【金魚譚】真夜中の来訪者

午前三時。
 蜷川邸の寝室に、ベッドのスプリングが激しく軋む音は響いている。

 暫くして、事を終えた夫婦がそのまま寝息をたて始めた。

 その一時間後。
 夫の漆が眼を覚ます。

 程なくして、ぐっすり眠っている妻の美嘉を一瞥し、冷え切った部屋から漆は出て行った。

 漆は喉が渇いたのだろう、一階のキッチンへ下り、冷蔵庫から麦茶の入ったガラスポッドを取り出し、それをコップに注ぎ、一気に飲み干した

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神影鎧装レツオウガ 第四十五話

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Chapter06 冥王 09

「霊力の、確保、ですって?」
 一語一句を区切りながら、サトウは怪盗魔術師の言葉を繰り返す。
「そんなものを、いつ、どうやって……」
 と、そこでサトウは気付いた。怪盗魔術師の輪郭が、陽炎のように揺らいでいる。立体映像モニタの不調、ではない。
 では理由は何か。疑問符と同時に、鳴り響く携帯端末。取り出す。画面に表示された名前

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塗り途中。今日も朝早いのでおやすみなさい🌃✨

【連載】訪問者4(魔法仕掛けのルーナ22)

(このシリーズがまとまっているマガジンはこちら)

 アレクは砂利道に立っていた。両脇は背の高い石の壁で、正面にまっすぐ行くと左右に道が分かれているようだ。突き当たりに植え込みが見える。
「おっと、立ち止まるなよ。行った、行った」
 急かされて振り返ると、先ほどくぐった煙のカーテンからジョージが顔を出したところだった。アレクは慌てて後ずさった。
 間も無く煙の中からジョージが全身を現し、アレクの横

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