アセット_12

業務スーパーってかなりよくないですか??

業務スーパー、かなりいいですよね。
業務スーパーさんの雑ゆえの許され感というのがすごくいい。という話です。

まず「業務スーパー」という名前からなにも頑張ってないじゃないですか。社名の会議で「まあ、業務用なんで業務スーパーでいいですよね」って3分くらいで決めてそうじゃないですか。

この名前のおかげで、店内におけるすべての雑さが許されていると思うんですよ。
そこそこ汚い壁がむき出しになっていたり(店によるけど)、お菓子売り場とか全部在庫の段ボールの上に積んでいるとか、品出しの途中の残骸が残っていたりとか、なんかそんなおいしくなさそうな総菜があるとか、全体的な即席感があるんですよね。
これってでも業務スーパーという名前ゆえに許されているというか、ふさわしいというか、品質の向上みたいなことをこのスーパーに誰も期待してない、させないような作りになってると思うんですよね。

これがもし、「ラ・シェルネ」みたい名前とかだと、しっかりとした接客とか、できたておいしいお惣菜とかを求められちゃう。ライフは人生、イオンは(ラテン語で)永遠、イズミヤはオアシスですよ。それに比べて、業務スーパーって!!背負ってるものが違いすぎる!!

店名の看板とかの上に「一般のお客様も大歓迎」って書いてるじゃないですか、ということは、俺はお前たち(イオン、ライフとか)とはスタンスがそもそも違うからって突き放して、特別な存在に位置しつつ、一般のお客様は本来の客ではないけど、まぁこれるものならくれば?っつって、俺たちを迎え入れるわけですよ。レシートや袋を見てください、「すべてのプロフェッショナルのお客様に喜んでいただける」「プロの品質とプロの価格」一般ユーザーをおお無視なんですよ。
つまり、本来プロや法人に卸すようなものを、特別に一般の方々でも消費できるように提供しているとなる、業務スーパー側がちょっと上にいる。
このことから一般消費者にとっては、ちょっと特別な買い物体験にもなる(さすがに最近なじみすぎてそんなことはないけどね)かなり面白い。

他のスーパーより雑なんだけど、それがこの人には全然コンプレックスになってない。それは俺の個性だしっていう、でも、彼は自分の持つべき手札を理解している。この店だと生鮮食品は全然期待されないだろうと知っている。だから6割くらい全部冷凍。とりあえずビックサイズでダサいパッケージデザイン。

「業務用」というコンセプトを提示し、そのコンセプトから連想される分かりやすく具体的な「冷凍」「ビッグ」「雑」「ダサい」イメージを徹底してつくる。この持ってるカードで勝負する感じ、あるいは売り方を徹底して業務スーパーというイメージを浸透させていく戦略感。いいよね~~。
そういう方向性に対して全然ブレがなく、達成のために「業界の当たり前」をぶっ壊していくこと、でしかもそれが、(今回の場合)陳列が雑みたいな通常ではマイナスとされることを「まっ、いんじゃね~」まで持っていく愛され力。
この4つくらいがいいよな~って思いながら、冷凍のポテトと2Lのコーラを買いました。
万引きが30件以上あるらしいです。  

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