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第2話 里親への一歩はスマホひとつ

里親になると夫婦二人で決めて、不妊に悩む日々が不意に終りを迎えた。

仕事の合間、電車の移動中、時間が有ればスマホで情報を集めていた。
里親制度・養子縁組、知ってはいたけれど、詳しく調べると予想以上に様々な情報がネットに溢れている。

里親制度の説明を読みつつ、不意に思う。

里子はいずれ居なくなってしまうのか、、、と

里親とは、実親の代わりに育てる事だと、やっと理解した。

様々な理由で養育が困難になった家庭のサポートを社会で担うというのが里親制度なのだ。
「子どもが欲しいから」と考えていた私は、現実に引き戻された気持ちになった。

そして里親にも様々なタイプが有る事を知った。

里親には4種類あり

養育家庭(里親)
 養子縁組を目的とせずに、家庭で暮らすことのできない子供を一定期間(1ヶ月以上)養育する家庭。短期間のみ子供を預かる家庭もあり。
 
専門養育家庭
 被虐待児、非行等の問題を有する子供及び障害児など、一定の専門的ケアを必要とする子供を、養子縁組を目的とせずに一定期間養育する家庭。

親族里親
 両親が死亡、行方不明、長期入院などにより子供を養育できない場合に祖父母等の親族が里親となりその子供を育てる家庭。

養子縁組里親
 養子縁組によって養親となることを前提とする家庭。

私たち夫婦の選択肢は、養育家庭と養子縁組里親に絞られる。

養育家庭(里親)として短期で子どもと過ごし、そして訪れる別れ。
里親の制度としての目的も目に留まった。

「実親の家庭に復帰する為の支援」という事だ。
つまり、前提として家庭に復帰出来るケースは喜ばしい、という事なのだ。

実親の入院や、貧困による一時的な支援の場合、問題の解決は明確でわかりやすい、そこに愛着、愛情が有り、子どもの幸せに向かうサポート。
もちろん、里子が家を出る時は寂しいという経験者のブログもいくつも見つけた。

しかし、家庭復帰が幸せと一致しないケースも存在する。
実親が犯罪を犯し収監による都合、育児放棄や児童虐待、望まない妊娠のケースなど。

当然だけれど、正常な養育が出来ないという事は、ネガティブな理由が多分にある。

子どもがいるだけで幸福、と決めつける事は、子どもに恵まれなかった私たちの夢に描く幻想なのかもしれない。
街で見かけるのは幸せそうな家族であり、不幸に見舞われた家族は見かける事は無いのだから。

養子縁組里親は、まさしく帰る家庭の無い子どもを受け入れる事であり、深刻な事情を抱えるケースが多いと思った。
そして同時に、そういった子どもは、果たして真っすぐに育つのだろうか?
心に傷の有る子どもを、育児経験の無い私たち夫婦が果たして育てる事が出来るのだろうか、、、

漠然とした不安の正体を知った時、決意は簡単に揺らぐものだと自己嫌悪を感じた。

里親と養子の違いを、もっと深く調べ、知る必要があった。


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