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「年刊花林花2023」を読む⑥島袋時子氏

花林花という句会がある。
先日「年刊花林花2023」を頂いた。

各同人の花林花抄二十句の連作から、掲載順に感銘句を紹介。

島袋時子氏「ひさびさの」より。

その家の窓は額縁秋の景

おしゃれな窓辺と秋の取り合わせがすてきな句。こういう日常のちょっとした発見が句を光らせる。

中秋の名月みなで分ち合ひ

その場で一緒でも、LINEで連絡を取り合うのでも、メールでも、今は色々な方法で季節や喜びごとを共有できる。素朴な句でありながら分かち合う喜びを再認識させる句。

勝ち負けは秋場所のみか其処此処に

秋場所といえば相撲である。季語の相撲をからめつつ、世相や世界情勢をやんわりと言う上手さがある。色んな場所で勝ち負けがあるので其処此処で大きく締めた。

月、相撲、窓など身近な題材でありながら、作者らしい上品さと一瞬一瞬の心の動きを感じた俳句だった。

以上。

続く。

最後までお読みいただきありがとうございました。 もっと面白い記事を書けるように日々頑張ります。 次回もお楽しみに!