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『東京の生活史』感想

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『東京の生活史』のインタビュー1つ1つに対する感想。本書を定点にした私の日記を兼ねています。
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『東京の生活史』感想 8人目

『東京の生活史』感想 8人目

<8人目>2024.1.27読了

だから私と地球の戦いはまだ続くねん 語り手は、大阪府大阪市東住吉区山坂生まれ。父、母、妹、弟とその地で暮らすが、後に妹たちの独立を機に父母が引っ越し、語り手だけ2、3年ほど家に残る。新卒で法律事務所で働くが、数か月程で退職。高校の図書館の補助業務に転職したことを機に、司書を志す。パートナーとの再会を機に東京に移り、都立の学校に司書として勤める。もうすぐクビになる

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『東京の生活史』感想 7人目 & 2023年総締め

『東京の生活史』感想 7人目 & 2023年総締め

<7人目>2023.12.31 読了

 駅からも遠いこんな田舎で、しかも大晦日にガストに来る奴なんか居るのだろうかと思って店内に入ったら、やっぱり少なかった。猫型配膳ロボットの頭を撫でるとニコニコするらしく、撫でてみようと手を翳したらさっさと行ってしまった。

 朝から自分の部屋の大掃除をした。何年も着ていない浴衣を捨て、子供の頃集めた石英のような鉱物を捨て、雨の跡がたっぷり付いた窓を拭いた。

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『東京の生活史』感想 6人目

『東京の生活史』感想 6人目

<6人目>2023.11.5 読了

 前回から少し間が空いてしまいました。今月から、また再開していきます。



 昨日は眉毛サロンに行き、今日の朝は美容院に行った。

 こう書くと週末メンテナンスOLのように読めるが、2日連続でサロンに行くことなど、滅多にない。滅多にどころか初めてだ。眉毛サロンはもちろん初めてだし、美容院も半年に一度の縮毛矯正をするために行った。全ては週末の文学フリマのため

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『東京の生活史』感想 5人目

『東京の生活史』感想 5人目

<5人目>2023.10.04読了

 最近、週一で5000字程度の短編小説を書いている。短編4本ノックで、今2本書いたのであと2本書かなくてはいけない。

 テーマが決まっているので、そいつに寄せて書かなくてはいけないが、そのうちの1本がネックだ。不倫、殺人しか湧いてこない。良くない。
 激情というか、嫉妬とか憎しみとか、強いものについて書いてみたいけど、なかなか「これだ!」というものが浮かばな

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『東京の生活史』感想 4人目

『東京の生活史』感想 4人目

<4人目>2023.09.28読了

 そういえば先日、電車の中で水色が背表紙の講談社文庫を読んでいる人がいて、「講談社文庫といえば、辻村深月だなぁ。特に、『凍りのくじら』。」と思ってふとその人の本の表紙を見たら、本当に『凍りのくじら』でびっくりした。

 今週から、辻村深月の『かがみの孤城』を読み始めた。今更かよって感じだけど。辻村深月は元々好きで、『凍りのくじら』を最初に読んでから、『ツナグ』

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『東京の生活史』感想 3人目

『東京の生活史』感想 3人目

<3人目>2023.09.22読了

 ひどく集中力の欠けた1週間だった。
 「仕事行きたくない」と思っても、いざ会社の自分のデスクに腰掛ければ気合いスイッチが入ったりするが、それもなかった。とにかく「早く帰りたい」の一心で仕事をしていた。

 金曜日、6時くらいの電車に乗る。いつもなら混んでいるはずだが、一本前の電車が遅れ、そのすぐ後に来た電車に乗ったら空いていた。ホームの列の先頭に並んでいたの

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『東京の生活史』感想 2人目

『東京の生活史』感想 2人目

<2人目>2023.09.19 読了

 蕁麻疹の薬が切れそうだったので、仕事帰りにかかりつけの皮膚科に寄った。

 薬はかれこれ1年以上飲み続けている。春、夏の花粉症対策としても飲んでいるが、飲み忘れるとその日の夕方頃から頭や手、耳の痒みが止まらなくなり、「やっぱり薬がないとダメなんだ」と途方に暮れる。

 古いビルの6階にあるその皮膚科の待合室には、昔ながらの青いビニールの椅子が配置されている

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『東京の生活史』感想 1人目

『東京の生活史』感想 1人目

<1人目> 2023.09.18読了

 先週の土曜日、かれこれ10年以上の付き合いになる友人宅に泊まりに行き、彼女の部屋で『東京の生活史』という、上から振り上げれば殺人事件が起きてすぐさまコナンくんがすっ飛んできそうな本を見つけた。本の存在は知っていはいたが、その分厚い見た目から、読む覚悟ができずに2年ほど経っていた。

 彼女から「貸してあげるよ」と一声あり、お土産に持ってきた和菓子の紙袋と、

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