題を解決する参加型プロジェクトです。かつ、このプロジェクトを立ち上げたアーティスト岡本亮個人のアート作品でもある。  この記事では、岡本亮をアウトドアの世界に引き込み、このプロジェクトも裏方で支えている岡本篤(実の兄です)が、できるだけわかりやすく説明します。 遊びなのか社会貢献なのか  人間の営み、たとえば、 「遊びと仕事」 「休暇と労働日」 「営利活動と社会貢献」 に明確な境

          「来たときよりも、すばらしく」──ラビッシュ・ラビット・プロジェクト(RRP)とは

          朝市の運搬仕事の勘どころ

          □運搬は悪である □運搬はゼロ化せよ  運搬はそれじたい何の価値も生まない単なるコストである。最小化を目指すこと。朝市の目的は人と人の接点を増やすことだ。それ以外の準備や撤収は労力が少ないほうがいい。一瞬で会場ができるような手法を作る。そのためには重機でも政治力でも魔法でもなんでも使ってよい。 □時短ではなく労力最小をめざす □動線設計は設営・撤収効率をもっとも大きく左右する  会場の動線設計は会場設計のもっとも重要な要素である。イベントの集客や盛り上げが成功しようとも

          朝市の運搬仕事の勘どころ

          わが家の子育て

          「どうやったら岡本さんみたいな子育てができるのでしょう」と言われることがある。  よくアウトドアに行って自然の中で遊ぶ。しかし重要なのは、そういういかにもいい父親ふうの活動ではなかろうとおもう。アウトドアはおれの手癖で、それに子どもがつきあっているだけだ。  ウチの子どもはどこに旅をしてもホテルには泊めてもらえず、手近の川原でテントを張って寝るのが当たり前。旅行とはそういうものだと思っている。かわいそうなものだ。  ヨソの家庭と違う点があるとすれば、ウチは子どもにも重要

          丘の上文化祭(ON THE HILL 1周年)終わる

           ON THE HILLで開催されていた1周年記念イベント「丘の上文化祭」の2DAYSが終わった。  来なかったみなさんのために雰囲気を解説しておこう。  雰囲気はSAVE KAKOGAWA FES(SKF)の小さいバージョンだ。あの開放的な雰囲気に、クラフトやアート系の割合を増やした。それもすべてがハイ・クオリティをかならずしも目指しているわけではない。  バラバラのものを混在させ、それをナゾの空間認知能力を持つ岡本亮(ごぞんじおれの弟ね)がまとめてみせるという、かな

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          サッカーの可能性を地元で使う

           サッカーはじつは嫌いではない。小学生のころはサッカークラブに所属していたし、マニラに住んでいた時は社会人チームで「俊足の補欠」としてピッチ外で活躍していた。  ピッチ外で活躍というのは、試合の序盤からピッチの周りをグルグル走ってアップをし始め、自チームの監督に「早よ出さんかい」というプレッシャーを与え続けるという役目である。「なんかやたらに走り回るメッチャややこしそうな控え選手がいる」と相手にもややプレッシャーを与えていたかもしれない。  てなわけでサッカーはとても好き

          サッカーの可能性を地元で使う