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進学校を中退したらどんな大人になったか②

2008年の春、私は憧れの高校に入学した。

高校生活はとても楽しかった。
出席番号が近い子達とすぐに仲良くなり、気の合う友達もたくさんできた。
入学してすぐに合宿のようなものがあり、それを経てさらに仲良くなった。

授業は予習前提で進み、宿題の量も多く、1日休めば遅れをとってしまうくらいスピードも早かった。ついていくのは大変だった。

テスト前の期間中だけ、全部の部活動が休みになるので、同じクラスの違う部活の子達と団体で近所のラーメンを食べに行ったり、教室や地域のコミュニティセンターで一緒に勉強した。

勉強といっても、知り合いたての高校生の男女が集まって真面目に勉強するわけがない。楽しさに浮かれていたので、私の学力は落ちた。入学早々、数学と古典の補講を受けた。
確かに中学までは上の方だったが、ここは進学校なので同等以上の学力の子しかいない。真面目に勉強しないとあっという間に置いていかれてしまうのは当然だ。

元夫と出会ったのも、この高校で、彼はクラスメイトだった。
当時は別の人と付き合っていて、お互い恋愛感情がなく、仲のいいグループの一員だった。

私はバドミントンの部活動推薦で入学していたので、入学早々レギュラーになり、先輩たちを差し置いて試合の練習メンバーに入れてもらっていた。
しかし、大会に出ることは一度もなかった。

高校初めての大会の前日、メンテナンスで整骨院に行くのだが、その帰りに自転車で転けて立ち上がれないほどの怪我をしてしまい、欠場となった。これは苦い思い出のひとつである。

その後、自転車の怪我は関係ないのだけど、練習のしすぎでオスグッド病という膝の病気が悪化し、手術することになってしまった。

夏休みに入ってから手術のために大きな病院に入院した。ちなみに、退院後に彼氏に振られた。交際期間は2ヶ月くらいだったし、なんで振られたかとかも全然覚えていないが、当時はとてもショックだった。

リハビリで大会出場どころか練習すらできず、焦りを感じていたが、ライバルでもある親友が「ダブルスのパートナーの席はずっと空けとくけん」と言ってくれたのが嬉しかった。

友達に恵まれたのが唯一の救いだが、部活も恋愛もうまくいかなかった。勉強しかなかったが、私はそれどころではなかった。

父親が警察に捕まった。

今でも覚えているが、自分の部屋で勉強をしてる時に母が「一階でバルサンを焚いてるから」と部屋にきた。そこで急に、1年前に父が警察に捕まっていたことを告白された。

事件当時、私の中学最後の大会の期間中だったらしく、高校生になって教えることにしたそうだ。

うちは物心ついた頃から両親の仲が悪く、毎日のように怒鳴り合いの喧嘩をしている家庭だった。
同居している母方の祖父母はすでに離婚しており、大人の事情で同居していた。なので祖父母も仲が悪く、毎日喧嘩していた。

大きな木造建築の実家は、スナックをやっていた祖母が昔の彼氏に建ててもらったもので、そこに祖父母と両親、姉と私と犬2匹で暮らしていた。

両親はお互いにお互いの悪口を毎日子どもに話していたが、それでも私は両親どちらも好きだった。

私は父を尊敬していたし、自慢だった。
佐々木蔵之介に似ていると言われていた父は、私が学校に忘れ物をするとバイクで届けてくれて、友達からはかっこいいと羨ましがられた。
絵がとても上手で、私は父に褒められたくてたくさんの絵を描いた。父は私の絵を見て褒めてくれて、よくアドバイスをくれた。
父の影響で漫画やゲームが好きだったので、親子で一緒に遊んだりした。

母は父のことを「真面目だけが取り柄」とよく言っていた。その父が…

なんか、もう色んなことがありすぎて、全部がどうでも良くなった。

私は声を出すことができなくなり、学校にも行かなくなった。

↓不登校の時に出会いたかった本

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