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マインドコントロールされないためにも

 億近読者の皆さんこんにちは。 金融教育の専門家 遠藤です。


 最近、ある企業から「株式投資について研修をしてほしい」という依頼を受けました。
 この企業は、人的資本経営、人的資本投資に力を入れていて、ジョブ型雇用やキャリア開発支援をかなり積極的されています。もちろん、DCの積立投資支援も随分前から取り組んでおり、「長期、積立、分散」については社員に浸透しています。


 そんな某社が次に目をつけたのが「株式投資」です。

 もちろん、社員全員が対象ではなく、希望者のみに試験的に行うものです。
 インデックスファンドへの積立だけでなく、さらなく投資のオプションを増やされたいそうです。

 株式投資とインデックスファンドへの積立の相違点は、「経済や経営のことを学べるかどうか」です。

 インデックスファンドへの積立は思考停止をしていても成功する確率が高い投資方法になります。ゆえに忙しい人でもできるので全国民におすすめです。

 一方株式投資のリスクはインデックスファンドとは比較になりません。
 ただ学べることは多いです。
 思考停止ではできません。


「この会社、今は調子いいけどもっと伸びるのか?同じやり方が何年も通用するのか?儲かっている会社は社員が怠慢になってしまう場合もあるが、どうやってマネジメントしてるんだ?会社は儲かっていても社員が苦しんでいたら続かないぞ?設備投資や買収戦略は考えているのか?買った会社のマネジメントは大丈夫か?固定資産投資が減損にならないか?そもそも最近ROEとかAIとか株価が上がる理由がもてはやされているが、未来にROEバブルとかAIバブルとか言われる暴落になったりしないのか?」

 など、大事なお金を投じる前には様々な疑いをかけていく必要があります。


 一方で「判断」も必要になります。
 だらだら調べているだけでは投資はすすみません。
 仕事においても判断をする力が必要ですが、投資においてもそれは同じです。
 株式投資は判断力も養えます。

 100点満点の会社なんてありませんから、いかに70点でもその先の成長を見据えてお金を投じられるか、この判断が難しい代わりに学びになるのです。


 株式投資にはマインドコントロールを防ぎ、自律する効果もあると思います。

 子供達は学校や塾、クラブチームなどの狭い社会集団の中で成長していきます。この状態は価値観を固定させるマインドコントロールを生み出しやすい状態だと思います。

 社会人になった際にも「会社人間」になることは、一種のマインドコントロール状態に陥っているといえます。


 マインドコントロールに陥らないために重要なことは「外を見る」ことです。

 学校や塾ばかりでなく、もっと外の社会に触れる。

 会社ばかりでなく、社外の人ともコミュニケーションをとる。

 仮に引きこもりをするなら、せめてネットで外の人と交流する。
 ゲームばかりやっていてはいけません。
 株式投資で外を見るのもいいことです。


 2024年3月6日の日本経済新聞の朝刊に、早期退職が比較的多い現状を物語る記事が出ていました。
 今は会社にマインドコントロールされながら終身雇用をまっとうする時代ではなく、自分をしっかり持つべき時代です。

 株式投資を通じて社外を知る力を身につけましょう。
 子供達であれば自分が働きたい会社を見つけることにつながりますし、大人であれば、マインドコントロールに陥らないための1つの情報収集になります。


(遠藤)


[遠藤 功二氏 プロフィール]

 日本FP協会認定CFP
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
 MBA(経営学修士)

大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。

子育て世代のための金融教育サービスFP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)

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