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【フリー台本】ハロウィンの悪魔(性別不問2)

割引あり

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【概要】

あらすじ

その街では10月31日に「ハロウィンの悪魔」と呼ばれる殺人鬼が現れる。
 毎年一人、選ばれた被害者は見るも無惨な姿にされてしまうのだ。
 今年こそハロウィンの悪魔を捕まえようと、悪魔が動くその日、二人の警官が街に出た。
 (※残酷描写注意)

情報

声劇台本 2人用
編成   性別不問 2人
上演時間 約10分

<>内はト書き。
性別の組み合わせ自由、人称変更(私→俺など)OK
物語の最後は結末を変えなければ柔軟に演じてください!

登場人物

◆アレックス
 警官。ハロウィンの日の警備巡回を担当。今年はベイリーと一緒にハロウィンの悪魔、ジャックを追うことを命じられている。

◆ベイリー
 警官。ハロウィンの日の警備巡回を担当。アレックスとベイリーはよく二人組で仕事をしている。


【本文】

    <警察署内、休憩室>

アレックス
  「トリックオアトリート!」

ベイリー
  「やあ、アレックス。今日はハロウィンでしたっけ? 残念ながら何も持ってなくて」

アレックス
  「ええ! 他の人はみぃんな、お菓子くれましたよ? じゃあベイリーにはイタズラですね」

ベイリー
  「えぇ……何されんの…?」

アレックス
  「さあ……どうしよっかな?」

ベイリー
  「それよりも、そろそろ休憩終わりますよ。午後は一緒に巡回じゅんかいですよね?」

アレックス
  「そのとおりだね。なのに、忘れてるんだもんなぁ」

ベイリー
  「仕事のことは覚えてますよ。トリックオアトリートみたいなノリを忘れてただけ」

アレックス
  「じゃあ、ベイリーもノってよ。ハロウィンのお祭りに」

ベイリー
  「んー……トリックオアトリート?」

アレックス:
  「はい、どうぞ! 私はちゃんとお菓子用意してますからねー!」

ベイリー
  「ははは。ありがとう」

アレックス
  「さて、ランチが終わったのなら、午後の打ち合わせをしましょう。 このお菓子でも食べながら」

ベイリー
  「はい、やりましょう。
   本当、今日は我々警官にとっては厄介やっかいな日ですね。総出で一日中、街の巡回をしないといけないのだから」

アレックス
  「迷子の子供、羽目はめを外しすぎた若者たちの大騒ぎ、酔っ払いのトラブル、それから……」

ベイリー
  「ハロウィンの悪魔──“ジャック”」

アレックス
  「指示書を見ると私たちがジャックの担当みたいだね」

ベイリー
  「ジャックのことは知っていると思うけど、一応、振り返っておこう。
   彼あるいは彼女は、ハロウィンの夜に現れる殺人鬼だ。被害者は、“人間ジャックオランタン”とでも言いたいのかというような、むごい姿で発見されている。四年前から、毎年一人ずつ……」

アレックス
  「毎回、現場から多くの押収物おうしゅうぶつはあれど、犯人に結びつくものはなく、被害者の共通点も特になし、ですよね」

ベイリー
  「うん、お互いに良く知っているようだし、詳細の確認はもういいだろう。 私たちの今日の仕事はジャックの犯行を未然に防ぐことだ」

アレックス
  「未然に防ぐなんてこと、できますかね……。あ、いや、もちろん頑張りますけど!」

ベイリー
  「現場になりそうなところを警戒しているだけでも、多少犯行はやりにくくなるだろうし、ともかく今日、奴が動くということはわかっているのだから。最悪でも、現行犯逮捕ができれば……。
   ──さあ、出発しよう」


    <街の中、パトロール中>

アレックス
  「街の中は、本当、ハロウィン一色ですねぇ。ほら、仮装している子供たち、可愛いなぁ」

ベイリー
  「大人も今日は被り物や特殊メイクをしていますからね。素顔すがおを隠すにはもってこいだ」

アレックス
  「あー……確かにそうとも言えるのか……」

ベイリー
  「この中にひょっとしたら殺人鬼がまぎれているのかも」

アレックス
  「そう思うと……呑気のんきにハロウィン楽しんでいる街の人たちは、ジャックが怖くないんですかね?」

ベイリー
  「どこか、自分だけはターゲットにならないという気持ちがあるんでしょうよ、きっと。
   ジャックに限らず殺人事件なんて年間で何百件と起きているけど、ほとんどの人には関係がないように思えるんですから」

アレックス
  「ところで、ジャックの犯行現場って見たことある?」

ベイリー
  「いえ、写真だけです。心底、現場にいなくてよかったと思いましたよ。写真見ただけで吐きそうでしたもん……。アレックスは現場、行きました?」

アレックス
  「行ったよ。一件目の時は、首から上のない遺体が自分の頭を抱えていて、その頭はカボチャのように中がくり抜かれて、まるでジャックオランタンのように、光っていた。
   二件目は腹の部分がランタンになってて……。カボチャのランタンで言うところの目と口に当たるところだけご丁寧に肉ががれて中から光がれるように…」

ベイリー
  「んぐぅ……。ちょっとまって。思い出して昼のサンドイッチが逆流してきそう……」

アレックス
  「今からそんなんで、現場に踏み込めます?」

ベイリー
  「被害者がこの状態になる前に、ちゃんと助けられるタイミングで踏み込めば問題なし!」

アレックス
  「あ! ここ、リストアップされてる場所ですね」

ベイリー
  「よし、気をつけて、一度確認しよう」

    <怪しい場所に注意深く踏み込み、様子をうかがう>

アレックス
  「──……まあ、そんなに簡単に当たりってわけにはいきませんよね」

ベイリー
  「ハズレのほうが多いだろうことは覚悟の上だよ。今までのジャックの傾向から“現場になりそう”で予測してるだけなんだし。次、行きましょうか」


   <別の場所、犯行場所予想リスト中の屋内に入る>

アレックス
  「何箇所目なんかしょめかですけど……、ここは、どうですか?」

ベイリー
  「……もしかしたら……今までで一番怪しいかもしれない」

アレックス
  「怪しい、というと?」

ベイリー
  「今までのところはただ、“犯罪に使えそうな場所”という感じだったけれど……。ここは、なんだか“ハロウィンっぽさ”がある」

アレックス
  「なるほど……。 誰か人は……いなさそうですね」

ベイリー
  「隠れているかもしれないから、注意をおこたらないで」

アレックス
  「一応、鍵、かけときますね」

ベイリー
  「見れば見るほど、確信が持てる。怪しい雰囲気に飾り付けられた室内。遺体の損壊そんかいに使うであろう道具も部屋のすみそろってる。
   高輝度こうきどのライトも……これで人間ジャックオランタンを作るってわけか? 気持ちの悪い……」

アレックス
  「それで、この場所が当たりだったとして、どうするつもりです?」

ベイリー
  「指示書には何て書いてあったかな?」

アレックス
  「確認しますね。えっ……と……。全ての通信機器は切って、武器と一緒にひとまとめに」

ベイリー
  「え? 本当に?」

アレックス
  「ほら、書いてますよ。じゃあ、私のぶんは、ここに置いときますね。ほらベイリーも」

ベイリー
  「ああ……うん。 ──それで?」

アレックス
  「はい、これ、持ってください」

ベイリー
  「へ? クラッカー?」

アレックス
  「はい、ひも引っ張って! せーの! ハッピーハロウィーン!!」

ベイリー
  「ははははは!! びっくりした! なにかと思った! なんだ、そういうこと?
   イタズラに手間かけすぎですよ。勤務中になにやってるんですか!」

アレックス
  「ははははは! ようこそ! ベイリー! パーティ会場へ! 楽しいのはこれからだよ!」

ベイリー
  「ん……あれ? アレックス……?」

アレックス
  「ささ、動けるうちにここに座って! 電気椅子モチーフにしたんだけど、どうかな?」

ベイリー
  「身体、うまく動かないんだけど……」

アレックス
  「ちょうど良いタイミングで効いてきましたね。お菓子の魔法」

ベイリー
  「いったい、これは……え? え?」

アレックス
  「もう、ここまできたらわかるでしょう?」

ベイリー
  「まさか……まさか……アレックス、君が……」

アレックス
  「大丈夫ですよ、ちょっとしか痛くはしませんから。あ、あ、でも、意識はちゃんとありますから安心してくださいね! ちゃんと一緒に、ランタンになる過程を楽しめますから!
   なので、もうすこし“魔法をかけます”ね! ちょっとちくっとしますよ!」

ベイリー
  「待って! なんで⁉︎ 本当に? 本当に君が“ハロウィンの悪魔”だったの?」

アレックス
  「そう呼ぶ人は多いみたいですねぇ」

ベイリー
  「やだ、やだやだやだやだ! やめて!
   お願いだから、お願いだから、どうか、助けてよ!
   なんで、なんで、なんで!? だって、いままでずっと、ずっと同僚どうりょうで……! どうして、私にこんなことを……!」

アレックス
  「トリック オア トリート。
   こう問いかけた時、あなたはお菓子をくれなかったじゃないですか。
   さあ、トリック アンド トリートの時間です」


END


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