私は何者か、番外編 a dozen 短歌 39
やはらかき貌崩さず残るもの春の日脚の底まで届く
浮かぶもの細い木の枝あの鳥はふるさと忘れ恋に落ちたか
見たはずの景色もやがて積み上がるデジタル堆積塵にひとし
さよならとバイバイの隙間座標繰り手折り他人の記憶繕う
月曜の憂鬱拾い集めては深浅測量泥の船もて
勤勉な秒針だって誰からもみられてない時背伸びをするの
時々はあっかんべーとかしてみるがいい失う怖さ得る怖さ
真っ暗な夜にひとり放たれて一人じゃ悲しい影のジレンマ
梅の花一斉に咲いて我に問う約束という見えない掟
春告に鳥の来たらし我の庭なにやらつぎつぎ芽吹き囁き
にょっきりと芽吹くものなになにお話ししたいのね私も聞きたい
コトコトと三月のシチュー外は雪そうだねさよならしたくないよね
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