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想定4分 BL声劇『待ち合わせはツリーの下で』 作 沖ママ

サンタ
「よっ、お待たせ。」

トナカイ
「サンタ遅せぇよ。どんなけ待たせるんだよ。」

サンタ
「悪ぃ悪ぃ。この時期なにかと忙しくてさ。」

トナカイ
「まぁそうだよな。もうすぐクリスマスだもんな。」

サンタ
「年に一度のかきいれ時ってやつよ。」

トナカイ
「クリスマスってさ、何で年に一度しかないんだろうな。」

サンタ
「さあなぁ、何度もあったら有難みが薄れるんじゃねぇか?」

トナカイ
「それもそうか。そうだよな。」

サンタ
「何だよ、どうした?らしくないぞ?」

トナカイ
「サンタを待ってる間に、その辺を歩いてる人を眺めてたんだよ。そしたらさ……。」

サンタ
「うん?そしたら?」

トナカイ
「楽しそうにみんな笑ってるんだよな。手繋いだり、腕組んで歩いたりしてさ。」

サンタ
「ま、寒いからなぁ。」

トナカイ
「俺たちさ、サンタとトナカイじゃん?」

サンタ
「あぁ、そうだな。」

トナカイ
「クリスマスの日にしか、会えないんだよな。」

サンタ
「あ~。クリスマスと言えば、サンタとトナカイだからな。」

トナカイ
「なんか、寂しくないか?」

サンタ
「え?何が?」

トナカイ
「だって俺たち、クリスマスにしか会えないんだよ!?どんなに好きでも、愛し合っていても、クリスマスにしか会えないんだ!」

サンタ
「それがサンタとして生きる事に決めた俺と、トナカイとして生きる事に決めたお前の宿命じゃないか!」

トナカイ
「サンタ……。」

サンタ
「俺だってな、寂しいよ!でも、一年に一度、24時間だけはトナカイ、お前と居られる。必ずだ。俺は確実に会えるこの道を選んだつもりだ。」

トナカイ
「なぁサンタ、知ってるか?」

サンタ
「なんだ?」

トナカイ
「昨今、世界では子供の数が減っているらしい。」

サンタ
「……と、いうことは?」

トナカイ
「プレゼントを配る絶対数が減っているということだ!」

サンタ
「早く配っちまえば!?」

トナカイ
「俺たちのフリータイムが増える!」

サンタ
「おっしゃー!行くぞトナカイ!さっさと終わらせて夜の街に行こうじゃないか!」

トナカイ
「おうともさ!サンタ!」

サンタ
「トナカイ!」

トナカイ
「ハグしよ!」

サンタ
「ぎゅ~っ!」

トナカイ
「キス!」

サンタ
「ちゅ~。」

トナカイ
「あぁ……行きたくない……。」

サンタ
「お前がやれって言ったんだろ!?行くぞ!」

トナカイ
「ねぇ、サンタ。もう1回。お願い!」

サンタ
「嫌だね。さっさとしろ。ソリにくくりつけるぞ。」

トナカイ
「あ~そういうのもアリかも!?」

サンタ
「ねぇよ!……終わったらな。」

トナカイ
「え?なんて?」

サンタ
「何でもねぇよ!行け!トナカイ!」

トナカイ
「続きは後でたっぷりと、ね。」


終わり

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