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Customer Success Cafe ~ハイタッチCS担当と学ぶ、顧客視点のカスタマーサクセス~に参加してきた!

こんにちは!岡上 浩基(@okaue516)です!

最近、シューマツワーカーという「空いている時間に働ける企業を探せる 副業サービス」の企業側としてのCS立ち上げを行っており、「伸び代しかない」と感じて前向きに仕組み化を進めております。

さて、今回は2019/02/05(火)に開催された「Customer Success Cafe ~ハイタッチCS担当と学ぶ、顧客視点のカスタマーサクセス~」のイベントレポートを書かせていただきます。

■Customer Success Cafe(カスタマーサクセスカフェ)とは?
カスタマーサクセスに関わったり、興味がある人たちのオフラインでの交流の「場」をつくるべく、勉強会やイベントを不定期で開催しています。
主催者の高橋歩さんはHiCustomerという、カスタマーサクセスのためのプラットフォームの国内産唯一のツールのカスタマーサクセスで、日本のカスタマーサクセスを牽引しているお方です。

HiCustomerについてご興味関心を持たれた方は下記をご確認してみてはいかがでしょうか?純粋なファンなので、多くの企業様がご利用していただければ嬉しいです!(利用ユーザーでなくて、すみません…)


今回は顧客視点のカスタマーサクセスを考える回ということで…事業会社でカスタマーサクセス担当と一緒にプロジェクトの成功に向けて奔走された経験をお持ちの「カスタマー」の方々をスピーカーとして、プロジェクトを成功に導くための視点やカスタマーサクセスに求めること・望むことなどをお話いただきました。

今回は文字数の加減から私の意見や考え、最後にお話いただいたパネルディスカッションの内容については省略させていただき、記載させていただきます。

■登壇者
・オリックス生命保険株式会社 IT本部長:児玉英一郎さん
・日本経済新聞社 デジタル事業デジタル編成ユニット 次長:山内秀樹さん
・ヤフー株式会社 メディアカンパニー 検索統括本部 検索連動事業本部 事業推進室:稲垣誠司さん
・日本経済新聞社 デジタル事業 BtoCユニット:佐野玄さん(元:マーケティングクラウドで日経の山内さんがお話ししている)
目次
■スタディセッション
「カスタマーサクセスを成功に導く「プログラムマネジメント」とは」
■カスタマーセッション①
いい感じでカスタマーサクセスできた話
■カスタマーセッション②
私たちから見た、こういうCSMと働きたい!


■「カスタマーサクセスを成功に導く、プログラムマネジメントとは」 (児玉英一郎さん)

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基盤SE→IBM→セールスフォース→生命保険IT(ユーザー企業)というキャリアを歩んできた児玉さんですが、7年間務めた、IBMの当時のビジョンである「お客様の成功に全力を尽くす」をモットーに日々奮闘していらっしゃるそうです。

セールスフォース時代では、ハイタッチCSMではリレーションを重視しがちになるが、自社のプロダクトへの情熱や愛情をもって使いこなすことが、ハイタッチCSMの最低ラインと厳しく言われ、今でも言い聞かせているそうです。

これまでのキャリアを元にプログラムマネジメントの相関と、ユーザー企業という目線での話をお聞きすることができました。

プログラムマネジメントとハイタッチCSM類似性

プログラムマネジメントとは、顧客のベネフィットの最大化することです。プログラムマネジメントでは、コスト削減、満足度向上で定性効果を定量効果に変換、ROIやIRRなどの指標で表すこともあるが、ベネフィットの最大化と維持しその組織の戦略を実現することがプログラムマネジメントとのことです。
セールスフォースで稼働している時から、プログラムマネジメントのライフサイクルはCSMと似ているのではと感じていました。

画像2ハイタッチCSMにとって顧客のビジネスケースを作成する必要があるかと思います。投資の期待されるベネフィットが「なんなのか」「いくら」「算出根拠」を見立てていると思います。

ただ、お客様ののビジネスケースは都度、変わります。例えば、お客様のアップセルしたとき、顧客ではビジネスケースの前提が変化しています。当初想定利用数が150名だったものが、200名、300名に変わると、都度ビジネスケースはリニューアルしなければいけない。これを日本の企業で実現できている企業はほとんどないのではと考えられているそうです。
カスタマー目線として、ビジネスケースが変わっているため、もっと顧客企業に支援するともっといいと感じているし、ベネフィットは一発で終わりではなく、永続的にだせていければ良いのではと感じているそうです。

ハイタッチCSMならではのベネフィットの実現

ここでは、CSMという領域として、「顧客のベネフィットを実現させ、顧客満足を向上させることで、その結果、企業の成功になる」という原則がある前提でお話をされました。画像3

CSMの活動として「オンボーディング」「定着」「アップセル」が大きな部分となります。規模が小さい企業であれば上記3つだけで問題ないかと思いますが、企業規模が大きくなると、表面的な利用率だけではなく、そこに至るプロセスも重要になるのではと考えています。

「課題ってなんだっけ?」「阻害要因の解決するにはどうすればいいのか?」「それらによって本当に必要なベネフィットが生み出される」その結果企業の顧客ロイヤリティーが生み出されます。しかし、この3点だけ見ていると、本当にベネフィットが実現されるか見落としてしまうの可能性があると思っています。

お客様は積極的に契約更新しているとは限りません。「リプレイスの時間がないから」「人の影響力で契約継続する」などの理由が考えられます。そのため、そこに至るまでのプロセスが重要となります。顧客本位の部分になっていない可能性があるためプロアクティブに顧客に寄り添い、併走することで、お客様の新の成功に貢献できます。それはハイタッチCSMならではしか行えないことでしょう。

ハイタッチCSMに求められるスキル

「コニュニケーションスキル」「エンゲージメントスキル」「リーダーシップ」などが求められると思いますが、ハイタッチCSMでは特に「分析スキル」が重要ではと考えています。

分析力はSaaSなどであれば、システムとして仕組み化できていないことが多いです。そのためCSMが分析することで、より精度が高く出せるのではないかと思っており、それはハイタッチのCSMならではの必要なスキルになると考えています。

さらに、ハイタッチCSMではプログラムマネージャーに求められるスキルも必要になってきます。

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そのため、ハイタッチCSMに求められる素養は広く深いものとなり、プログラムマネジャーとはイコールではなく、ハイタッチCSMのほうが大変で興味深いと感じているとのことでした。


■いい感じでカスタマーサクセスできた話(山内秀樹さん)

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現在の日本経済新聞社は新聞より電子版の記事が2倍ほどとなり、ニュース配信のデジタルトランスフィーメーションとなってきている状態らしいです。山内さんは顧客一人一人のエンゲージメントを高めるために、自ら、ボトムアップでデータ活用に必要な仕組み化やツールの導入の旗振りを行ってきています。今回はその経験を元にカスタマー視点でCSをお話いただけました。

ユーザーからみたよくあるイケてないCS

例1.ゴールの提案をしてほしいのに、「どれくらいツール使っていますか?」と聞かれるが、導入は課題解決のためにいれているものであって、ツールを使うことがゴールではない。

例2.契約更新前だけやたら来て、「オプションを無料にします」と提案されたときがあったが、最後の数ヶ月で成果はなかなかでない。

例3.活用できない理由を聞かれるが、課題の整理も含め期待していたのに中にはいって考えてほしいという気持ちがあった。

顧客は課題解決するために、プロダクトを導入しています。そのため、CSが利用率を追うことが本質ではない場合があります。もちろん、利用率に因果関係があるかもしれないが、顧客はツールを利用したいわけではありません。課題を解決したいのです。まとめると下記のような図になります。

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(画質悪くてごめんなさい…)

たまに使っているか確認されたりして、継続して利用するが、社内事情の理解がされてなかったり、プロダクトだけで課題が解決されなかったり、本当にある課題が解決されないので、結果的にサクセスしないとなってしまいます。

とあるアクセス解析ツールを導入したときの実体験

実体験として、アクセス解析を導入すればサービスが改善されると淡い期待を抱き、導入したがそんなに甘くなかったです。

なぜかというと、実際に課題が整理されておらず、課題解決がされなかったからです。しっくりこない導入事例を提案され試したりしたが、運用と利用だけ積み上がっている状態で何をすべきか見失う状態となってしまいました。

もともと代理店を介して導入していたのですが、成果がでない状態が数年続いたため、さすがに社内でも問題になり提供元へ相談しました。そこで初めてCS担当者とお会いし、改善の兆しが見えてきました。

CS担当者はプロダクト理解や業界の動向に詳しく、他ツールとの組み合わせの提案や、自社プロダクトでやらなくてもいいことを提案してくれました。ようやく未来が見えてきたので、ワークショップなども含めもっと話す機会を増やしました

これまでは上辺だけの話だけで終わることが多かったが、もっと踏み込んだ相談を行うことで、CS担当者も顧客理解が深くなり、具体的な提案を行っていただけ、課題解決されてきました。また、すでに企業がもっている資産やITプラットフォームを捉えた、現実的な提案(プロアクティブ)をしてもらえるようになり、利用促進を超えて、伴走してくれるようになりました。

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プロアクティブに伴走していただいた結果…

課題を話すことで、プロダクト自体も直さなければいけないという認識になり、アップデートもされてきました。また。そのプロダクトだけの枠を超えた、他社ツールと最適な組み合わせで最適な運用を作ることになり、ビジネスに関与するようになりました。ここまでくるとサクセスされたと感じれたとのことです。その結果、CS担当者の方は日経新聞社の社員になってしまった(笑)それが佐野さんです。

ただ、社員になるとまでは言いませんが、中の人と一緒に仲間になるような行動まで行わなければ、大企業を動かすことはなかなか難しいと感じています。

最終的に継続する理由として、ツールを今は使えていなくても、将来ビジョンが見えていれば解約はしないのではないかと思っています。「目先の利用だけではなく、数年後を見越したゴールが明確になっていれば継続するのでは?」とアクセス解析ツールを導入したことによって、山内様は感じらられたとのことでした。

■私たちから見た、こういうCSMと働きたい!(稲垣誠司さん)

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稲垣さんは横断的にマーケティングをする立場で各部署で小さな成功を積み重ね横展開したり、最後には型化まで行っています。2年前、3年前の当時、CSMの受ける側として、営業やアカウントマネージャーなどとどのように違うのか振りながらお話いただきました。

“すごい”当事者意識とは?

今回のキーワードとして“すごい”当事者意識があります。
では通常の当事者意識ある方との違いは下記の図のようになります。
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基本知識や専門性はあるという大前提ですが、すごい当事者意識の方は、「プロジェクトの中に入り込め、必要以上に真摯に向き合ってくれる人」「一緒にゴールを目指してみてくれる人」が考えられます。

それぞれ具体的にお話すると…
必要以上に真摯に向き合ってくれる」事例として下記2つがありました。

・担当者(カスタマー)より詳しく
・内部にいると、なかなかわかりにくいサービスやコンテンツだが、外部から見ると、細かいところがわかり、すでにあるコンテンツなどを「施策として使えませんか?」とCSM提案していただくことで、嬉しくなり信頼できるようになりました。

・担当者(カスタマー)より早く
CSMが各サービスをに関わっていただくと、情報収集力が長けているためか、「目標やKPIの変更についてここでは変更あったのですが、他に変更はありませんか?」「期中だと思うので予算について、大丈夫ですか?」などと提案してくれました。早すぎず、適度にCSMから連絡をくれることで、顧客から追いかける感じがなく、うまくコミュニケーションが取れている実感ができました。

「一緒にゴールを目指してみてくれる人」のパターンとして下記2つがありました。

・事業の理解
ビジネスに置かれた状況やサービス、組織のコンディションまでは把握してもらえていることで、安心感が全く違うように感じます。また、事業の構造を理解していることで、目の前の改善工数の奥にもある、影響範囲を見積もって提案いただくことで、プロフェッショナルと感じ、信頼感を得ることができました。

・本質的なゴールを意識
今ある目の前の成果に目を向けがちになるのではなく、本質的のゴールを見てくれていただけると助かります。また、事業者側だけの理屈を通すのではなく、お客様の状況を理解していることで提案していただけることで


他にも…直接的な売上につながらない目の前の費用対効果以外にもサポートしていただけた

■社内プレゼンス向上のサポート
プロジェクトの推進がプロジェクトの全体のゴールの貢献となり、カスタマーは楽になりました。また、社内からの共有より、社外からだと影響力や信頼度が全く変わってくるので、大変価値を感じました。

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■社内ナレッジの底上げ
現場レベルだと、本質的になぜ行っているのか理解しにくいが、社内の底上げを手伝っていただけました。社員は役割分担で行っていたが、それをきちんと理解してもらえることでサービスが自走・自立できるようになりました。

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こういうCSMの方と働きたい

・プロジェクトに参加してくれる人ではなく、一緒に考えてくれる人(参謀的な人)
・短期的な成果ではなく、本質的な成果を目指してくれる人
・良い人ではなく、信頼できる人や頼りになる人(伴走してくれる人

ここまででは圧倒的カスタマーの目線となります。そのため前提として、CSMの人も慈善事業ではなく、自社や自分たちのことも考えていってほしいです。横断的な部署なので一緒になにかやっていくという風に働いてほしいとのことでした。

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このあとにパネルディスカッションがあり、懇親会がございました。
簡単な所感として、全体的に大変価値のあるイベントだと感じました。普段のCSのイベントと違い、実際のカスタマーの方が語るCSという視点は重要だけどこれまで参加したことがなかったからです。また、普段ご登壇されるような方ではなく、大企業ならではの視点が多く語られ、言葉の重みが違い、参加してよかったイベントとなりました。

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