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AVTuberを見るということ

ほとんどのVTuberr業界人はAVTuberの動向を追っていないと思う。
なぜなら自らの事業に関連性があることが少ないからだろう。
案件を振る対象になることもなければ、何か競合になることもない。
卑猥なものはけがわらしいと近寄らない人もいるだろう。

「エロ売りのVTuber」といったレッテルのような呼び方をする者もいる。
個人的には「エロ売りのVTuber」なぞリスペクトの一切ない呼び方は納得がいかない。「エロ」を売りにしていることは事実ではあるが、もっと「AVTuber」という単語があるのだからそれを使えばいいのに、さもそれが悪いような言い方にも聞こえてくる。

例えばAITuberを「AI売りのVTuber」とは呼ばないだろう。
○○系VTuber(例えば地方系VTuber)を「○○売りのVTuber」と呼ぶこともないだろう。
考えてもおかしいだろう。

そんな業界の中で自分はどちらかというと、AVTuberに一目注目し、定点観測を続けてきたポジションといえるだろう。
すでにKAI-YOU PremiumさんでAVTuberについて連載で3回にわたって記事を公開しており、”PVH”でもAVTuberに関連した情報も蓄積できるようにコミュニティを構築している。
さらに、FantiaではVTuberカテゴリの新規コミュニティを不定期でチェックし、常に動向をチェックしている。

私はAVTuberを見ることで欲求を満たすことよりも、どういう動向をしているかを追うことに重きを置いている。

なぜAVTuberの動向を見るか。まずひとつは可能性があると考えるからだ。
VRや3D映像をはじめ、様々な映像技術はアダルトビデオから現場に取り入れられた背景がある。
現状のVTuberにイノベーションが新たに起こるとすればAVTuberに起こる可能性は十二分にある。

しかし、そのポテンシャルはAV新法の登場により、企業の参入が難しくなったことで大分下がってしまっているのがここ数年の実情だと思う。
ただ、メーカーが主体となって自慰行為とライブ配信の同期性を持たせた配信は徐々に増えつつあり、こうした同期性の開発においては期待が持てると思っている。
将来的にそうした同期性を持たせた配信を通常のVTuberであっても可能になれば、より新しいエンターテインメント体験が可能だろう。

また、AVTuberの動向はデジタル/フィジカル動向においては重要なポジションにある。

積極的にフィジカル領域で活動することが多いAVTuberは、いかにVTuberとフィジカルを掛け合わせるのかの実験の場になると思っている。
また、フィジカル領域で活動するAVTuberが多くを占める中で、デジタル領域にこだわってキャラクターでのコンテンツ体験を大切にしている、けもみみりふれの存在もある。
VTuber業界全体としてフィジカル領域のコンテンツが多くなってきた中で、どういったデジタル表現で差別化を図るか試す時期がそのうちやってくる。
こうした中で、けもみみりふれの存在は未来のVTuber業界の差別化のやりかたを提示してくれると思う。

また、いち早く他のVTuberよりもDiscordなどを活用したコミュニティの構築などよりリスナーと近い交流が行われることにも注目するべきで、こうしたコミュニティの作り方についてはある程度他のVTuberも参考になると考える。

また、フィジカル領域に進出しているAVTuberはオフパコの実行や、風俗店での稼業といったアフターコロナになって「会えるVTuber」を性体験的に提供する者も現れていることも私は注目している。

体験者は快楽を得られる可能性が高いが、これは広く世の中に広まった際には後にトラブルを生む可能性が高い。
そうしたところも水面下で動向を見ることでいざトラブルが起きた際はメディアで動ける。

VTuberのこの先をAVTuberで見る。ここまでAVTuberのフィジカル領域への進出をしている様子を見ると、これはあると思う。とあるメディア記事で「VTuberという言葉は使われなくなるだろう」という予測があったが、私もこれは同意せざる得ない。

AVTuberが「VTuberである必要」は恐らくない。
視聴者の多くはフィジカルの身体を見ることを求めているからだ。
だからこそ、恐らくそのVTuberという単語が使われなくなる道はAVTuberに先に来るだろう。
私はその瞬間、時期を観測していきたい。

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