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私は何者か、番外編 a dozen 俳句 7


耳朶の触れれば爆ぜる春の雷

爪パチンと飛んで東風吹く丘のうへ

君の影踏んで春宵背が寒し

終いまで読めない手紙朧の夜

春雷といふ記憶なるうなじの白

春の雷我呼ぶ声の凄まじき

春まだき抱きしめたいとは寂極み

その指を噛んで含んで花月夜

桜蕊降る音さみし山の際

かさこそとバイバイグッバイ花ぼんぼり

花散ってたったひとりの道のうへ

ふりかえることなどできぬ春の泥


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