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私は何者か、472


彼を待っている間に、プレモルとサッポロブリュウを飲んだ。そして、たった一人の贅沢な作業、ものをつくることに時間を費やす。
ものをつくることは、残すということである。残すからには、尽くさねばならぬ。
器用不器用はあるが、ものをつくることが好きである。そして、作られたものを見ることも好きである。もちろん、自然がいちばん好きである。自然とて、だれか、なにかが作り上げたものであろうや。
つくる。その行為自体が好きである。つくったものには執着はない。そんな気がする。
吐き出したのだから、戻すことはできないし、戻ってはいけない。わたしには、前しかないのである。振り返ることに、なんの意味を持たせようか。省みることは大切だが、後悔など。そう、もう、此処にはもういない犬のトロルの瞳のように。


それにしても、暑くも寒くもない、良い気候。


ベッドのなかの、嫌いではない、そんな孤独。



ひとりきりの素足よ。


わたしは何者か。


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