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500日間の1人広報経験で学んだ「1人広報としての5つの心がけ」

みなさんこんにちは。株式会社ベーシック広報のおくだ(@OKYO000)と申します。

私が所属するベーシックは、Webマーケティングメディア『ferret』、フォーム作成管理ツール『formrun』、オールインワン型BtoBマーケティングツール『ferret One』を運営している会社です。

私は2018年4月に新卒としてベーシックに入社し、インサイドセールス担当を経て、2018年10月より広報に着任し、現在は、事業広報専任として広報活動を行っています。

以前、広報着任から約1年3ヶ月、1人広報になってから約10ヶ月が経ったタイミングで、自身の広報活動についての振り返りnoteを執筆しました。

上記のnoteを執筆後もしばらくは1人広報として業務にあたってきましたが、2020年5月、転機が訪れました。着任後しばらく1人体制だったチームに、ついに新たな広報担当が配属され、2人体制での広報活動がスタートしたのです。

2人体制になってからしばらくは、社内広報や採用広報の引継ぎ業務、事業広報として新たにできるようになった業務に無我夢中で取り組んでいたため、正直なところ精一杯でした。

体制変更から数ヶ月が経過し、事業広報専任の状況に慣れたのを機に、1人広報としての期間を振り返り、「どうしたら1人広報としてうまく業務を遂行できたのか」について改めて考える機会を持つことができました。その振り返りのなかで、前回のnoteを書いた際には気づいていなかったけれども「これは1人広報さんに活かしてほしい」ということが出てきたため、書き留めたいと思います。

特に1人で広報を担当されている方々にお読みいただけますと幸いです。

1. 「自身の手から最速でタスクを離すこと」を意識する

1人広報は「社内における広報担当が自分のみである」ことから、「自分でなんとかせねば」「自分で考えなければ」と過度にプレッシャーをかけてしまう傾向にあります。しかし、広報が抱える大抵のタスクは、「事業部など他の担当者から情報をもらって組み立てる必要があるタスク」など、広報1人で完結できないものであることが多いです。そのため「自身の手から最速でタスクを離すこと」を意識し、場合によっては人の手を借りながらタスクを完了させることで、なるべく早いタイミングで狙ったゴール(メディアへの情報提供など)にたどり着けるようにしましょう。

私も以前は、「自分でなんとかせねば」と、冷静に考えれば明らかに自分が持っている情報だけでは完了できないタスクについても、なんとかなると過信したうえで必要以上に抱え込んでしまっていました。しかし、「自身の手から最速でタスクを離すこと」に集中し、一定時間考えたあとに適宜上司や同僚に相談するスタイルに切り替えたところ、手元にタスクをため込むことがほとんどなくなり、結果としてより早い段階で狙ったゴールに到達できるようになりました。

2. 人に依頼している内容も含めてタスク管理をする

広報は他の職種に比べて普段関わる関係者が多いため、人に依頼しなければならないタスクも多くなります。1人広報であれば、その量はなおさら増えます。タスクの量が少なければ、「この依頼ってどうなってたっけ?」と頭で浮かぶ順に確認する形でも進められると思いますが、抱える量が多い場合「自分が何を依頼していたか」が抜けてしまうことも起こりがちです。

その際に「依頼していたタスクについて実は依頼された側も失念してしまっていて後からそのタスクが発見される」ということが起こらないよう、随時依頼したタスクについても自身のTODOリストと並行して管理するようにしましょう。

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(人に依頼したタスクを管理するリスト)

私自身も、リストで管理し始める前は、依頼したタスクが実は遅延していていても気づかないことが多く、ギリギリのタイミングで気づいて慌てる、という事態を発生させていましたが、上記のような管理をはじめてからそのようなトラブルが無くなりました。

3. 理想を持つためのインプット/アウトプットを欠かさない

大企業に所属している場合でない限り、多くの1人広報は「広報担当は自分のみ」「自分が広報戦略を考えなければならない」という状況に身をおくのではないでしょうか。その場合、会社の広報戦略は1人広報の能力に依存します。他部署との戦略議論の際には「広報としてどうしたいの?」というような質問を投げかけられるなど、会社を代表する広報として理想を描く存在であることを求められます。

その理想を描くために、日頃から本による情報収集や社内外の人との交流でのインプットおよびアウトプットを行いましょう。私自身は、インプットの印をアウトプットとして残すこと自体が継続の励みになり、かつ文字数が140文字とそこまで負担にならない量であることから、インプット後はTwitterでアウトプットすることを習慣化しています。

(広報会議10月号を読んだ後のアウトプット)

恥ずかしながら、私自身も上述のようなインプット/アウトプットを始める前は「広報としてやりたいことは?」「奧田はどうしたいの?」と問われても、明確な答えを持てていない状態でした。しかし、インプット/アウトプットを意識的に行いはじめた結果、自分における広報の理想を組み立て、そして自分の言葉で伝えられるようになってきたと感じています。

4. 人と同じ認識を持てているかを随時確認する

1人広報がよくしてしまうミスとして、「同じ認識で動いている」と思い込み、実は齟齬が生じていてもそれに気づかずにタスクを進めてしまうことが挙げられます。

広報は他の職種に比べて普段関わる関係者が多いために、並行するコミュニケーション数が増えます。1人広報であればなおさら、その全てに対して1人で対応せねばならず、つねにその返信に追われている状況となることは想像に難くありません。並行して多くのコミュニケーションを行うなかで、自身が「同じ認識で動けている」と思っていても、いざ話が進んでみたら「誤解だった」というような事態が起こります。

認識齟齬が起こったまま進んでしまったのちに、結局やり直しになることほど無駄なことはありません。少しでも認識齟齬を防ぐために、こまめに(少しでも合意が取れているか不安になったタイミングで必ず)認識が合っているかの確認をしましょう。この認識齟齬を防ぐためのゴール確認は、物事の決定における優先順位をつけながらタスクにあたる、という意味でも有用です。

私自身、他部署と連携をしながら進めなければならない記事の作成において、大筋合意が取れていると思い込んだまま記事を作成したものの、実は厳密には合意が取れていなかったことが後から分かり、完成間近のタイミングで7割方作り直したことがありました。作り直しにより、新たにそのための工数が発生し、非常に非効率になってしまいました。非効率な作業の発生は、1人広報の限られているリソースを無駄づかいするだけでなく、一緒に働くメンバーからの信頼にも関わります。極力避けるべきです。

5. 社内外の専門家を巻き込む勇気を持つ

広報担当として、よりよいアウトプットを出そうとする際には、社内外の専門家を巻き込む勇気を持つことが必要です。

広報として動くなかで、広報以外のメンバーに頼らないで物事を進めることを理想としていた時期がありました。もちろん自分でできることを自分で完結させようとすることは大事で、かつ全てを自分で進める方が一見スムーズに進むようには感じられます。一方で、普段から事業における業務にあたっているメンバーからだからこそ聞き出せる内容も多いため、独力で終えることにフォーカスしてしまうと見誤り、場合によっては精度の低いアウトプットになってしまうことがあります。

前回のnoteでも「社内の相談相手を見つける」として似たような話題に触れましたが、前回執筆したような「気軽に相談できる相手を作る」ことに加え、「自らが得たい情報を得るために、例えそれまでに話したことがない人であっても積極的に巻き込む勇気を持つこと」が必要であったと感じています。

1人広報が必然的に社内で1番の広報に詳しい存在であるのと同様に、広報担当がいくら一生懸命に勉強をするとしても、他の領域においてはその領域の専門家と同レベルの知識を持つことは通常はあり得ません。適切に専門家を巻き込み、そのような専門家を読者として抱える媒体によりよい情報提供をすることが大事です。

私自身も、ある媒体への持ち込み企画を考えている際に、思い切ってその媒体の専門領域を担当している社員を巻き込みつつある媒体とコミュニケーションを取ったところ、それまで1人では掲載獲得を叶えられなかったメディアへの掲載の機会を獲得することができました。

事業成長を支える広報になりたい

以上の5つが、私が1人広報としての1年半の経験の中で、「1人広報として心がけておくべきだった」と感じていることです。

2018年10月の広報への異動から、社内報立て直し(2019年2月〜)、採用広報プロジェクト(2019年5月〜)、事業広報(2020年6月から専任)など、ベーシックで実に多くの挑戦をしています。その挑戦のなかで、たくさん失敗し、沢山のフィードバックをもらいながら、多くのことを学んできました。

2020年10月には広報としてのキャリアも3年目に入ります。3年目といえば一般的に「一人前」として、より取り組みの精度の高さや成果を求められてくるタイミングかと思います。これまで広報として学んできたことを糧に、ベーシックの事業の成長を支える広報になれるよう、今後も努力していきます。

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