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カゾにいったい何があるというんですか?

「旅」の定義とは? たとえばわたしが東京の吉祥寺に滞在して、そこからどれくらいの距離を行けば「旅」になるのか。そもそも距離ではない気もします。遠くカンボジアに住んでいるけどそれは旅ではなく日常だし。それならば、日常を離れたらもう「旅」なんだということにしましょう。日本への一時帰国では短期間にたくさん「旅」をしました。今回は、埼玉県加須市らへんに1泊2日で出かけた「旅」の思い出を綴っておきたいと思います。

加須市の友人Tのホームグランドへ

今回の一時帰国の後半、7月17日・18日に1泊2日で、加須市に行きました。かぞし? 聞いたことはあるけど行ったことがない埼玉県のどこかにある街。埼玉は地図で見ると横に張っていて、わたしの日常では聞くことのない地名が満載で加須も
”かす”だと思っていたくらい。加須にいったい何があるというんですか? と村上春樹をオマージュしてみましたが、なぜ加須に行くことになったのかというと、エリー学園で知り合った友人が住んでいるから。いつも東京に呼びつけているのもなんだから、こっちが行ってみようということになった、ほぼノリなのでした。加須旅の目的は以下。
①タカハシで安い服を漁る
②人気のラーメンを食べる
③加須うどんを食べる
④三県跨ぎをする
ちなみに加須市・北本市・鴻巣市あたりは隣接していて、加須だけに行ったわけではないことを先にお伝えしておきます。

すごいぞタカハシ!

タカハシ! といってもあなたの友人のあの人でも、わたしの元カレのあの人でも、コーラス部の先生でもなく、埼玉あたりで幅をきかせ洋服を売っているタカハシ。そんな店名で社長が高橋さんじゃなかったら怒りますよ、と思ったら、ちゃんと高橋さんが社長でした。それはさておき、タカハシ吹上店に友人5人で行ってきました。今回の加須旅の目的①タカハシで安い服を漁る、題して「タカハシチャレンジ!」。4月にこの5人含めたメンバーが東京で集った際、加須の友人Tが素敵な千鳥格子のワンピースを着ていたのだけど、「あ、これ? タカハシで300円」。!!!その発言に衝撃を受けた我々は、今回の目的地に真っ先にタカハシを据えたのです。それぞれが”いいもの”を探すため、30分に設定した時間を余裕でこえて2時間滞在したタカハシでの買い物は、どんなファッションモールよりも楽しいものでした。その日、宿泊先で夜な夜なファッションショーが繰り広げられたことは言うまでもありません。ちなみにわたしの戦利品は、7点(ブラウス・ワンピース・サロペット・パンツ・レギンス・ハイソックス・靴下)でしめて2250円。おほほほほ。くせになりそう。

意識も飛んでしまいそうな北本の心麺さん

買い物で心満たされた我々5人は、お腹を満たしに次なる目的②人気のラーメンを食べるを決行。行列ができるとかスープがなくなったら閉まるとか、どうやら人気店でありそうな北本市にあるラーメン屋「支那そば心麺(しんめん)」さんへ。開店直後だったのでお客さんがまだ2人という僥倖。カウンターに座り早速注文すると、店主にメンマは白メンマを勧められましてみんなで白メンマ入りの支那そば(醤油味と塩味あり)。人気のラーメン屋というところは、店主が職人気質であり黙々と作って提供する・・・と思いきや、気のよい店主で、普通のメンマをおまけしてくれたり、焦がしネギを追加してくれたり、花山椒で味変教えてくれたり、カウンターでの会話も楽しみました。しかし、この日の埼玉は気温38度超え。ラーメンの釜の前でお仕事をするのはさぞ大変でしょうねぇとつぶやいてみたところ、店主は1日に何度も意識が朦朧としたとのこと。真夏のラーメン屋さんのお仕事には頭が下がります。しっかり味なのにあっさりスープにハマってしまいスープをほぼ飲み干したわたしたちには、この後”のど渇き地獄”が待っていたのですが、また食べたいラーメンでした。

加須といえばうどんなのね

ところで、仕事先で「来週加須に行くんですよ」と話したところ、みんな言うのです「うどん食べに行くの?」と。加須はうどんが有名なんてことも知らない、加須検定受けたら4級も受からないだろうわたし。北本の温泉付きホテルに1泊してちょっと寄り道してから、有名な(んだそうです)「子亀うどん」さんへ。昼はとっくに過ぎていましたが、並びましたね。この日の気温はなんと39度。人間だったらだいぶ高熱レベル。こんな日は冷たいうどんがベストですが、このお店の売りが冷や汁うどん。つけ汁が、なんともいえないごまやらなにやらの風味で、つけるだけにとどまれず、直飲みしてしまいました。天ぷらとビールまでつけちゃってまぁ昼から大満足。もちろん、この後も例のアレがやってきました。”のど渇き地獄”。つけ汁はつけるためのものであることをお忘れなく。

秒で埼玉・群馬・栃木を移動

時間を少し巻き戻して。加須うどんを食べる前に行ってきたのが、旅の目的③三県跨ぎをすることができる三県境。三県というのは、埼玉県・群馬県・栃木県のこと。加須市には、この三県の三つ巴の県境があるというので行ってみることに。39度の灼熱のなか、行ってみるとそこは、田んぼ。田んぼにいったい何があるというんですか? とよく見たら、埼玉県・群馬県・栃木県に区切られたブロックが。県境ってこんなにカジュアルなもんなんですね。せっかくだから、右足:埼玉県、左足:群馬県、左手:栃木県と、自分の体一体を持って、同時に三つの県を訪問してきました。何気ないこういう場所、実際行ってみると楽しいです。話の種におすすめです。

まだまだ名所や名産品が掘り起こせそうな、加須市。今回の1泊2日の旅では足りないかもしれないので、機会があったらまた愉快なメンバーで行きたいと思います。「旅」はひとりですることが多いわたしですが、服にツッコミ、ラーメンに吠え、田んぼの真ん中で大笑いし、「旅」は誰とするかも大事なんだなと思った加須旅でした。

Special thanks: Torumero, Marilyn, Haru, Akko



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