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時価総額を高めるM&A

 日経平均の上昇が顕著な昨今ですが、徐々にその潮流は個別銘柄にも押し寄せつつあります。

 株価の上昇には企業価値、すなわち企業収益、利益の拡大が必要であることは言うまでもありません。
 円安トレンド、適度なインフレが株高の背景になっていることは誰しも理解していますが、個別銘柄ごとに見ておりますと、株高をもたらす施策が様々にあることが分かります。

 グローバルな事業展開による業績の拡大や成長期待の新製品投入による業績拡大、生産性向上、コスト削減効果による収益向上、などの本質的な企業価値向上による株高に加えて自己株買いによる株高政策、配当性向向上と増配、株式分割による投資家の買いやすさ誘導、中期計画開示による投資家への成長アピールなども株高に繋がるかと思われます。勿論、これらを様々なIR活動を通じてアピールすることも株高には有効かと思われます。

 現在の3800余りの上場企業の大半がこうした施策を打ち出してはいるかとは思われますが、こうした施策が根本的な日本株上昇の背景にあると考えられるとともに、日銀や年金基金などを含めた国内外の機関投資家がそうした施策に便乗しトレンドを形成した結果の株高とも言えます。一旦株高トレンドが形成されますと需給が良くなってその上げトレンドに勢いがつくことになります。

 生成AIに代表されるAI時代やEVカー時代突入による最先端半導体需要の高まりや民間宇宙開発時代突入など様々な時代の変化が株式市場に新たな変化をもたらそうとしている点も見逃せません。

 企業の事業規模拡大には自社が保有する経営資源(設備や人材、クライアント、取り扱いアイテム)にだけ頼るだけではなく、他社の経営資源を有効活用する事業戦略も不可欠となります。いわゆるM&Aによる成長がビジネスのスケールを拡大させ時価総額の高まりに貢献することになります。


 株式市場では大なり小なり様々なM&Aによる成長戦略が語られており、投資家へのそうしたアピールにより株高がもたらされております。

 M&Aを仲介してくれる立場の企業の株価も華やかな株高を演じてきましたが、それを実行する企業にも恩恵がもたらされ、株高によって株主、投資家が株高の恩恵を受けるという好循環が生まれています。

 M&Aを実行する本体を100として単純に売上スケール10の企業を毎年2社グループに入れていくだけでも4年程度すると事業スケールは倍増します。当初利益貢献が小さくてもシナジー効果で収益をM&A施策をしない時代よりも大きく高めることができることになります。
 M&Aによる成長もこなれて来るかどうかにもよりますし、必ずしもシナジー効果が生まれない可能性もあり、財務内容の劣化など相応のリスクは付きまといますが、それも一種のノウハウではあります。

 多くの投資家はM&A型企業に対し、なかなかまともに評価しない状態が見られますが、現在の大規模企業の大半が自社資源の活用だけではなく、M&A型で拡大してきたことに注目する必要があります。本体のビジネスモデルに合致するM&Aなのかその内容を見極めながらの評価をしていく必要がありますが、短期的な評価だけでなく中長期スタンスで新NISA投資の対象ともなり得るかも検討して頂きたいと思います。


 M&Aによる収益とりわけ、営業利益の向上は企業の時価総額の拡大によって投資家の資産増強にも繋がるものと大いに期待されますので、皆様もこうした視点で銘柄研究されてはどうでしょうか。(


(炎)


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