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吹き飛んだ「清貧思想」

 ♪ R人が君に言いました 「残りの寿命を買わせてよ XX年をXX億で ♪

 人気のY里さんの歌詞で「お金」が出てきて少し驚いた。人生にはそれだけの価値がある、という主旨だが、保有資産数千億円と言われた松下幸之助氏の「20歳に戻れるなら全財産払ってもいい」を想起させる。残念ながら現実では「お金」を優先する人の方が多い気もする。ただ散々「清貧思想」の弊害を説いてきた「損切丸」的には感慨深い。やっと日本もここまで来た

 (参照)「お金のマニュアル」-損をしないコツ- 其ノ2 「清貧思想」と日本人の投資①|損切丸 (note.com)
 「お金のマニュアル」 -損をしないコツ- 其ノ1  筆者の自己紹介|損切丸 (note.com)
日本人はもっと「お金」に拘っていい。 ー 「清貧思想」の呪縛からの開放。|損切丸 (note.com)

 それもこれも「インフレ」のお陰。「お金」絡みの記事が随分増えた。生活が苦しくて家計を見直す機会が増え「お金」に関する意識が高まったためと言えよう。

 そうなると「社会保険料」の負担が随分重くなっていることに気が付く。

 7年前に退職してから毎年申告していた筆者も随分高くなったと実感していたが、1951年からの比較で+600倍(!)以上 ↓ に負担が増えていると言う。若い頃はお医者さんにかかってもタダだったので随分 ”お得” な気分だったが、現状なら後期高齢者の母の分を入れても「国民皆保険」を廃止して全額自費負担の方が絶対に安い。そのぐらい今の負担は重い。

 まあこれが「少子高齢化」と言うことなのだろうが、これに「インフレ」が重なるとたまったものではない。そんな中ドカドカ「増税」されて議員は公費でパリ旅行、「パーティ券収入不記載」で脱税疑惑… etc, etc. いくら「お金」に鈍い(鈍くされてきた)日本人でも「清貧思想」は吹き飛んだ

 「お金が全てではない。だが全てのことにお金がかかる」

 現首相が「お金」に疎い昔の "公家" のような政権運営をしてくれたお陰でみんな目が覚めた。『パンがないならブリオッシュ(お菓子)を食べればいいじゃない』とこぼしたマリーアントワネット王妃に例える言説が出ていたが言い得て妙。ある意味これで「グローバルスタンダード」に近付いたとも言え、感謝すべきなのだろう。これを意図的に行っているとしたらとんでもない "名宰相" だ(苦笑)。

 若干穿った見方だが、これらを「変化」の萌芽と捉えれば「円高」にも一部貢献している事になる。現状を鑑みれば現政権の長期継続は考えにくく、財務省による政権支配は終わりを迎えそうだ(もっとも医療費の自己負担を変える議論が成熟すれば官僚としては何の不満もない)。イギリスのサッチャーほど急激な改革はないとしても「負担の公平化」は不可避。国民全員が納得する解決策はあり得ない。

 願わくばこれにパイ自体を大きくする、いわゆる「成長戦略」が加われば理想的。いや、それなくして本当の「財政健全化」は無理。「円安」や「サプライチェーン再構築」を利して半導体工場の誘致など策は打っている。官僚主導の経済政策はほとんど上手くいかなかった負の歴史がこの国にはあるが、さて今回は上手く行くかどうか。

 「円金利」の話をすれば、少なくとも既に「マイナス金利政策」は不要。今日(12/4)も日銀が5~10年JGB買取オペを減額しており「YCC廃止」に向けて準備が進む。株も国債もそろそろマーケットに「大政奉還」すべき

 ドル円日経平均もその行方はこれらの政策変更、特に「成長戦略」によって「変化」の深度が変わってくる次期政権で抜本的な改革が為されれば政策金利は「利上げ」で@3%を超え、ドル円は@130円、日経平均は冗談でなく@50,000円も有り得る。だが逆にもたもたして政策金利が@1%止まりだとドル円は@140円止まり、日経平均も@40,000円には届くまい

 マリーアントワネットの時もサッチャーの時も大きく立ちはだかったのは「既得権益」であり、これを日本が打破できるか、マーケットは視ている。「XX連」とか「XXXX会」とか徒党を組んで反対してくると思うが、その帰趨を決めるのは結局国民自身になる。

 「アメリカが利下げしたからもう何もしなくていいや」

 これが一番怖い。「失われた30年」もずっとそうだった。もう "黒船" 頼みは止めて自ら踏み出すべき「政治家に文句を言う」≓「政治家依存」に過ぎず、それは向こうの思う壺。一人一人が何をできるか考える時期に来ている。そうして初めて政治とか体制とかが変わることになる。

 ps. ビットコインの急騰を見ると「お金」=法定通貨の価値に疑問を抱く人が増えているのかもしれない。ただ権力分散型の "Web3" や「暗号資産」は国家権力から目の敵にされそうだが...。さて。


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