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目が覚めたら聖闘士星矢だった

昭和生まれのわたしたちが子どものころ、一家に一つと言っても過言ではないくらい、大変流行していたゲームがあります。ドンジャラ。大人も子どももテーブルを囲んだ団欒ができたすばらしいゲームでした。オンラインで彼方の誰かと遊べる時代が来るなんて思ってみなかったころの話。

ドンジャラって?

昭和生まれのわたしたちが大好きだったドンジャラ。麻雀を簡単にした明快なゲームで、小学生低学年でも十分に楽しめる卓上のゲームです。麻雀といえば、わたしの記憶では父親たちが超絶眠そうに「てつまんしてきた」と言っていたアレですが、ドンジャラは、そこからルールの複雑さと親父的要素とタバコの匂いを取り除いたもの。ドンジャラが誕生したのは、1980年。当時のポピー(現バンダイ)から発売されて、一躍ブームになった超人気ゲームでした。

友だちの家で一遊び惚れ

小学生のとき、ピアノ教室が一緒だったGちゃんの家に遊びに行ったとき、ドラえもんのドンジャラに出会いました。この時の衝撃。運もあるかもしれないけれど、頭脳プレイが求められたり、相手の作戦を呼んだり。子どもでも大人でも公平なドンジャラがとにかく楽しくて楽しくて、一目惚れならぬ一遊びぼれをしてしまったわたし。えー! なんなのこのゲーム? 麻雀やる大人ってこんなに面白い思いをしていたの? その日にはもう、その年のクリスマスプレゼントは、ドンジャラを頼もうと誓ったでした。これがあったら毎日が楽しくなるに違いない、そう思ったのです。あ、別に楽しくない日々を送っていたわけではないですが。

クリスマスイヴにやってきたサンタクロース

サンタクロースに「ドラえもんのドンジャラがほしい」と早速お願いしたその年のクリスマス。じつは、わたしはかなり早期にサンタクロースの正体を知ってしまっていたのですが、4つ年下の妹の手前、クリスマスイヴのよるにトナカイのソリにに乗ってやってくるアレだと、信じたふりを何年も続けました。だから心の中では、「お父さんお母さん、ドラえもんだからね! ドンジャラはいろんな種類があるけど、ドラえもんってところよろしくね! 」と願っていたのです。12月25日の朝、目が覚めると、ドンジャラらしき大きさの包み紙がしっかりと寝床の横に置いてありました。よっしゃ!!! 今夜からは楽しいドンジャラライフだー。

聖闘士星矢だった!

寝癖でパジャマのまま、わーいわーいと包みをビリビリむしったわたしと妹。クリスマス仕様のかわいい包装紙の下から出てきたのは・・・。
聖闘士星矢のドンジャラでした〜。ええええ〜、ドラえもんが聖闘士星矢になったぁ〜! この時ちょっと、いや、結構ショックを受けました。けれど、ドンジャラには変わりなく、嘆くべきかよろこぶべきか、小学生ながら心境かなり複雑。母に「ドンジャラね、ドラえもんじゃなくて聖闘士星矢だったー」とややがっかり気味に伝えると、こう切り返されたのです。「いろんな家の子どもたちがドラえもんがほしいみたいだから、品切れで、サンタさんがこれを選んできてくれたんだよ」。御意。サンタさんを一人称にされたら文句も言えぬ。日本のデパートのおもちゃ売り場事情かおもちゃメーカー事情か、いろいろ大人の事情があったのでしょう。

結果的に価値ある聖闘士星矢だった

我が家、姉妹しかいない家庭なので、ドラえもん一択って思っていたけれど、まぁ、ドンジャラはドンジャラですからね。遊び方に違いなし! ということで楽しいドンジャラライフが聖闘士星矢とともにはじまったのです。友人宅にはどらえもんドンジャラ家庭がほとんどだったので、うちの聖闘士星矢は、ある意味、希少価値がありました。黄金聖闘士(ゴールドセイント)を集める楽しみは聖闘士星矢ドンジャラでしか味わえないし、好きだった女神アテナがオールマイティーでうれしかったり。結果的に、聖闘士星矢ドンジャラでよかった、って話です。女子だから聖闘士星矢はないよ、なんてのも昭和的ジェンダーの考えだったのかもしれません。従兄弟らが来て遊んでもみんなよろこんだし、今となっては、我が家は聖闘士星矢で正解でした!

実家にまだあるのか、捨てられちゃったのか。聖闘士星矢ドンジャラが存在しているならぜひまた遊びたです。しかし、その前に、聖闘士星矢をもう1回復習したい気持ちも。大人の視点で見ると、ギリシャ神話や星座のことをが学べるかもしれない、と思ったりします。
聖闘士星矢〜♪ 少年はみんな〜。聖闘士星矢〜♫ 明日の勇者〜、Oh Yeah♩


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