野菜ジュースは、野菜接種の代替手段ではありません

加熱によって失われる野菜の栄養素

厚生労働省は、健康維持のために、成人は一日当たり350グラム以上の野菜を摂取することを推奨しています。
この数字をもとに多くの野菜ジュースが販売されています。

野菜ジュースはその製造過程で、濃縮や殺菌を目的とした過熱が行われるため、熱に弱いビタミン類は失われてしまいます。
また、食物繊維も、水溶性と不水溶性の2種類があり、後者はジュースの口当たりを悪くする水に溶けにくいものがジュースに適さないため、
搾りかすとして捨てられています。

加熱で失われるビタミン、食物繊維の除去以外にも、知っておきたい点があります。
1つは「濃縮還元」の製法です。原料となる野菜は、世界各国で調達され、加熱して水分を飛ばし「濃縮」したペースト、あるいは
粉末状態で輸入されます。輸送コストを抑えるためです。

「国内製造」と表示される商品は、輸入した原料をジュースに戻す「還元」の工程が国内で行われたということであり、
「水で薄める」のが、その方法です

もう一つは、失われた栄養素や風味が添加物によって補われていることです。
特に「香料」については、化学的なもの、天然由来のものを分けて表示する必要がないため、注意が必要です。

野菜ジュースを飲むことが、野菜を食べることとは決して同じではないのです。

私自身も、「濃縮還元」に反応して購入した経験があります。キャッチフレーズに惑わされる前に、商品の内容をしっかりと確認することが必要ですね。