私は何者か、番外編、a dozen 短歌、10
百八はなんの数とか問い問われ不届きものよ触れてはならぬ
五つ目の石を積むとき顔あげて待っていたんだ阿弥陀振り向く
足裏までじんじんくるよこの廊下戦争が立ち阿弥陀が立つよ
姉とゆく哲学の道その先の見返り阿弥陀小さき希望よ
水撒いて水琴窟に潜りゆく我の耳鳴り調律できぬ
水色の水はほんとは透明で空を映してずっとみずいろ
インドとか遠い異国にいる人よどんな顔して夜長貪る
彗星はいまどのあたりその指で私の髪を掬い上げんと
助るを助け見返り阿弥陀笑む遅刻早退気にせずにゆけ
誰か来るだから待つのか誰も来ぬ待たされていて待たせているよ
鉛筆の転がる方へ私も傾いているそれは哀しみ
眠ろうとすれば眠れず私の声を聴かせてほしいそれだけ
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