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EVERYDAY大原美術館2023 vol.11「美しさは幻想」

大原美術館に訪れたことがある人は、知っているだろう。
入館すると、我々を迎えてくれるのは、児島虎次郎の「和服を着たベルギーの少女」。2つ目の作品が今日の一枚。

とにかく大きい

この作品はどこに飾られ、誰に見せるために描かれたのか。
ライティングも非常に難しい。
正直、ライトが光って、少し離れたところから眺めるのがいい。

ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ作「幻想」

ナカムラさんの幻想

エブリデイ大原美術館を初めてスタートした時、この作品から鑑賞した。
それは、コロナ禍で人が少ない大原美術館で、学芸員さんがそっと耳打ちしてくれたことを覚えている。原田マハさんの作品に登場するのは、この作品ですよ!と。

2度目の鑑賞

1度目とは違う視点が持てるのかという、自分との戦いでもある2度目の鑑賞。まずは同じ視点から。
まずはペガサスの存在。
白馬に白鳥の羽が生えた、美しく、強く、憧れであり、幻想そのもの。
ペガサスは何の象徴なのか?

美の象徴

つたを使ってペガサスを捕まえようとするのは、男性か女性か?
よく見ると台座のようなものに座っている。
ビーナスなのか?美の象徴としてのビーナスが、必死に捕まえようとするペガサスは、美の真髄。捕まえようとしても、逃げてしまう。
美しさとはなんなのか?美を捉えようとするのは、アーティストとして永遠の追求とでも言わんばかりだ。

手前で小さなお花を摘む少年は、天使か妖精か。
自然の美をもっとも美しいとする天使。
しかし、ビーナスは天使に気を止めず、ペガサスに夢中。

美に魅せられて

人は盲目になっていく。
美に魅せられて、本来あるべくしてある美しさを忘れてしまう。
まさにこのこと自体が幻想。

この1枚が美術館の入り口に

美の象徴として、美術館が存在する。
美に取り込まれていく、この瞬間に
「幻想」であることを忠告するかのように飾られる。
幻想に浸れる美術館という空間にようこそ。





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