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「未来を感じたんです」。可能性とワクワク感が移住の決め手。【おもせ〜ひと vol.11】

福島県大熊町の”おもせ〜ひと”(=面白い人)を数珠つなぎ形式でご紹介するインタビュー企画「おおくままちの”おもせ〜ひと”」。
11人目にご紹介する”おもせ〜ひと”は、大熊町への移住希望者、坂本道子さんです!

取材当時、郡山にいらっしゃったため、オンラインにてインタビューさせていただきました。

坂本 道子(さかもと みちこ)さん
大熊町への移住希望の方。インドネシア人のパートナーの方と生活されており、郡山にいらっしゃる親御さんの介護のため、福島県と茨城県とを行き来する生活をされています。
これまで、スターバックスや介護職、動物病院など、全国各地のさまざまな場所で、さまざまな仕事を経験されてきました。
愛犬である秋田犬のカイくんと一緒に住める物件を探し中とのこと。

これまで、大熊町ご出身の方へのインタビューが多かった「おもせ〜ひと」ですが、今回は、大熊町への移住希望者の方へインタビューさせていただきました!

大熊町に初めていらっしゃった時に「ビビッ」ときて、そのたった1回で大熊町に住みたい!と強く思うようになったという坂本さん。

大熊町の何が坂本さんを惹きつけたのか?、そして、犬を飼っていらっしゃるからこその家探しの苦労や、町づくりのアイデアについてお話しを伺いました!


初めて町へ来た時に感じた、未来と可能性

-簡単に自己紹介をお願いします。

坂本:坂本道子です。今は茨城に住んでいて(取材当時)、高齢の親の介護のために、福島の郡山と行ったり来たりしています。

-お仕事はどんなことをされているんですか?

坂本:今は福島にいる方が多いので、福島の介護施設で働いています。茨城県にいる時は、動物病院で働いていました。ずっと大型犬を飼ってまして、動物のことを知りたいなと思って、お勉強のために。

-現在大熊町でお家を探されているとお伺いしました。

坂本:大熊町は結構条件が揃っているんですね。パートナーがサーフィンをやるんですけど、海が近いですし、郡山にも行きやすい距離。あと息子がいる仙台にも行きやすいし。
何よりも、未来を感じたので。そのワクワク感で住んでみたいと思いましたね。

私、実は大熊町にはまだ1回しか行ったことがないんですけど、これからの町だなと思いました。今までいろんなところに住んできたんですけど、ほとんど完成された街にしか住んだことがないんです。
そういうところに比べて、大熊町はすごくいろんな可能性があるなと思って。

-大熊町のどんなところに可能性を感じましたか?

坂本:郡山から来る間に、廃墟とか、ロープが張られたところとか、そういうところがあったりしてすごく切ない気持ちになったんですけど。でも、建設されているところもあったりするじゃないですか。そういうのを見て未来を感じたんです。お話を聞いたら、何年後かに駅前に商業施設ができたりするんですよね。
未来を感じたし、なんかすごく嬉しくなりましたね。

郡山にずっと住んでいても、浜通りにはなかなか行く機会がなくて、テレビでしか見たことがなかったんです。テレビのイメージだと、正直何もないかなと思っていたんですけど、高速も通っていたし、駅も開通してるし。

浜通りの方になかなか行く機会がないというのは、県内の人だけじゃなくて、県外の人も同じだと思うんですよ。まして、県外の人はどうしても原発事故とかの影響で、マイナスイメージを持ってしまっているかもしれない。

今後町づくりをしていくのであれば、そうやって「そんなとこ行けないわ」みたいな感じじゃなくて、みんなが行きたくなるような、「あそこに行ったらこれがある!」とかいうのがあると、多分みなさん来てくれるんだろうなって。そういうのを想像すると、またすごくワクワクします。

-はじめて来たその1回で町に住むことを決められたんですね!すごい。

坂本:やっぱり、可能性と未来を感じたっていうのが1番。今から未来を感じられる場所なんて、そうそうないというか。

あと名前もかわいいですよね、「おおくま」って。くまのイラストも至るところにあって、いい感じです(笑)。

大熊町のキャラクター、「おおちゃんくうちゃん」(大熊写真館より)
こちらは震災後に誕生した「まあちゃん」(大熊写真館より)

「人間にも犬にも優しい町になってほしいなって」

-家探しの進捗はいかがですか?

坂本:家と仕事が決まったら、本当にすぐにでも大熊町に行きたいんですが、結構難航してますね。本当に住むところがないって行政の方にも言われたので。

隣の富岡町とか浪江町とかも紹介されたんですけど、アパートとかマンションはあっても、やっぱり犬と一緒に住めるところがないんですよね。

私たち、秋田犬っていうのを飼ってるんですよ。秋田犬って、あんまり見かけないですよね?一応、国の天然記念物で、法律で規定があったりして、外では飼えなくて。
犬を飼ってるとどうしても制限されるんですよね。本当に、家を建てるとかしかないので。そこまでは金銭的にちょっとできないので。

秋田犬のカイくん
とっても可愛らしい!!

坂本:うちの犬って結構特殊な犬種で、大型犬なので、ドッグカフェとかドッグランに行って断られることも多いんですよね。危害を加えるんじゃないかっていうイメージがあるみたいで。だから変な話、大熊町には人間にも犬にも優しい町になってほしいなって思うんです。

結構大型犬とか飼ってる方って、皆さん遊びに行かれるんですよね。関東の方だったら那須に行ったり、冬は結構会津の方とか。でも、福島の山には来るけれど、海側には来ないんですよね。茨城とか千葉の海に行っちゃうんです。
でも、福島の海も、高速に乗ればそんなに遠くはないですよね。だからそういう犬を飼っている人とかにも、福島の海の方とかにも来ていただきたいなとは思ってるんですけど。

-なるほど。これだけ土地もたくさんありますしね。犬を飼っている方だからこその視点ですね。

坂本:それから、パートナーがサーフィンをしていて、海が好きなんですよ。で、たまたま南相馬の海に行った写真をInstagramに載せたら、結構皆さんから「良い海だね」「どこの海なの」って問い合わせが来て。場所を教えたら、福島にそんなとこがあるなら一緒に行きたい!行ってみたい!っていう声があったので。
そういう情報とかも、きっと発信すれば、結構皆さん来てもらえるんじゃないかなって思いますね。

坂本:あとは、以前仕事をしている時に、「働いている人がその場所を好きだから、それが伝わって来る人もその場所を好きになってくれる」と思ったんですよ。

だから、まずは自分たちが大熊町を好きになって、好き好きアピールをすれば、その熱意が伝わるんじゃないかなって思いました。やっぱり、住んでる人が住んでる町を大好きじゃないと。

好きだよって感情って、結構伝わりませんか?この人がこんなに好きで、すすめてくれるんだったらちょっと行ってみようって、行きたくなるかなって。そうやってアピールできたら、皆さんに来ていただけるような素敵な町になるんじゃないかと思いますね。

大熊町の存在をPRしていきたい!

-大熊町に移住したら、どんなことをしたいですか?

坂本:大熊町のアピールができたらいいかなと思います。
例えば、大熊町のPRをするキッチンカーとかで色々イベントに参加するとか。そういうののお手伝いができたらいいなと思って。

キッチンカーって、結構ドッグランとかにも来てるんですよね。ドッグランって基本自然豊かでちょっと不便なところにあるので。そうするとキッチンカーでコーヒーとかご飯とかが売ってると、皆さん喜ぶんですよ。それに、犬のイベントって結構人が来るんです。

そこで、大熊町でできたものを使って、食べ物を出すとか、そうやって大熊のPRをするキッチンカーができたらいいんじゃないかなって。
あとは大熊町にドッグラン付きのカフェとかがあってもいいですよね。

町自体がどういう方向で町づくりをしていきたいのか、私はまだわからないけれど、町の進んでいきたい方向に添えるようなことであれば、私は一緒にやりたいなと思います。

-最後に読んでいる方へ、メッセージをお願いします!

坂本:私、年齢的にはそんなに若くはないんですけど、興味はすごくいっぱいあるので、皆さんが楽しくワクワクするような町に、今後一緒に住むことができたら素敵だろうなと思います。

私の理想としては、犬と散歩して、大好きなパン屋さんがあって、そこで犬と一緒にちょっとお茶を飲んだり、海を見に行ったり、そういうことができるような、素敵な町になったらいいなって。そんな町を、皆さんと一緒に作れたなと。

県内県外問わず、国外の方でも!誰でもウェルカムな町になったらいいですね。

【後日談】

11月の頭、坂本さんの移住先が浪江町に決まったそうです!
残念ながら、大熊町には、ワンちゃんと暮らすことのできる物件がなかったそう…ですが!2023年の2月頃から、大熊町でお仕事を始める方向で準備を進めていらっしゃるとのこと。

未来を感じ、ビビッと惹かれた大熊での生活、ぜひ楽しんでください!
愛犬カイくん🐶にもぜひ町でお目にかかりたいですね。


編集後記

私も1ヶ月大熊町で過ごしてみて、坂本さんと同じように「町が作り上げられていくワクワク感」を感じました。
自分の地元の街でも、新しい建物ができると「どんなお店ができるんだろう?」「どんな人が住むんだろう?」と楽しみに感じる人は多いはず。大熊は、その"ワクワク"を感じる瞬間が、これから先もっともっと増えていきそうなので、自分のように好奇心旺盛な人にはたまらない町になる予感です。

また、"転居"や"移住"は、人生の中でも大きな決断の一つですが、1度町へ来ただけで、ここに住もうと決めることのできた坂本さんの勇気には驚きました。
大熊町について話す坂本さんの姿はとても生き生きしていて、本当に最初の一回で大熊町に「ビビッ」と来たのだなと、その本気度がまじまじと伝わってきました。

何より、移住先が無事決まったとのこと、本当によかったです。
カイくんと共に、素敵な浜通りライフを!

インタビュー:殿村・中井
編集:殿村・中井

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