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No.1168 シビれるような「ビリ」!

昨日で学年末考査が終わりました。
 
こちとら、何時間もかけ(時には一日、二日もかけ)て問題を作成するのに、生徒は、たった50分で解いてしまいます。中には、30分くらいでさっさと仕上げる猛者もおり、所在なさそうにしています。
 
試験というといつも思い出すのは、50年以上も前の大学入試のことです。
ちょうど連合赤軍数人が人質を取って浅間山荘に立て籠った、あの「あさま山荘事件」の日のことでした。そんな大騒ぎのさなかに、私立大学の入学試験を受けました。
 
某大学の英語の試験の最終問題は、「次の文章を英語に直せ。」というもので、2問ありました。そのうちの1問は、
「試験を一番早く終えた者が、点数が一番いいとは限らない。」
というものでした。
「落ち着いて最後まで粘りなさい。急ぐと、思わぬ間違いをするよ。」
という大学の出題者の意図を感じました。あるいは、早さを競うような一部の受験生への揶揄(ブラックユーモア)であったかもしれません。
 
ところが、出来ちゃう人は出来ちゃうんですね。
案の定、試験開始後の30分(?)もしたら答案を机上に残してさっさと会場を後にする学生が数人いました。信じられませんでした。田舎者の私は、試験にも彼らにもまったく歯が立たないと思いました。むしろ、「もう10分、いや5分でいいからくださーい!」と大声を上げたい気分でした。ビリから数えた方が早かろう、それが私でした。
 
だから、さっさとテストの答えを書き上げてしまう人を見ると、ついつい老婆(爺?)心ながら、何度も見直しを勧めたくなります。昨日も、確かに、一番先に仕上げた生徒が、そのテストの最高点ではありませんでした。
 
「いつもビリ 天国行きも ビリで良し」
(長崎県 79歳 男性)
「第2回有老協・シルバー川柳」(2002年)の入選句にシビれる私です。


※画像は、クリエイター・優谷美和(ゆうたにみわ)さんの「試験会場で問題に取り組む受験生」の1葉をかたじけなくしました。50年前、私もこの中の一人でした。お礼申し上げます。