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あなたは悩みをどうやって解決していますか?

誰かに相談して?
自分で考え抜いて?
何かで調べて?
何かに頼って?

解決方法にはいろいろありますが、これらを大きく分類すると、答えを「内」に求めるか、「外」に求めるかの2通りがあると思います。

例えば誰かに相談する場合、悩み事を聞いてもらって自分の中で「こうしよう」という解決策を見出すのが「内」に求めるということです。一方、「どうしたらいいか教えてください」と相手に答えを尋ねるのが「外」に求めるということです。そう考えると、抱えている悩みによってこの二つを上手に使い分けていることに気づくと思います。

仕事の中で、取引先で資金や物資が不足していて困っている場合を考えてみましょう。資金や物資を用意することで解決できるのであれば「○○という商品は手配できますか?」などと関係先に問い合わせて、すぐにでも解決しようと動くのではないでしょうか。
これは答えが「外」にあるので、解決のために「どうしたらよいか」と尋ねることは当然です。

一方、職場の人間関係で悩んでいて、自分がどう接したらよいか迷っている場合を考えてみましょう。相手との関係をどう捉えていて、本当はどうしたいのか、本人にできることは何か、相手にしてほしいことは何か、相談相手であるわたしにしてほしいことは何かなど、じっくりと相談を受けることで答えを見つけ出すのではないでしょうか。
この場合は答えが「内」にあるので、解決のために「自分がどうすべきか」を自ら気づくことが大切になります。そのため、外から答えを与えることは解決策とは言い難い・・・と思います。


ところが悩む立場になって考えてみると、外に答えを求めたくなる気持ちがわかります。

「自分の力だけではどうしようもない」
「仮にやってみても、きっとよい結果は出せない」
「自分を信じてやったけどダメだったのだから、次もダメかも」

つまり、「内」に答えを求めることに自信が持てない・辛い・苦しい状態だからこそ、「外」に求めたくなるわけです。

こういう心情や思考は間違いでしょうか?
やはり「内」に求めるべきなのでしょうか?


キャリアカウンセリングでは、「答えは相談者の内にある」という基本姿勢でお話しを伺います。(少なくともわたしはそう考えています)

一方で、それが通じないケースも存在します。
それは相談者自身が、
①知識や経験が不足している場合(未経験の職業、新卒の学生など)
②自信を失っている場合(否定感が強い、悲観的思考に陥った状態など)
③強い他責傾向にある場合(怒り心頭、恨み妬みに縛られている状態など)
などです。

いずれも自分自身の中に答えが見い出せない(存在しない)ため、いくら答えを求めようとしても出てこないことがあります。
①の場合は、必要な知識や経験を吸収する・与えることによって答えにたどり着くことがあります。いったん時間をおいて、自分自身に足りない情報を収集してから改めて考えてみるということです。
②の場合は、自己効力感を高めるためのアプローチを行ってから、改めて考えてみることがおススメです。できない部分にしか意識が向いていませんので、実はできたことやうまくいった経験があるのに見ようとしていない可能性が考えられます。
③の場合は、アンガーマネジメントなどを活用し、他責の要因となる自分のこだわりを言語化するのがよいでしょう。特に「○○すべき」という断定的な言い方が出やすいので、すべきと考えるようになった経験を確かめていくことで、これしかないという縛りから解放される可能性があります。


このようなケースでは、あえて答えを外に求めることもありなのでは?とわたしは思います。

外に求めた答えが、果たして自分で受け入れられるのか、納得できるものなのか、望む結果が出せるものなのかを、実際にやってみて考えてもらうことも一つのアプローチだと思うんですね。

ただ、気をつけたいのは安易に答えを与えたがために、その責任を押し付けられることです。「あなたが言ったじゃないですか!」と。

そんな時は、「例えばAやBやCという方法も考えられますけど、どの方法が理想的ですか?」などと、複数の中から選択してもらい具体的な自身の行動目標へと変えていく手法などが有効です。
仮にAもBもCも選ばなかった場合は、相談者自身にDの方法を考えてもらうということもできます。
答えが見当たらないなら、少しだけヒントを出して、それを呼び水に考えを膨らませてもらうようなイメージです。

これだったら答えを外に求めていたとしても、徐々に内へと答えを求める思考に変わっていきますし、出した答えに対する納得感が高まります。望む結果につながらなくても、それを他責にする可能性は低くなるでしょう。


ただ、答えを外に求める方が楽なんですよね。自分に対して責任を持たたなくてよいから。
「あいつが悪い」「あれのせいだ」と言って、他責にしている方が自分と向き合わなくても済みますし。
わたしだって困りごとの内容によっては、他責で済ませてしまうこともあります。その方が自分のダメージが少ないことを直感的にわかっているんでしょうね。

それをあえて内に答えを求めるのは、案外と苦しいものです。
でも、いつも外に求めていると、他人の顔色ばかりうかがって、いつも他人の意見に左右されてしまう、風見鶏のような生き方になってしまうかもしれません。それはそれで辛いものがありませんか?

だからこそ、時には自分と向き合って自分が答えを出すことを大切にしてもよいと、わたしは思います。

大切なのは、いま自分が内/外のどちらを向いているのかを自覚していることです。それさえできていれば、答えはどちらから見つけ出してもよいのではないでしょうか?




明日も佳き日でありますように





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