森の中4


街には音楽が流れ車や動物さん達でいっぱいです。「ねこっ汰、街には色んな物が溢れているね。ん?どうしたの?」ねこっ汰の様子が変なのです。急に立ち止まってしまい、下を向いています。にゃん吉が心配そうに尋ねます。「僕は本を日常的に読むでしょ。活字があると目で追うクセがあるんだ。街は活字で溢れているから目が回ってしまうんだ。」下を向いたまま歩きながらねこっ汰は困ったように答えます。

「活字をたくさん読むねこっ汰は凄いね。僕に出来ないことだよ。だったら目に映る活字を順番に読むゲームをしよう。」にゃん吉がねこっ汰に提案します。「何それ?どういうゲーム?」不思議そうな声を出すねこっ汰。「例えば、今僕達の目の前にカフェって書いてある看板があるでしょ。僕はカフェって言う。そしたら次はねこっ汰が目に見えた文字を言うの。見えた分だけ言っても良いんだ。」「面白そう。じゃあ、さっそく‥ハンバーガー、靴、眼鏡屋、アイス」次々と目に見えた文字を言っていくねこっ汰。ゲームが楽しくて元気を取り戻したようです。「パン屋。道路、あれ?道路って文字はどこにもない。道路。ねこっ汰いつの間にか次の道路に着いたよ。」ゲームに夢中になっていた二匹は次に渡る道路に来ていました。



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