やっぱりビタミンD

コロナ以前から、風邪予防・インフルエンザ予防にはビタミンDが良いと書いてきましたが、しかし新型コロナにはビタミンDをしっかり補充していても感染してしまう例が結構ありました。
やはり普通の感染症とは違うなと感じましたね。
ただ「ビタミンD欠乏によりコロナ重症化リスクが14倍になる」という研究結果も出ており、ビタミンD補充は重要です。

またビタミンDは、アレルギー予防や癌予防など多くの効果があります。
自分のブログ見返したら、2015年からビタミンDのことについて書いていました。

ビタミンDの力(2015年12月1日)

ビタミンDの力 パート2(2017年3月2日)

新型コロナウイルスにはまずビタミンDを!(2020年1月31日)

ビタミンDがなぜウイルスに効くのか?(2020年2月2日)

やっぱりビタミンD と愚痴いっぱい(2020年4月24日)

などなど。
最初の頃は書いてある量も少なく、やる気がない感じがよくわかります。
(やる気がないなんてウソですよ)
ビタミンDについてのブログはまだまだありますがこの辺にしときます。

で、6月に、東京慈恵会医科大学からこんなニュースが出ました。

都内診断、98%ビタミンD不足 食生活の変化影響か

98%がビタミンD不足だったという調査結果です。

実際の論文の概略はこちらです(イングリッシュです)。
Determination of a Serum 25-Hydroxyvitamin D Reference Ranges in Japanese Adults Using Fully Automated Liquid Chromatography–Tandem Mass Spectrometry

プレスリリースはこちらです。
98%の日本人が「ビタミン D 不足」に該当

自分のクリニックでも採血する人にはほぼ全例ビタミンDの血中濃度を測定してきましたが、常々「99%の人が欠乏している」と患者さんに説明してきました。
高齢者が多いから特にそうなのかな(外出が少ない、皮膚機能の衰えによりビタミンDが効率よく作れないから?)と思っていたのですが、若年層でもビタミンD欠乏ばかりなのです。

慈恵医大とほぼ同じ数字が出た(というか、自分のとこは感覚ですけど…)ので、やはり実際の現場で起きていることは間違いなさそうです。

実は慈恵医大は上記の発表に先立ち、こんなプレスリリースも出しています。

ビタミン D サプリメントを摂取すると癌の死亡率は 12%減少する

・癌種に関係なく癌死亡率が 12%減少した
・70 歳以上の場合は癌死亡率が 17%減少し、高齢者で特に有効だった
・癌の発症前から連日で内服していた場合は 13%、発症後でも 11%の癌死を予防した

癌予防のためにも、癌と診断されてからもビタミンDは有効ということです。
特に高齢者の場合は効果が高かったとのこと。
ふだんから高齢者ばかり相手しているからですけど、ビタミンD補充を勧めている自分、良いことしているなぁとちょっと思っちゃいました。
いやいや、間違いないことをしていると確認できて良かったです。

また最近では認知症にも良いという研究結果が出ています(以前からわかっていたことですが)。
なんと40%も発症率を低下させたという研究です。

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ビタミンD補充療法で認知症リスクが低下する可能性 発症率40%低下と関連
国際医学短信2023年7月12日 (水)配信

ビタミンD補充療法は認知症の発症を予防する、または遅延させる可能性があるとの研究結果が、「Alzheimer's & Dementia: Diagnosis, Assessment & Disease Monitoring」1~3月号に掲載された。

カルガリー大学医学部(カナダ)のMaryam Ghahremani氏らは、カナダ国立アルツハイマー調整センターの認知症を有しない1万2,388人を対象に、ビタミンD補充療法と認知症の新規発症との関連を検討した。

解析の結果、製剤の種類にかかわらず、ビタミンD補充療法を受けた人は、受けていない人と比べて認知症を有しない生存期間が有意に長く、認知症の発症率が有意に低かった(ハザード比0.60)。認知症の発症率に対するビタミンDの影響は、女性では男性よりも大きく、認知機能が正常な人では軽度認知障害(MCI)のある人よりも大きく、アポリポタンパクEε4非保有者では保有者よりも大きかった。

カルガリー大学医学部および英エクセター大学の研究責任者であるZahinoor Ismail氏は、「ビタミンDは認知症の軽減に関連し得る脳への影響を有することが知られているが、従来の研究では相反する結果が得られている。本研究の結果は、今後のビタミンD補充療法に関する研究で特に対象とすべき集団に関する重要な洞察をもたらす。全体として、認知機能の低下が生じる前の早期のビタミンD補充療法が特に有益である可能性を示唆するエビデンスが認められた」と述べている。
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ちまたではビタミンD3サプリメントを使用したこともないような頭の硬い自称専門家の人たちが、
「ビタミンDサプリは高カルシウム血症をきたすから安易な補充は危険」
と、マイナスのことばかり主張しますけど、実際、常識的な量のビタミンD3サプリで高カルシウム血症になった人はみたことがありません。
間違えて飲んでビタミンD濃度が相当高くなっちゃった人(100以上)でもカルシウム値には影響がありませんでした。
それが実際の現場で起きていることです。
それに以前にブログにも書いていますが、「マグネシウム」をしっかりと補充していれば、さらにそのリスクは抑えられます。

ですから、上記研究結果をみても、ビタミンD補充をしない手はありません。
癌にも良いし、認知症予防にも良いし、新型コロナの重症化リスク軽減にもいいし。
もちろんこれ以上のいろんな効果・効能も期待できます。
アレルギー・花粉症予防もです。

さて、北海道有志医師の会の、おたる港南クリニックの末武先生が、ブログでビタミンDについて結構書かれています。
オーソモレキュラー栄養療法のHPも完成し、いろんな情報が書かれています。

https://biochemicaldiet.com/orthomolecular

ブログ一覧はこちらです。

https://biochemicaldiet.com/archives/blog

たくさん興味を引く内容が多いですけど、自分が気になったのは「職員募集」

オーソモレキュラーはやっていて絶対に損はないですし、働きながら栄養の知識を勉強できるなんて、こんなに良いことはありません
頭の硬い人ばかりの職場で働くよりも、自分の体のためにも良いです。
院長秘書も募集しているようですので、興味ある方はぜひどうぞ。
(あっ、別に末武先生に頼まれてないですからね)

遠くに住んでいる方でも、行動を起こすことで何か人生が変わるかもしれません。

無駄に医療機関の食いものにされないように、自分でできるケアなど役にたちそうな情報を大公開していきます。