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【アナ雪】Let It Go で感動するのは変|面白くないのに人気が出た理由【岡田斗司夫】



なぜアナと雪の女王は大当たりしたのか

不思議ですよね

アナと雪の女王って

そんなに映画として
面白くないと思うんですけども

大当たりしましたよね

多分いろんな人が気が付いてるし

僕そういうニュースとか
評論とか見てないので

知らないんですけども

アナと雪の女王って
明らかに変ですよね

みんなが感動する

Let It Go っていう歌ある

Let It Go は

もう私は

あらゆるしがらみから
離れて自由になったわ

っていうので歌ってて

それはもう

家族のしがらみも立場も全部捨てて

たった独りで生きてくのよ

私は雪の中でも寒くはないわって

人間の孤独の素晴らしさを
歌いあげたやつで

なんでそこで感動しちゃうんだろうね

あの歌はすごく感動するのは

強いからなんですよね

強いというのは

人間というのは孤独じゃいけないとか

誰かと繋がらなきゃいけないという

強迫観念が僕らの中にある

それはいろんなメッセージ

ドラマとかニュースとか

先生とか親とか

みんな言うじゃないですか

繋がりを失っちゃいけないと

でも

レリゴーの歌の中に入ってるのは

そういうもの全て捨てないと

人間には独立がないんだと

魂の自由は孤立をベースにしてるんだ

ていう凄い事言ってる

それで感動するんですけど

ところが映画の最後は

まぁそんなこと言っても

お姉さんと妹が仲良くなりましたとか

お姉さんの超能力はあの国を―

夏でもスケートリンクができる
めでたいところになりましたみたいな

なんかね

ヌルい感じで終わってる

映画としてそれは面白くないと

あの歌の部分が最高地点として

そっから先はだんだんだんだん
下がっていくっていうですね

なんでしょうね あの

千と千尋の神隠しを
見てる時に一番近いのかな

千と千尋って

変な化け物が風呂屋に来て

みんながパニックになる
あたりが一番面白くて

そっから先だんだんだんだん
「なんじゃこれ」の映画になってきて

一番最後 お父さんとお母さんの―

人間に戻りましたって言ったら

ついこないだまでもうなんかこう

その湯屋全体が

「そんなことはさせまいぞ」とか

千お前にはこのミッションはこなせまい

って言ってた奴らが全員で―

「おめでとう」とか言って

宮崎駿のシナリオは

相変わらずめちゃくちゃデタラメ
って思ったんですけども

何かそれと同じようなデタラメ

その「千と千尋」が

ジブリ作品中でトップクラスの収益

映画の中であまり
整合性って求めるんではなくて

映画ってたぶん

歌詞とか歌みたいなもんだな
って思いましたので

なぜアナ雪は大当たりしたのかは

基本的に何でしょうね

言い方いろいろあります

一番冷たい言い方をするならば

大当たりしたのは

誰でも分かるような面白さにしたから

つまりさっき言ったような

整合性とかそういうのを考えずに

生理的な快感で

「孤立するのよ」って言ってたから

「お姉さーん」とかで

あーなんかやっぱ家族っていいわみたいな

普通の話にしたからヒットした

という言い方もできるし

穿った見方するんだったらば

映画のゴールは所詮―

ハリウッド映画であったり
エンタテイメント映画であったりする限りは

平凡なこと言うしかない

映画の最後で

「人間は孤独が素晴らしい」って言ったら

それはホドロフスキーなんですよ
アートなんですね

アート映画だったら
ラストで何言ってもいいんですけど

芸能映画とか一般の
エンタテイメント映画というのは

最後に平凡なこと言わなきゃいけない

家族は素晴らしいとか
信じることは素晴らしい

そこ(ラスト)までの紆余曲折が
いかにものすごいものかが

エンタテインメント面白さ

アナ雪の成功はその―

作ってる側の本音が思わず出ちゃう

あの Let It Go っていう歌で

(本音が)出ちゃうぐらい凄かったからだ

ていうのがなんか僕の感じてることですね

アナ雪のヒットした理由

#岡田斗司夫 #アニメ #考察 #アナ雪 #アナと雪の女王 #Frozen #Let It Go


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